| 「TOWER RECORDS RCA Precious Selection 1000」からの1枚。武満徹「ノヴェンバー・ステップス」の尺八奏者として知られる横山勝也の尺八名曲集です。1,000円と安かったので買ってみました。1976年の録音で、日本初CD化。
13曲を収録しています。いずれも古くから伝わる伝承曲とのこと。尺八だけで無伴奏。ほとんどの曲がゆっくりしたテンポで演奏されます。「ノヴェンバー・ステップス」に比べると、緊張感や変化に乏しく、ゆるやかに演奏されています。鋭い音圧を聞かせる奏法も予想したほど多くありません。細かな息遣いや節回し、間を味わうことができます。精神状態を落ち着かせるには最適の音楽で、連続して聴くと眠くなってきます。
「鹿の遠音」は、CD収録曲では一番有名とのこと。というのも、かつて文部省指定の音楽共通鑑賞教材として選ばれていたらしいです。この曲のみ尺八二管で演奏されます。横山勝也の父親である横山蘭畝が演奏。父子共演です。初めて聴く曲でしたが、二管の掛け合いが楽しく聴けました。それにしても鹿ってこんな鳴き声なんでしょうか。 「鶴の巣籠」は、尺八が持つ技巧的な奏法が多く取り入れられています。起伏も激しい。
解説も充実しています。尺八には琴のようにいくつかの流派があるとのこと。尺八独奏のCDという珍しさと価格の安さを考慮すれば、買って損はないでしょう。
RCA/タワーレコード TWCL-3027 |
No.448 - 2006/09/08(Fri) 00:10:15
|