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lunatrium/carmen forum

管理人・シュウの詩置き場です。投稿は自由です。
詩書きさんはどうぞ書き殴っていって下さい。感想・批評なども歓迎。もちろん、ぼくの投稿以外に感動されたときもレスポンスをご遠慮なく。
著作権は投稿者の方個々人に属します。無断転載厳禁。
また、詩に関連しない投稿は禁止となります。何かしら関連していれば結構です。

時折、共通のお題に沿って詩作を試みるキャンペーンを行ないます。
こんな縛りでやったら面白いのでは、というご意見があればお便りをお寄せください。

※時折背景色を変えて催しをするために、字が潰れている箇所があります。
お手数ですがそれと思しき作品は、反転をした上でご覧ください。

動物は天を仰ぐ / シュウ
滑るだけの日々からはどうしてか
他にない甘さが醸されるのに
疼きに似たかつての罪までが
やにわにてかり始めてしまう
冷めた焙じ茶でコーラを予防して
明日の汗を貯えてしまえ
目配せ一つで心臓を絞られる
あの日の弱さを隠すために
フォグランプが狸を照らして
流血を免れる夜を目指す
渋谷のような料理を
ぼくは作ることができずに
不用意な暖かさに行き着いてしまう
全ては研究のためにあるようで
一過の夢でしかないのかも
そう思えば 
周りに愛を蒔いても
満ち足りるのは自ずと

胸を破る拡散の記憶が
今もこの心に残る
火をまさぐるように
またぼくは歌えるのか?
 
土もないのに暗がりに花が咲く
 
No.820 - 2011/04/29(Fri) 08:37:16
ロンサムゴート / 太郎

まやかしも疚しさで
口実にはこじつけて
沈黙の金を隠しても
均等なピントは一層
明るみへと曝け出す

ゾンビーな俺は  撃たれるシュミレーション
この街のフィードバックは常に   
誰かを化かすでもなく

例の亡霊  抜かりも無く
見えもしないのに  消えやしない
君の匂いや  あの日々を
わすれたいのに  覚えてもいない

御座なりなお触りに
憚りならわだかまる
一等星をうたうなら
均等なピントが嫉妬
暗がりへと誘い込む

ランボーな妄想  搾り出すのがクリエイション?
この街のフィードバックがたまに   
誰かを咲かすそぶりする

陰の末裔は  加減を知らず
伸びもしないのに  絶えやしない
君の言葉が  あんまりで
かわせないのに  ぱっとしない

例の亡霊  抜かりも無く
見えもしないのに  消えやしない
君の匂いや  あの日々を
わすれたいのに  もう思い出せない
No.818 - 2011/04/18(Mon) 00:59:27

Re: / シュウ
お久しぶりです、投稿まことにありがとうございます! 心から嬉しく思います。

タイトルには独特の雰囲気がありますが、詩そのものに感じるのは圧倒的なドライブ感です。
「均等な……」のフレーズなどにある明快な押韻もそうなんですが、三行で構成される節で提示されるイメージが一番の要因であろうと思います。

「ゾンビーな……」が、テレビゲームかエンタメ映画のような即物的な娯楽の愉快さを思わせたり、「ランボーな……」で想像を掻き立てられたり。以前、太郎さんの詩の語尾は時々フリクションを思わせる、なんて申し上げましたが、ぼくは「クリエイション?」には同様のものを見出します。落としたナイフが自分の足の指を切るような急速な鋭さ。
詩の中の《俺》の内面に喰い込んでいるのであろう「この街のフィードバック」というフレーズにもぞくぞくします。続く三行目の「誰かの……」で表情が増えるのも、その部分の音韻の対照も面白い。

「覚えてもいない」が「もう思い出せない」に変形するだけで一気に立ちのぼってくる哀切は見事というほかありません。歌詞と読むなら、まさにコーダというか大サビにあたる部分ですが、カタルシスに溢れた締めくくり方だと思います。

