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CD芸術 掲示板

〔最近購入したCD〕ブリュッヘン/無伴奏チェロ組曲(リコーダー版) / ハムラ@管理人 [近畿]
チェント・クラシックス第2期第2弾からの1枚。J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲(第1番〜第3番)をフランス・ブリュッヘンがアルト・リコーダーのために編曲し、自ら演奏した録音です。1973年に藤沢市民会館で収録されています。ライヴ録音の表記はありませんが、ノイズがライヴっぽい雰囲気です。

チェロによる原曲を全曲聴いた経験がないので、あまり大きなことは言えませんが、この編曲はチェロパートをそのままアルト・リコーダーに移し替えています。編曲時の作為性も感じませんし、違和感なく聴けました。重奏音はリコーダーでは演奏できないので、アルペッジョで処理していますが、むしろ重々しくならないので好感が持てます。
リコーダーの無垢な音色も作品にマッチしています。リコーダーで演奏すると、チェロよりも音程の動きが強調されますが、フレーズに活力が生まれ、いきいきとした表情を聴くことができます。聴いていて飽きることがありません。

ブリュッヘンの演奏は、どこでブレス(息継ぎ)しているのか分からないほど、とうとうと演奏しています。速いパッセージでは運指がかなり難しいことが容易に想像できますが、正確なテクニックでスラスラ吹き進めていきます。軽々と自然に聴かせられるのがすごい。

第2番の第3曲「クーラント」と第5曲「メヌエット?T&?U」が好きになりました。心に染み入るいいメロディーですね。クセになりそうです。

チェント・クラシックス CAPO-3008
No.365 - 2005/12/24(Sat) 22:55:31
〔最近購入したCD〕風の軌跡 一柳慧作品集?U / ハムラ@管理人 [近畿]
No.352の石井眞木「輝夜姫」と同じく、タワーレコード渋谷店10周年を記念した特別企画「フォンテック日本人作曲家名盤復刻第2弾」からの1枚。一柳慧(とし)の打楽器5作品を収録しています。1991年にリリースされたCDの復刻です。

CDの解説書に、一柳慧による楽曲解説が掲載されています。それによると、「即興の要素を一切含まない確定的書法で書く」ことと「さまざまな楽器を対象にするのではなく、1種類の楽器にしぼって書く」ことを意識して作曲したようです。全体的に万人受けするような明快な作品とは言えませんが、次にどういう展開になるのかなかなかつかめない神秘的な雰囲気が楽しめます。静と動の表情も多彩で、打楽器の魅力がよく伝わります。いい作品です。
演奏はいずれも安定した技術を披露。それを自然に聴かせるところもすばらしい。

パガニーニ・パーソナル−マリンバとピアノのための(1982年作曲)は、打楽器奏者の岩城宏之(今は指揮者)の委嘱作品。岩城夫人でピアニストの木村かをり氏との共演を想定して作曲されたことがまず興味深い。作品名が示すように、有名なパガニーニのカプリース第24番の主題が断片的に登場しますが、変奏曲というスタイルにはなっていません。

森の肖像−独奏マリンバのための(1983年作曲)は、菅原淳の委嘱作品。奏者が自問自答するような音楽。

風の軌跡−3つの鍵盤打楽器のための(1984年作曲)は、武満徹「雨の樹」へのオマージュとして作曲された作品。使用する楽器の種類も多く、このCDに収録されている作品のなかでは、一番完成度が高いように感じます。演奏は、なかなかの難曲ですが、アンサンブルの乱れはありません。

源流−独奏マリンバのための(1988年作曲)は、神谷百子の委嘱作品。2楽章構成で、第2楽章で「アフリカの旋律」が借用されています。この「アフリカの旋律」は分かりやすく楽しい。演奏も鮮やか。

トリオ・インターリンク−ピアノ、打楽器、ヴァイオリンのための(1990年作曲)は、これまでの4作品とは少し性格が異なります。ヴァイオリンは打楽器の場つなぎ程度の役割です。

