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lunatrium/carmen forum

管理人・シュウの詩置き場です。投稿は自由です。
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著作権は投稿者の方個々人に属します。無断転載厳禁。
また、詩に関連しない投稿は禁止となります。何かしら関連していれば結構です。

時折、共通のお題に沿って詩作を試みるキャンペーンを行ないます。
こんな縛りでやったら面白いのでは、というご意見があればお便りをお寄せください。

※時折背景色を変えて催しをするために、字が潰れている箇所があります。
お手数ですがそれと思しき作品は、反転をした上でご覧ください。

閨事 / シュウ
静かな息
恋人だけには見せられない涙
雨雲を貫くただ一条の光
ぼくはセミ・コロンを打って
無粋な但し書きを付け足してみたい
No.841 - 2011/07/17(Sun) 21:43:12

解説 / シュウ
要は愛し合う二人のピロートークの甘さを謳ったものなんですが、最後の二行は「許されるものなら何でもかんでも説明したい」というぼくの悪癖のことです。言わないことで完成されるものもあるというのに。
No.872 - 2011/08/02(Tue) 14:21:07
パースペクティブ揺動 / シュウ
もし嘘をつけなくなっても
僕を疑える人を好きになりたい
信じてくれるな

年老いた暗闇に浸れば
萎びたガラス窓も肥り始める
同じ原理を覚えた僕は
ハナニラに融けていくだろう

死ぬまで一緒に逃げようと言い出せたなら
時間を直に掴もうなんて
いまだに夢見ていない
もうじき
僕はもうじき
 
No.840 - 2011/07/16(Sat) 12:32:19

解説 / シュウ
結構落ち込んでいる時に書いた覚えがあります。書いた時の記憶は……あまりないですね。割と空虚だと自分で思います。ただまあ、ハナニラは好きな花です。
No.871 - 2011/08/02(Tue) 14:18:07
小さな火 / シュウ
その人の頬に手をあてがうとき
いとしさと怯えが混ざるなら
不純のない愛が熾りだしている
No.839 - 2011/07/15(Fri) 00:43:22

解説 / シュウ
これも無駄のない詩を書こうとして出来たものです。タイトルは悩んだ挙句、リトル・フレイムスから名前を借りました。
リトル・フレイムスはデビュー当時、MTVで『Goodbye, little rose』のビデオを観て、すごくいいバンドだなと思ってたんですが、誰に勧める間もなく動向を耳にしなくなり、いつのまにか解散してしまっていました。

長いこと「2000年以降の洋楽はブロック・パーティとリトル・フレイムスだけでいい」なんて嘯いてたんですが、最近ラ・ラ・ライオットにグッと来て、ちょっと嬉しいです。
No.870 - 2011/08/02(Tue) 14:14:17
/ シュウ
いくつものプラグインへの変身
朗らかな放射
雨だれを結わえるための蔓
赤い波、緑の雪、青いマグマ
理解なき愛
完璧な吃音
柔らかい矢
距離の関係ない接吻
水を運ぶ手のひら
眠りを妨げるカーテン
独り歩きする影
洞穴から吹く風

湿度
空飛ぶ生き物の軌道
心臓の交換
一人が一度に産める唯一の輻輳
溶けかけた震動
皆の寄る辺
草原に潜む蛇の死骸
どの季節にも咲く花
バビルサの牙
直截なエスキース
顔を舐めること
空から人を取り戻す夢
No.838 - 2011/07/14(Thu) 23:47:30

解説 / シュウ
タイトルにもあるとおり、「歌」についての詩というか、歌はどういうものかという自分の認識の羅列です。
No.869 - 2011/08/02(Tue) 14:02:38
台風一顆 / シュウ
長すぎる鉄砲は
髪を飾る百合のよう
かみなり雲のじゅくじゅくした種を
気もちよく撃ち落とせ
家々のベランダから続く
縹色の階段
上って摘むか台風を

主婦が一人飛ばされる
昼まで心配したら僕も上ろう
No.837 - 2011/07/13(Wed) 18:06:53

解説 / シュウ
台風を一顆の果実と見るというひらめきに基づいていますが、個人的には、思い描いたイメージを完璧には描けていないと思うので、リトライしたいところです。

キリンジの『台風一過』の完成度に打ちのめされて書いた詩でもあります。
No.868 - 2011/08/02(Tue) 14:00:38
Oscillator / シュウ
僕に抱かれろよ
太陽
気の済むまで
育つね
目を離した隙に
毒も知らないで
眠るな
もっと話したい

いつか水の中へ
進んでいくのだろう
誘わずともお前は
力しか持たないのに
僕は憧れている
願わくば永遠にと
あれからずっと思っている

お前に溢れるだけの青いものが
この世界には広がっている
いくつでも教えてあげよう
誇らせてくれ
お前に会う前から具えていたものと
お前に貰ったもの 
No.836 - 2011/07/12(Tue) 17:15:06

解説 / シュウ
一月に甥が生まれまして、彼に寄せたものです。とにかく可愛い。大人が子供の前途を祝うというのはとかく無責任なもので、余りやりたくはないんですが、ついそうしたくなってしまったのです。

タイトルの「オシレーター」は発振器のことです。シンセの、音の波形を作る部分ですね。赤ん坊はオシレーターしか持っていないようなシンプルさがあって好きです。
No.867 - 2011/08/02(Tue) 13:53:52
転がりながら唾を吐く / シュウ
オレンジジュース
久しぶりだね
嫌われたと思ってたんだ
嘘に気づいたんだろう?