かつては、確か太郎さんは関西の方にお住まいだったと記憶していますが、地震の被害には遭われませんでしたか? こちらは時々生活用品の不足を感じるものの、ケガをしたりということは全くございません。
このような情勢の中、ただでさえ放り出しがちなこのBBSに再度作品を投稿していただけたことに、繰り返しになりますが非常に嬉しさを感じています。
ぜひ今後とも、お越しいただければと思っています。
 
No.819 - 2011/04/19(Tue) 18:05:10
天人唐草 / シュウ
低い屋根の上に登る
見えるはずだ
君の眼が
闇を容れすぎて涙まで弾く君の眼が

洗濯物が乾くのも
花が芽吹くのも当然だろう
しかし僕から君が見えるのは
僕の努力を抜きにしては有り得ないのだ

巧みでも何でもない言葉遣いで
君の折節を憩わせられるなら
本当に大切なもの以外
いくらでも蔑ろにできる
こうして下手な歌も書く
そうして心を曝してみせる

砂漠さえも喰い尽くす春にしよう
芝居のように手を伸ばせば
そうなってもおかしくないだろう?
 
No.817 - 2011/04/04(Mon) 13:58:54
滑空途中のまどろみ / シュウ
緩める手順の難しさを知らぬ人と
分かち合えるものの少なさを
丁寧に確認していくことが
子どもを大人に変えていくだろう
夢の指す
予感だけを漂わせる方角も
ともがらの貌をして近づいてくる試練も
ひとを大人にはしないだろう

ハッシャバイ
朝に
ハッシャバイ
冷え込む朝に
ハッシャバイ
冷え込む朝にだけ
ハッシャバイ
冷え込む朝にだけ歌をうたって

月が無く星だけが有る夜を眠れ

ボトルが冷えている分
のどは渇いている
いつものことだ

錠剤だけがぼくを癒すような錯覚を忘れて
今度はいつあの人と睦み合えるだろう?
頬を桃色にする風を
もうぼくは吹かせられないかもしれなくて
あれから得た力も頼りない
変わらないのは
ずっと歩いていく気概だけ
全ての人から刃を手放させるための斥力を
全ての人から発するために

ハッシャバイ
胃の腑も凍りそうな中で
ハッシャバイ
自分を人間たらしめるように
ハッシャバイ

一番深くに喰い込む夢は
大概醒め際に瞬く


誰もそれを視たことのないまま
夜は夢を湧かせて廻る
 
No.816 - 2011/03/31(Thu) 09:34:54
もうじき音楽が聴こえなくなる / シュウ
人の声は衝撃と同期する
突き飛ばされ
叩きつけられ
殴られた人は何か言う
しかして一斉にではなく
皮膚が受けた痛みのパルスと
重心のゆらぎが
精神に到達して初めて発話に至る

眠りまでが動揺しないこと
不穏当な温度の宿った雨が降らないこと
人の涙が人に吸われぬままには天然に融けないこと
批判がほんとうに是正のために活きること
音量以外のものからも人の猛りが見定められること
悲劇に準じた行ないではなく
自分に準じた行ないによる働きが現れ始めること

もうじき音楽が聴こえなくなる
少しの間 しじまが降りる
先んじて皆祈っていて
まだ音楽によってその声は隠されている

もうじき音楽が聴こえなくなる
そのとき上がる声の一つには
誰もが持つものが秘められている
 
No.815 - 2011/03/13(Sun) 08:25:35
Re:Re; / シュウ
気付けば返信の〆切が過ぎていたので、記事を改めさせていただきます……。

もんさん、お久しぶりです! そして感想をありがとうございます。
(ブログを更新しないのが最大の原因とは思いますが)めっきり人足も途絶え、以前のようにレスをいただくこともなくなり、果たして自分の詩の質が落ちているのだろうか、と感じておりました。
そこにお褒めの言葉をいただいて、本当に嬉しい限りです!