フォンテック FOCD3138
No.364 - 2005/12/23(Fri) 12:17:18
〔最近購入したCD〕上原彩子/展覧会の絵 / ハムラ@管理人 [近畿]
上原彩子のEMIクラシックスからの2枚目のアルバム。前半に収録されているチャイコフスキー作曲/ピアノ協奏曲第1番は、CD聴きくらべ(http://www.geocities.jp/classicalmusicreviews/kikikurabe/tchaikop.html)に掲載しましたので、ここではカップリングのムソルグスキー作曲/組曲「展覧会の絵」を取り上げます。2005年5月の録音。

意外にも緩急強弱を自由自在に操作して使い分けた演奏でした。数あるこの作品の演奏でも、大胆で個性的な演奏に入るでしょう。スコアの音符をそのままストレートに弾くのではなく、かなり考え抜かれた後に演奏していることが分かります。直球(技術)よりも変化球(解釈)で勝負したいような演奏。この作品を自分なりに表現したいという主張が感じられました。こんな解釈は聴いたという部分が多かったです。ただ、解釈に対する説得力はやや弱いかもしれません。ちょっと好き嫌いが分かれそうな演奏です。

ffで弾きつづけることは少なく、ところどころ力を抜いて演奏していて威圧感がありません。ペダリングが実に効果的。ペダリングについてあまり今まで意識したことはありませんでしたが、上原は余韻まで気を使ってコントロールしたいようです。
「こびと」がまずびっくり。ちょこまかとすばしっこいこびとです。
「ビドロ」は大きく抑揚をつけた演奏。バリバリ弾かず、優しささえ感じます。頂点でペダリングを使って余韻をCENSOREDのがユニーク。
「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」もアゴーギグを揺らします。

EMIクラシックス TOCE-55695
No.361 - 2005/12/20(Tue) 23:07:34

Re: 〔最近購入したCD〕上原彩子/展覧会の絵 / Saiin [近畿]
原典の「展覧会の絵」は、なかなか納得できる演奏に出会えないです。シンプルな構成だし、テンポなり音色なりを、丁寧に作り込んでいかないと、最後まで集中力が持たない感じがします。ホロヴィッツの録音は説得力ありますが、楽譜を改変したりしているので、少々ズルイ気もしますし・・・。で、上原彩子の録音は自分も気になってます。面白そうですね。

ところで、アゴーギクを揺らす、というのは不思議な表現ですね。頭痛が痛い、みたいなw
No.362 - 2005/12/22(Thu) 00:52:34

Re: 〔最近購入したCD〕上原彩子/展覧会の絵 / ハムラ@管理人 [近畿]
> アゴーギクを揺らす、というのは不思議な表現ですね。
たしかにおかしな日本語ですね。
でも、上原彩子の演奏は、「アゴーギク」という概念そのものを揺らしているように感じました(言い訳:それほど個性的なんです)。

Saiinさんもぜひご一聴を。メインのチャイコフスキーよりも「展覧会の絵」のほうが上原の個性がよく現れています。
No.363 - 2005/12/23(Fri) 11:42:21
TOWERRECORDS 2005 BEST SELLERS / ハムラ@管理人 [近畿]
毎年恒例の「TOWERRECORDS 2005 BEST SELLERS」(=2005年度タワーレコード年間売り上げランキング)が発表されました。
「のだめカンタービレ」の影響なのか、例年以上に玉石混交のランキングです。
http://sale.towerrecords.jp/winter/top40/40_classic.html

ちなみに、私が購入済みのCDは、5位、10位、21位、23位、35位、37位の7枚です。
No.360 - 2005/12/19(Mon) 23:15:24
〔2006演奏会速報〕読売日本交響楽団 / ハムラ@管理人 [近畿]
読売日本交響楽団の2006年度シーズン・プログラムが発表されました。
http://yomikyo.yomiuri.co.jp/season2006.htm

必然的に土日公演が対象になりますが、注目公演は、
ルドルフ・バルシャイ指揮 ショスタコーヴィチ 4月22日(土)
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮 ショスタコーヴィチ 10月8日(日)

どちらの公演もあまり好きになれない東京芸術劇場です…。
No.348 - 2005/12/01(Thu) 23:37:06

読売日本交響楽団常任指揮者にスクロヴァチェフスキ / ハムラ@管理人 [近畿]
読売日本交響楽団の次期常任指揮者にスタニスラフ・スクロヴァチェフスキが就任するようです。
現常任指揮者のゲルト・アルブレヒトの後任で、任期は2007年4月から2009年3月末までの2年間。

野球で星野仙一の招聘に失敗した読売グループですが、オーケストラでは人気指揮者と契約することができましたね。よくやった!