天使じゃなかったから
嫌いじゃなかったけど
芝居が巧かったから
君を好きではなかったよ

本当に生きたくなくて
CENSORED」と言う人は恐い

冬の夜に大きな火が熾きた
一等目映い記憶さ
常夜灯のケロイド
三隣亡 三隣亡

F‐1を予約したのなら
良くないことが始まりだす
着替えも濡れて
孤独とはもう別れられない
 
オレンジジュース
久しぶりだね!
No.835 - 2011/07/11(Mon) 11:54:49

解説 / シュウ
ナンセンスなものを書きたかったんだと。これというメッセージは特にありませんが、「本当に生きたくなくて「CENSORED」と言う人は恐い」という箇所は、全くもってぼくの実感です。無意味な言葉の中に、意味を含ませた言葉を挟み込むということは稀にします。より無意味にさせるために。

「冬の夜に大きな火が熾きた」というのは、たぶん『害虫』の予告編から来ているのだと……。何かのレンタルソフトで一度、早稲田松竹で一度、合わせて二度予告編を見ましたが本編は未見です。

「オレンジジュース」の思いつきはブランキー・ジェット・シティの『赤いタンバリン』から……ではなくて、二段落目の「天使」、それからタイトルと絡んでいて、ソニック・ユースの『Orange rolls, Angel's spit』とのヒッカケです。
No.866 - 2011/08/02(Tue) 13:49:23
南中時刻前後 / シュウ
サンダル履きの足が
草いきれも踏みしだけば
小鬼の狩人は僕たち目がけて
とかげを弓で撃ってくる
水道水で
喉も肌も潤せば
改めて燃える幼い理想
照り映える全てが入道雲だった
繰り出される言葉はみんな向日葵だった

汗も拭わず駆け回れば
本降りの中にありながら
僕たちはきっと
夕立の後の舗装路面の
緩衝材のようなあのにおいに
きっとなれるだろう
トタンでやけどをして
赤い熱を知れば
僕たちはきっと
夕立の後の舗装路面の
目に見えるまで色づいたにおいに
きっと
No.834 - 2011/07/10(Sun) 14:58:46

解説 / シュウ
また夏の詩です。とかげの描き方は素直に思えます。衒いが少ないというか。この頃は、むしろ八月に入った今よりも暑かったのでこういう詩を書きやすかった、ということもあります。

夏といえば、濡れたアスファルトのあの臭いだろうと思って、色々こね回した結果です。『彼は誰ぞと問うた日に』共々、西瓜を盛り込めなかったのが心残りと言えるかも……。まあ自炊する機会が増えたとなっては西瓜はぜいたく品で、最近あまり食べる機会はないんですが。

なぜか今度は《あの夏》を懐古していますが、まあやっぱり楽しかった記憶というか、あの瞬間にしか味わえない「消費」の実感、社会的な意味合いの全くない「消費」の実感というのはあって、それはやっぱり尊いものだと思います。

「夕立の後の舗装路面の」というフレーズの歯切れはそこそこ気に入っていて、『風街ろまん』の頃のはっぴいえんどに近い気がしないでもないですが、単なる自意識過剰かも、という気もします。
No.865 - 2011/08/01(Mon) 18:03:19
キンダーガーデン / シュウ
フロアに繭が並び
静寂の粒が殖え続ける間
予め見透かしていたのです
その時には見知らぬ貴方も
眠らずには夜を過ごせないことを
No.833 - 2011/07/09(Sat) 15:45:16

解説 / シュウ
ボリュームが少ないのは、下の『泥中鉄道』を書いた時のような意識があるからですね。

「フロアに繭が…」というのは、幼稚園の時に経験した、いわゆるお泊り保育というのか、幼稚園でクラスメイトと寝泊まりする、とかいうプログラムの記憶のことです。体育館みたいなところに布団を並べて寝た記憶があるんですが、先生から不審がられない程度に体を起こして、布団(とクラスメイトたち)の列を見た時の、不思議というか、グロテスクなインスタレーションを見たような心地を書き留めたかった訳です。

それを作っていたのは睡眠という当たり前のアクションで、今大切に思う人間の多くはその夜同じように寝ていたのだろう、そして人は大抵の夜を寝ずに過ごせない。
これは一つのドラマではないか? という。うーん、また表現したい実感ではあります。
No.864 - 2011/08/01(Mon) 17:53:16
泥中鉄道 / シュウ
人の少ない電車で
体温が空調に犯される時
不健全な眠りは僕たちを舐る
No.832 - 2011/07/08(Fri) 22:08:24

解説 / シュウ
たぶんここで書いた『流離のためだけのハード・バップ』とかからだと思うんですが、長い詩に密度を持たせることの快感に味を占めていたところがあって、昔書いていたような、短くて無駄の少ない詩を書こうとしたのがコレです。
自分では、まだ勘が取り戻せてないな、と思う作品です。ただ「あの瞬間は詩にしたな」という記憶になるぐらいには印象に残ってはいます。
No.863 - 2011/08/01(Mon) 17:45:31
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