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lunatrium/carmen forum

管理人・シュウの詩置き場です。投稿は自由です。
詩書きさんはどうぞ書き殴っていって下さい。感想・批評なども歓迎。もちろん、ぼくの投稿以外に感動されたときもレスポンスをご遠慮なく。
著作権は投稿者の方個々人に属します。無断転載厳禁。
また、詩に関連しない投稿は禁止となります。何かしら関連していれば結構です。

時折、共通のお題に沿って詩作を試みるキャンペーンを行ないます。
こんな縛りでやったら面白いのでは、というご意見があればお便りをお寄せください。

※時折背景色を変えて催しをするために、字が潰れている箇所があります。
お手数ですがそれと思しき作品は、反転をした上でご覧ください。

「アイム・ヒア」と言え / シュウ
水の中で目を開けても
褒めてもらえやしないけど
信じがたい種類の点を
見つけられるのはそんな時で

何度でも馬鹿にしたい奴
忘れたくても不意に近づいてくる
何か熱いもので脅かしたくても
別の誰かも火傷してしまいそうだな

リニアな孤独が
相互に作用して進んでいく
たぶん先に破滅などなくて
つまらない平穏が待っていそう
欲しいのか?

衛星まで飛んで行きたかった
できることなら
衛星まで
できやしないから
まだ飛んで行きたい
できやしないけど

月に一度の不運と
十年に一度の鬱のあいだにも
一生ものの幸せがあったよ
誰がくれたものでなくても
与えられたと言い切れるような
いつか愛されていた
覚えていないが
ここにいると叫んでも
聴いてくれる人がいた
No.925 - 2012/12/04(Tue) 14:03:38
生姜を摺って / シュウ
冬来たりなば春遠からじ
だからこそ
不当に永い冬は早く追いやれ
強すぎる火を消して
皆で温かいものを飲もう
No.924 - 2012/11/28(Wed) 18:48:18
nowhere / 水散る [関東]
現実を踏まえない出鱈目な理屈を

幾つ唱えたら先に進めるの

両足はとうの昔に萎えていて

頬を撫でる風に怯えてる


残酷な昨日や誠実な明日を両方

疑いながら机に並べていく

歪んだ窓枠が視界の全てで

湿ったカーテンがそれを塞いでしまう


持っている物は何もない

でもどうせ行き先だってない

誰も待ってない空白を

一瞬のような永遠を歩く

この目を喰らえ この手を喰らえ

お前ばかり生き延びてしまえ


静寂の太陽や喧噪の月の

その光跡をなぞっていく

大地が据えた 万年の孤独を味わう

誰が望んだの 誰が泣いてるの

誰が汚れたの 誰が死んでるの



誰も待ってない空白を

一瞬のような永遠を歩く

この目を喰らえ この手を喰らえ

お前ばかり生き延びてしまえ
No.920 - 2012/11/11(Sun) 01:05:29

Re: nowhere / 水散る [関東]
お久しぶりでございます
No.921 - 2012/11/11(Sun) 01:06:19

Re: / シュウ
お久しぶりです。投稿、うれしく思っております。

以前から感じていた、破壊や孤独のイメージと、それを甘んじて受けいれる姿勢の格好良さが今なお生きていて、何だか懐かしい気持ちになります。「お前ばかり生き延びてしまえ」という一行のキレには、背筋が寒くなりました。
以前より更に贅肉が落ちたというか、骨の感触が増した、という感じがあります。単なる褒め言葉としての「磨きがかかった」というのでなく、研磨によって軽量化されて素材の味が明らかになったと言いますか。それがとても効果を上げている。

