| 「TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION vol.2」からの1枚。しばらく廃盤だったカラヤン指揮の「時の終わりの劇」が復刻されました。しかも1,000円で発売。すばらしい!
「時の終わりの劇」はオルフ最後の大規模作品で、1973年のザルツブルク音楽祭でカラヤン指揮/ケルン放送交響楽団で世界初演されました。この録音は、世界初演の1ヶ月ほど前に行なわれています。カラヤン唯一のオルフ作品の録音で、ケルン放送交響楽団を指揮した録音も大変珍しい。カラヤンがこの作品を指揮することになったのは、ナチス時代からオルフと親交があったためとされています。
作品は3部構成(1部「シュビラ」、2部「隠者」、3部「その日」)。作品名からも分かるように、「時の終わり」=終末思想が強く反映しており、古代思想にもインスピレーションを受けて作曲されたようです。 「カルミナ・ブラーナ」同様に、反復がとても多い。音楽的には「カルミナ・ブラーナ」のほうが数段上でしょう。独唱や合唱が大げさな表情で歌います。「歌う」というよりも、「叫ぶ」「怒鳴る」「泣き喚く」という表現がふさわしい。呪文のように聴こえる部分もあります。残念ながら、このCDには歌詞カードが入っていないので、何を言っているのか分かりません。 打楽器が大活躍で、古代の宗教儀式を聴くようです。最後は弦楽合奏で静かに終わります。
単調な作品だけに、カラヤンがどんな顔をして指揮したのか見たかったです。演奏は濃厚な表情で演奏されており、手抜きはなし。リズム感覚が抜群で、出演者が多い作品をきっちりまとめて聴かせます。
グラモフォン/タワーレコード PROA-38 |
No.436 - 2006/07/09(Sun) 00:31:52
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