| グラモフォンからリリースされた「20世紀の巨匠シリーズ ラファエル・クーベリックの芸術」からの1枚。ハルトマン(1905-1963)の交響曲を収録した珍しいCDです。オーケストラはいずれもバイエルン放送交響楽団。片山杜秀氏による詳細な解説がついているのがうれしいです。
ハルトマン作曲/交響曲第4番(録音:1967年)は、弦楽合奏のみで演奏する作品。3楽章から成ります。スコアに音符がぎっしりと書き込まれているイメージが目に浮かぶ作品で、重厚感があります。弦楽器の幅広い音程を駆使して盛り上がりを見せます。第1楽章はヴァイオリンが高音でヒステリックに悲しさを表現。第2楽章はどこかロシア音楽っぽいワルツ。全体的に弦楽合奏だけで演奏されていることを忘れるような充実した作品です。
ハルトマン作曲/交響曲第8番(録音:1967年)は、ハルトマン最後の交響曲で、クーベリックが初演した作品。2楽章から成ります。第4番にくらべて管楽器と打楽器が加わったため、さらに激しい音楽になっています。旋律がぐちゃぐちゃと複雑にからみあって騒々しい。第1楽章で、重いリズム音型に旋律が寸断されそうになりながら突き進むクライマックスは壮絶。
カップリングは、プフィッツナー作曲/パレストリーナからの3つの前奏曲(録音:1973年)。作曲家パレストリーナを題材にした歌劇の前奏曲で、古風な旋律が魅力。第1幕への前奏曲は、厳かなコラール。第2幕への前奏曲は、金管楽器の盛り上げ方が感動的。第3幕への前奏曲も透明感ある賛歌ですが、突然終わります。プフィッツナーのことは今まで名前しか知りませんでしたが、なかなかいい曲です、他の作品もぜひ聴いてみたいです。
グラモフォン UCCG-3963 |
No.347 - 2005/12/01(Thu) 01:00:41
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