ご存知がどうか判りませんが、昔、同じ題の詩を書いたことがあります(内容は殆ど覚えておりませんが)。しかし記憶にある限りの書いた当時の手応えを思い出すに、水散るさんの作品のほうが間違いなく題を生かしていると思います。どこにもないこと、今ここであること。
No.923 - 2012/11/11(Sun) 11:14:08
オー・ノー、ブルーノ / シュウ
年老いた俳優の持つ
残酷にやさしい引力
銀幕には何でも映るが
あそこで捉えられた死を
どうにか持ち帰りたがるのは
悪癖と謗られるべきなのか
一種のピース・オブ・ケーク
虫歯の朋友
結局は麻薬
予言を聞くのにはうんざりだが
燕の巣づくりを待ってこそ
冬は早く過ぎる
過去まで走っていって
誰かの肩を叩けば
未来のきらめきがひとつ増すのか
かつての甘い記憶が
墜落の先触れだったと気付いても
昔の幸せなくしては
愛のために尽くそうと出来ぬ
次が何幕目かは忘れたが
観客が席に着いていなくても
とっとと舞台に上がろう
刹那はとこしえ、一日は短い
先刻承知だ
次へ次へと続けるだけ
難問に取り掛かるのだ
アンコールを三回は受けるために
歌っては呼び戻され 踊っては呼び戻され
何でも持って行ってもらいたいのだ
ぼくのもの全て
No.922 - 2012/11/11(Sun) 10:51:17
義足の象 / シュウ
あんなふうに時間を震えさせても
素知らぬ顔で
まだ夢も半出来なのに
散歩ばかりしている
口笛が吹けないから
黒いえんぴつでも物の色まで描く
それだけのことだったはず
諦めを知りながら
本当のところでは欲を捨てず
山の頂と海の底を結びつけよう
二度転身して元通りの今
どこから血を吐いてもいい
頭から奈落に落ちてもいい
火口に氷を投げたような一生になっても
誰かの耳に一顆の音楽となって
誰かの愛の栄養になろう
つまらない恋などしたくなくて
やっと見つけたひとのように
No.919 - 2012/10/30(Tue) 09:45:27
持続可能性 / シュウ
至るところに充ちてしまう愛を
残らず蹂躙して下品に笑う
天から降ろされたが海にたどり着かないきざはしで
空虛な魚のどうしようもない目に唾を吐く
黴と雑菌と記憶によごれた布団に
何かしらの赤い物で大事なことを描く
指差された人間が背負わざるを得ない
電気的な発動を自分勝手に中途で止める
にやけ面で飴を噛み
目を眇めてたばこの煙を聞き
耳をふさいで芝居へ行く
暫く死なない
No.918 - 2012/10/25(Thu) 23:22:13
電子制御の黒いろ / シュウ
矢継ぎ早に馬鹿が質問する
世を拗ねる
間違いを指差して間違いと呼んで
奴らは何をどう改めたいのか

気狂いがうまい譬えをひり出そうとしている
言い得て妙だと讃えてみせれば
「尽くした」と言って
幸福を自称してよいものだろうか

愚かさに浴しきれず
正気に縋りついている僕が
No.917 - 2012/10/20(Sat) 10:25:43
夜想 / シュウ
玻璃の震え
伝う水も怯えるような

簡単な狂気を芽吹かす
血曇りが心に延びて
夜までも塗りつぶしていく
星も月も無に帰して
寂寞
一人になった静けさではなく
元から何もなかった本当の孤絶
ゆっくりと
闇でも光でもない状態が
私の視界を占めてしまう
もう幾つ寝ると死
時代が堕落しては
良く出来た人が無為に過ごす
営みと云えばそれまで
少しでも歩くべきか
萎える躰、愛、命
面倒な方法
解決はできないのに
破れた胸
息もつけぬ程の
痛みと
恍惚
グランギニョルなら目白押し
嫌でなきゃあ
素面の時に教えて欲しい
君の名を
No.916 - 2012/10/17(Wed) 16:32:59
生活 / シュウ
風の中に漂うものは
いつか見えなくなる
できれば君には僕のそばにいて
僕のまなざしを気にかけていてほしい
まったく勝手な時に
見えたよね、と言ったとして
見えたよね、と言った僕を見て
この人は見たのだなと感知してほしい
そうして君が頷いてくれるなら
僕は何だって抛ってみせる

歳のいった子供の刃物のような号び
聴いているだけで爪が短くなる歌
花の枯れる音 咲く音
屋根から土への雨の動き
昼も夜もない季節の行軍

きれぎれの空に
ひと連なりの雲がうごめく
ありふれたごみ箱の中で
かけがえの無い時間が息をしている
No.915 - 2012/09/20(Thu) 13:13:04
鳥と飛んで / シュウ
本を店の棚から取り出し
自分の棚に仕舞って初めて宿る
新たな重みを愛そう
初めは重くて歩けなくても
死んでしまいそうなだけ抱えて
血を吐きながら笑って進もう
No.914 - 2012/09/08(Sat) 14:20:03
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