スクロヴァチェフスキは上述したように2006年度は読売日響を指揮しません。かわりにNHK交響楽団を4月に指揮しますが、N響はこれで最後の指揮になるかもしれません。
まあ読売日響の常任指揮者にもなれば、公演回数が今よりも大幅に増えることは間違いないので、とにかくうれしいです。今月末の「第九」公演にもますます期待が膨らみます。

http://japan.mde.co.jp/blog/h/10000316.html
No.350 - 2005/12/04(Sun) 23:41:09

読売日本交響楽団常任指揮者にスクロヴァチェフスキ / ハムラ@管理人 [近畿]
読売日本交響楽団のホームページで発表されました。
第8代常任指揮者に就任するスクロヴァチェフスキは、今後のプログラムについて、「ブルックナー」「古典・ロマン派の名曲」「自作をはじめとする現代音楽の傑作」を挙げています。

また、新たに「正指揮者」のポストを新設し、下野竜也氏が就任します。

http://yomikyo.yomiuri.co.jp/interview3.htm
No.358 - 2005/12/17(Sat) 23:46:25
野庭高校吹奏楽部 / 本木 荘二郎 [関東]
 野庭高校吹奏楽部の名前が世に知れ始めた頃、同じ横浜市内の中学、高校の吹奏楽部に籍を置いていた者です。

 中学3年生の時にコンクールのブロック大会で偶然聞いた「海の歌」。その時には後に数々の名演を残すバンドになるとは思いもしませんでした。
その年の県コンクールは低調だったのか金賞を受賞したのは法政二と野庭のみ、県下一の伝統校・逗子開成は前年、全国金賞によりシードでした。そうしたことによる関東大会出場であったのかもしれません。
 しかし翌年は、堂々の好演で県代表、そして関東代表として全国へ(その当時、神奈川は過去、逗子開成と厚木しか全国出場経験なしでした)。そしてまさかの金賞!その後に県民ホールで行われた定期演奏会のアルメニアンダンスパート?Tを聞いた時の震えは今も忘れません(部の代表として花束を渡し、中澤氏と握手をしたことも)。
 私の記憶の野庭はディスク1ですが(まさか、あのサンタフェ物語まで聞けるとは!)、以後も年を追うごとに成長、洗練されていたのですね。

 貴ホームページのトップに野庭の名前を見て、嬉しいと同時に懐かしくなり書き込ませて頂きました。失礼致しました。
No.356 - 2005/12/15(Thu) 18:33:11

Re: 野庭高校吹奏楽部 / ハムラ@管理人 [近畿]
書き込みありがとうございます。

野庭高校の演奏を生で聴かれたとのこと。うらやましいです。中澤忠雄氏と野庭高校の成長の過程を知ることができました。
野庭高校の存在が、神奈川県だけでなく、関東の吹奏楽のレベルアップに大きく貢献したことを改めて感じました。
No.357 - 2005/12/17(Sat) 23:39:28
〔2006演奏会速報〕東京オペラシティ / ハムラ@管理人 [近畿]
東京オペラシティの2006年度主催公演が発表されました。
http://www.operacity.jp/concert/2006/index.php

注目公演は、
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮/ザールブリュッケン放送交響楽団の「ベートーヴェン交響曲サイクル」(12月)
バッハ・コレギウム・ジャパンのモーツァルト「レクイエム」(12月)

まだ一度も行ったことがないので、来年こそは行きたいです。
No.355 - 2005/12/14(Wed) 23:45:03
〔2006演奏会速報〕小林研一郎 / ハムラ@管理人 [近畿]
小林研一郎の指揮スケジュール(2005年9月まで)がホームページに掲載されました。
http://www.it-japan.co.jp/kobaken/schedules/2005.12.htm

