| タワーレコード渋谷店10周年を記念した特別企画として、フォンテックの日本人作曲家のCDが限定復刻されました。しかも1枚1,490円というお手ごろ価格。うれしいです。 そのなかから、2003年に亡くなった石井眞木の「バレエ、日本太鼓群、打楽器群、雅楽合奏のための−幻想的バレエ−輝夜姫(かぐやひめ)」を聴きました。1984年の作品で、石井眞木最大のヒット作とされています。石井眞木が自ら指揮した自作自演のこのCDは1993年にリリースされたもので、CD解説書の文章は、石井眞木による楽曲解説がありますが、彼はまだ活動中であるという紹介がされています(当時のまま掲載されているようです)。
この作品は、文字通り有名な「かぐや姫」(=竹取物語)をベースに作曲されていて、2幕からなります。楽器構成は、龍笛、笙、篳篥、日本太鼓などですが、楽器に登場人物的な性格を持たせているのが特徴です。具体的には、西欧型パーカッション群が「貴公子」、日本太鼓群が「村人」、雅楽合奏が「輝夜姫」という具合です。
1幕は輝夜姫の飛来からはじまりますが、ほとんど弱奏で、雅楽合奏がかすかに聴こえる繊細な音楽です。この生誕と最後の昇天の場面では、雅楽合奏が幻想的に扱われています。 第1幕第4章「宴−争い−宴」から第2幕第5章「戦い」にかけて、打楽器がドカドカと鳴ります。日本太鼓のアンサンブルでは、奏者の掛け声が少し聴こえます。リズム音型などは意外にシンプルで、延々とたたき続けるだけで、爆発的で破壊的な力はありません。ただ連打ばかりで騒音のように聴こえてしまうので、音楽だけ聴いても効果半減といったところです。やっぱりバレエを見たいですね。
フォンテック FOCD-3173 |
No.352 - 2005/12/08(Thu) 00:09:37
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