| ブーレーズがシカゴ交響楽団を指揮して録音した「ヴァレーズ作品集」を聴きました。ブーレーズ2回目の録音で、1995〜96年に録音されています。初回盤はピュア・ゴールド仕様。
極めて複雑にリズムが絡み合う作品ばかりですが、ブーレーズは巧みに処理しています。まさに音符が見える演奏です。今まで気づかなかったスコアに書かれた細かな仕掛けなど忠実に再現しています。シカゴ交響楽団の演奏もすばらしく、これ以上完成度が高い演奏は望めないでしょう。名盤です。録音も優秀。
アメリカ(作曲:1920-21)は、6年後にオーケストラの編成を減らした改訂版での演奏ということですが、この版でもじゅうぶん迫力があります。アルカナに劣らないほど鋭角的な作品です。
アルカナ(作曲:1925-27)は、少し遅めのテンポで丁寧に演奏しています。そのせいか喧騒が必要以上にうるさくなりません。
砂漠(作曲:1950-54)は、管楽器、打楽器、電子音で演奏されますが、このCDでは電子音は使用されていないようです。管楽器と打楽器がいくぶん独奏的に扱われています。
イオニザシオン(作曲:1929-31)は、13人の打楽器奏者で演奏されます。サイレンや木魚などいろいろな楽器が登場するので、楽しく聴けます。
ヴァレーズは興味を持っている作曲家の一人なのですが、CDが少なすぎます。残された作品がもともと少ないことと、高度な演奏技術を必要とするので、敬遠されているのでしょうか。もっと評価されていい作曲家だと思います。
グラモフォン UCCG-1051 |
No.516 - 2007/01/22(Mon) 01:00:43
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