| 「TOWER RECORDS RCA Precious Selection 1000」の第3期第1回からの1枚。生涯に130曲ものマーチを作曲した「マーチ王」スーザがスーザ吹奏楽団を指揮して録音した自作自演です。14曲を収録しています。 録音は、1923〜30年のモノラル録音で、曲によって録音条件や音質が異なります。強奏で混濁しますが、ノイズはないので、この年代の録音にしてはまあ聴きやすいほうでしょう。
演奏の特徴は、テンポを最初から最後まで一定に保って、厳格にキビキビと演奏しています。あまり脚色はなく、ストレートな演奏です。日本の吹奏楽団が演奏しているのようにテンポを揺らしません。また、最後の一音は「ジャン!」といった感じでキメて終わらず、力を抜いてオマケ程度の扱い。余韻を残さずブチッと終わります。現在ではこんなふうに演奏しないので驚きましたが、当時はこのような終わり方だったのでしょうか。演奏テクニックは、木管楽器の音程が悪く、日本の高校生のほうが明らかに正確な技術で演奏すると思います。演奏水準よりも自作自演という歴史的価値に意味がある音源と言えるでしょう。
収録曲のうち、「忠誠」と「海を越えた握手」は、私もB♭クラリネットで演奏したことがあるので、懐かしく聴きました。特に「忠誠」は、ハイGが出てくるので演奏がかなり難しかったことを思い出しました。
他にも、「星条旗よ永遠なれ」、「美中の美」、「ワシントン・ポスト」、「士官候補生」など選曲もいいので、スーザ入門盤としておすすめです(1,050円で買える)。
RCA/タワーレコード TWCL-3008 |
No.379 - 2006/01/24(Tue) 23:47:02
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