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lunatrium/carmen forum

管理人・シュウの詩置き場です。投稿は自由です。
詩書きさんはどうぞ書き殴っていって下さい。感想・批評なども歓迎。もちろん、ぼくの投稿以外に感動されたときもレスポンスをご遠慮なく。
著作権は投稿者の方個々人に属します。無断転載厳禁。
また、詩に関連しない投稿は禁止となります。何かしら関連していれば結構です。

時折、共通のお題に沿って詩作を試みるキャンペーンを行ないます。
こんな縛りでやったら面白いのでは、というご意見があればお便りをお寄せください。

※時折背景色を変えて催しをするために、字が潰れている箇所があります。
お手数ですがそれと思しき作品は、反転をした上でご覧ください。

/ シュウ
月下の死体
青くなめらかな顔を
ぼくの眼が撫でる
風の泡たちが
花粉を手に提げて
夜を薄く伸ばしてゆく
海を渡ってきた酒
つめたい果実
降りそそぐ砂糖
舗道に落ち
迷惑ばかりをかけた

死体を見て
今ぼくがしたいのは
全ての洞窟に入ることであり
全ての洞窟に灯をともすことではない
No.1000 - 2017/11/29(Wed) 00:29:29
霧のように / シュウ
麹の温もる甕の中の
精妙すぎる細胞の舞踏
生か死かの問いなど持たぬ
ひたすらな格闘
甘き異物となりや
夜明けの町の霧のように
No.999 - 2017/09/15(Fri) 13:46:02
凪と時化のスープ / シュウ
水に入る準備をしている
無理はあなたをおどろかせて
ある酔った晩に施錠を思い出させる
せめて三回の口づけを得て
身じろぎを僕はしたいけれど
泳げる人間の溺れるふりを
あなたは看抜くのだと分かっている
No.998 - 2017/08/07(Mon) 18:56:53
あの人 / 水散る
素材の無い海へ還るという
熱をすべて捧げるという
小綺麗な身なり
酒を嗜み
沈黙には種類があるという

どういう訳か私を気に入り
海に誘うけれども
私には学もなく
そのくせ躊躇ばかりあり
動物がどうのと
量子がどうのと
分からぬことばかりいうあなたを
見ずに
繁る熱帯の植物の鱗ばかりを見た

島は檻にかこまれている

想像には尺度があり
劣情には品性が潜み
体温には四季が宿る
というあの人

今どこに
No.995 - 2017/06/26(Mon) 09:22:06

Re: / シュウ
水散るさん、ご投稿ありがとうございます。

恋愛というものを最大の執着として捉える人がたくさんいる……というより、名前や物語を与えることで執着が恋愛に類するものに変化する、と思います。この詩の「あなた」への想いには、未分化でカオティックな力を感じます。恋情に分化すればストレートな感情になるであろう、といったような。その想いの宿った視線が、「鱗」とうたわれた植物の外皮にそそがれているのも見事です。

また詩を見せていただけたこと、感謝に堪えません。場としては廃墟に近いこの掲示板ですが、廃墟にまなざしを向けるように、時々でもご投稿をいただけたら嬉しいです。ゲイハルターが『人類遺産』を撮ったように、と申しますか(あの映画は好きになれませんでしたが)。
No.996 - 2017/07/24(Mon) 11:40:33

Re: あの人 / 水散る [関東]
お久しぶりです。まだ詩を書かれているのだなぁと感激し、一篇作ってみました。
実をいいますともう30を過ぎたこの頃、小説を書き始めまして。それでシュウさんのことも思い出した次第です。
まだ未熟な作品しか紡げませんが、ちょっとした野望をもって書いています。シュウさんもまだ書かれているのでしょうか。
とにかく、こちらにはまたお邪魔いたします。
No.997 - 2017/07/24(Mon) 19:16:14
監査者に賂をおくって / シュウ
記憶のししむらを啖い
捧げ物をしないで生きる
酒を爽やかに飲むのか
煙草を楽しくて喫むのか
あどけない壮年期を迎え
負う荷のない老境を過ごすために
すべての嬉しさが
稀少性の由であるのなら
なんと不完全な自治であろう
知性の王国とは
No.994 - 2017/05/04(Thu) 14:58:26
捩れた季節 / シュウ
鳥のいない港が
醜い工夫たちに手入れされて
赤い錆を剥がされていく
みぞれが彼らの手袋を刺す
しばらくの地獄
複雑な薬剤の臭いが
単純なメカニズムで
材をむしばまず錆だけを腐らせる
人間の熱はどうして
冬をかなしませる
息ばかり飛んでしまえ
冷たく息ばかり飛んでしまえ
No.993 - 2017/04/30(Sun) 10:27:08
いつか孤塁も朽ちて / シュウ
開くべき扉を持ち
罪だけを数える夜をうしない
猫へのいたずらな誰何を止めて
幸せになれるだろう
今よりも遠くを望むことで
No.992 - 2017/03/11(Sat) 11:20:59
宇宙まで何マイル / シュウ
軽やかな
水の足取りと夜
封じ込められた恋人と
解き放たれた不燃ごみ
雪が停まっていく
コンビニのない都市に
削られた朝が来るまで
ぼくたちはホームでお茶を飲む
せめてパンがあれば
せめて灯りがついていれば
言葉を全部飲み込みながら
悲しみなんて知らないふりをする
No.991 - 2017/01/24(Tue) 15:08:20
海の無意味 / シュウ
島があった
冷たい石が無い島
鳥が死ぬときに訪れる
和毛よりやわらかな木があって
大きな果物を実らせていた
核実験で吹き飛んだけれど
ぼくは海の底で覚えている
あそこに漂流した貧弱な水夫が
死ぬまでずっと詩を書いていたことを
No.990 - 2016/12/04(Sun) 15:41:35
speculative wonder / シュウ
ぼくたちのような岩とガスの塊でも
何かを幸せにできるなら
生まれて死んでいく甲斐がある
No.989 - 2016/09/26(Mon) 11:52:49
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