注目公演は、
5月20日(土)日本フィルハーモニー交響楽団第217回横浜定期演奏会(横浜みなとみらいホール)
 ストラヴィンスキー/春の祭典を指揮

6月25日(日)小林研一郎 交響曲の世界「5番」〜第三章〜(守山市民ホール)
 マーラー/交響曲第5番を指揮
No.354 - 2005/12/13(Tue) 23:32:24
〔最近購入したCD〕イーストマン・ウィンド・アンサンブル / ハムラ@管理人 [近畿]
タワーレコード渋谷店10周年記念企画第2弾としてリリースされた「TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION」からの1枚。イーストマン・ウィンド・アンサンブルによる20世紀にの作曲家によるウィンド・アンサンブル作品集です。1969年の録音ですが、今回が世界初CD化となります。価格は1枚1,000円。すばらしい!

ペンデレツキ作曲/ピッツバーグ序曲(1967年作曲)は、序曲という名称以上に内容の詰まった作品。金管楽器が強奏でグリッサンドするのがペンデレツキらしい。打楽器も派手に鳴ります。

黛敏郎作曲/彫刻の音楽(1961年作曲)は、4分程度の小品。木管楽器主体の音響で、その和音の変化を楽しむ作品と言えそうです。

J.ウィリアムズ作曲/管楽アンサンブルのためのシンフォニエッタ(作曲年記載なし)は、3楽章構成。十二音音楽を応用したとされる難解な作品で、緊張感あふれる音響の連続。各楽章でシンフォニックな盛り上がりを見せます。「スターウォーズ」などの映画音楽作曲家というイメージがあるジョン・ウィリアムズの作品とは思えません。こんな前衛的な作品を作曲していたとは驚きました。技術的にもかなりハイレベル。

ドナルド・ハンスバーガー指揮による演奏は、吹奏楽にありがちな音量がただ大きいだけという粗い演奏に陥ることなく、引き締まった音響を聴かせます。木管楽器のソロなど繊細な弱奏も聴きもの。

グラモフォン/タワーレコード PROA-24
No.353 - 2005/12/11(Sun) 00:04:08
〔最近購入したCD〕石井眞木/輝夜姫 / ハムラ@管理人 [近畿]
タワーレコード渋谷店10周年を記念した特別企画として、フォンテックの日本人作曲家のCDが限定復刻されました。しかも1枚1,490円というお手ごろ価格。うれしいです。
そのなかから、2003年に亡くなった石井眞木の「バレエ、日本太鼓群、打楽器群、雅楽合奏のための−幻想的バレエ−輝夜姫(かぐやひめ)」を聴きました。1984年の作品で、石井眞木最大のヒット作とされています。石井眞木が自ら指揮した自作自演のこのCDは1993年にリリースされたもので、CD解説書の文章は、石井眞木による楽曲解説がありますが、彼はまだ活動中であるという紹介がされています(当時のまま掲載されているようです)。

この作品は、文字通り有名な「かぐや姫」(=竹取物語)をベースに作曲されていて、2幕からなります。楽器構成は、龍笛、笙、篳篥、日本太鼓などですが、楽器に登場人物的な性格を持たせているのが特徴です。具体的には、西欧型パーカッション群が「貴公子」、日本太鼓群が「村人」、雅楽合奏が「輝夜姫」という具合です。

1幕は輝夜姫の飛来からはじまりますが、ほとんど弱奏で、雅楽合奏がかすかに聴こえる繊細な音楽です。この生誕と最後の昇天の場面では、雅楽合奏が幻想的に扱われています。
第1幕第4章「宴−争い−宴」から第2幕第5章「戦い」にかけて、打楽器がドカドカと鳴ります。日本太鼓のアンサンブルでは、奏者の掛け声が少し聴こえます。リズム音型などは意外にシンプルで、延々とたたき続けるだけで、爆発的で破壊的な力はありません。ただ連打ばかりで騒音のように聴こえてしまうので、音楽だけ聴いても効果半減といったところです。やっぱりバレエを見たいですね。

フォンテック FOCD-3173
No.352 - 2005/12/08(Thu) 00:09:37
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