下の詩はいわゆる恋歌を意識して書いたもので、自分としては主張に恥ずかしさを感じるところもあるのですが、自分の実感を込められた手応えも感じております。

今後も不定期に投稿していくと思います。お暇なときに覗いていただければ大変光栄です。
 
No.814 - 2011/03/07(Mon) 10:23:52
夜気に適した呼吸 / シュウ
風の入る店がいい
流れる時を二人で見つめて
持ち寄っている生と
目指している死をことほぐには
風の入る店がいい

晴れた五月がいい
散った桜がつまらない地面をよごして
健康的な葉桜には虫が育ち
人の作る気流がいよいよ目まぐるしくなる
陽光が一番よそよそしい季節

夜に月が見え隠れするように
あなたの血にぼくが紛れ込めばいい
ふざけた求愛の言葉と
強力なほど真面目な冗談が
人を驚かせない冷たさを保ったまま
あなたの熱を奪えばいい
ぼくの全体を柔らかくして
あなたを受け止められればいい
あなたがどんなに高いところから飛び降りても
どこも挫かなくて済むように

一つの部屋に二人でいれば
何かをやり取りしなくてはいられないように
一つの街に二人で滑り込んで
垂れ流されるヘドロを見つめていたい
ぼくは一人で自転の速度を持て余す夜
あなたが窓から吹き込んで来ないか待っている
 
No.812 - 2011/02/04(Fri) 22:20:42

お久ぶりです / もん
素敵な詩・・・・・・・
お久しぶり過ぎて少し恥ずかしい様な気持ちなのですが
その言葉を伝えたいという気持ちが勝り思わず返信欄の
スペースに打ち込んでいます(笑)
柔らかい流れの詩の中にシュウさん独自のセレクションした
言葉が心地良く入ってきました
まず始めの5行で持って行かれました(笑)
その5行の”風”と最後の1行の”窓から吹き込む”が
上手く余韻を引っ張ってもう一度読みたくなる詩でした
刺激を受けました!!これからのシュウさんのご活躍に期待します!!
No.813 - 2011/02/28(Mon) 21:45:51
bananafish / シュウ
眼が捉えただけ街が当たり前になる
同じように
心が惹かれただけ人のことが分からなくなる
No.811 - 2011/01/18(Tue) 11:06:34
其処ら中 / シュウ
近ごろ戦闘機を見る。
頻りに空が汚くされる。
片付けが面倒。

防腐処理された冬の果物が、
星に代えられる、
夜空に吊られる。
少し紫が濃くなって。
薬剤が月の光の匂いに雑じる。

神学者が祈らない朝。
野良犬が飢えない朝。
その朝から続いたところにある夜。
気づけば谷を埋め。
いつの間にか海を呑み。
どの旅も休ませる剣のような。

精巧なからくり。
狡知で、情容赦のない。
断頭台にも似て。

ときどき雪を降らす。
No.810 - 2010/12/23(Thu) 11:29:13
hangover / シュウ
嫌われ者とばかりいると厭になる
誰かの嫌悪がその人から零れて
自分にくっついてしまう気がする
色水を撒くようにしてしか
関わってはいけないのだろうか
透明だけを呼吸していっては
生きていかれないのだろうか
何でもないことをしたい
もっと取るに足らないことだけを
研ぎ澄ましもせず
古い喜びを掘り起こしもせず
風化の感触だけを大事にしていたい
血も流さず
涙も人に見せず
許しも乞わず
ぼろぼろの自分だけを引きずって
孤独を傲慢にすげ替えたりせず
時に不用意な多幸感で
隣人すべてを愛した気になって
神の存在を自分一人判った気になって
余計な動作一つせず
余計な瞬き一つせず
魚と花の間をとったような生き方で
決して自分だけを宇宙だと思わないように
No.809 - 2010/11/23(Tue) 23:57:37
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