| いのうえ歌舞伎「髑髏城の七人」(劇団☆新感線2011年夏興行)を観ました(2011年8月18日(木)12:30開演 梅田芸術劇場メインホール)。作は中島かずき。演出はいのうえひでのり。
「髑髏城の七人」は、1990年に初演されました。その後、1997年に再演。2004年にはキャストが異なる「髑髏城の七人〜アカドクロ」と「髑髏城の七人〜アオドクロ」を上演。今回の2011年版は主要キャストが若くなり、通称「ワカドクロ」と呼ばれているようです。7年に一度定期的に演じられているのがすごい。
座席は1階席前方でした。下手に通じる花道の近くで、出演者が間近に見られました。パンフレットを2500円で購入。
ストーリーは、小田原城を攻める豊臣秀吉と対立する天魔王(森山未來)が率いる関東髑髏党に、無界屋蘭兵衛(早乙女太一)と捨之介(小栗旬)が対決するストーリー。これまでの公演では、捨之介と天魔王は一人二役で同じ役者が演じていたとのことですが、今回初めて、二人の役者が別々に演じています。織田信長の影武者という設定も、信長の元側近に変えたとのこと。 冒頭は長い前奏の後に、すばやく転換して、戦陣に変わります。捨之介が登場した後に、ホリゾントに「髑髏城の七人」と現れます。一幕の終わりの無界屋蘭兵衛の後姿もかっこいい。一幕と二幕の二部構成で、間に休憩がありました。カーテンコールでは、客席がスタンディングオペレーションで拍手を送りました。
捨之介役の小栗旬は、キャラクターが性に合っていますが、チャンバラの立ち回りが残念ながら下手。 天魔王役の森山未來は、悪役に徹しています。最初は仮面をかぶっています。 早乙女太一が演じる無界屋蘭兵衛は、実は森蘭丸だったという設定。途中から悪役になります。まだ10代とは思えません。 極楽太夫役の小池栄子は、乳ネタが多い。胸の谷間から鉄砲を撃ったりします。着物を脱いで背中を見せるシーンもあります。 兵庫役の勝地涼もいい。映画「阪急電車」とはだいぶイメージが違う役です。途中で刀を客席に落としてしまったので、客に拾ってもらっていました。 沙霧役の仲里依紗は今作が初舞台。声色を変えて荒々しい役を大健闘。顔が小さいです。パンフレットの文章も最高に面白く、ますますファンになりました。 狸穴二郎衛門は実は徳川家康という設定。演じる千葉哲也も飄々としています。 高田聖子が演じる贋鉄斎は、本来は男役とのこと。 迦楼羅の妙声役の右近健一は、高い声が特徴です。
音楽はビートの効いたロック調。途中でデクレッシェンドして役者がセリフ言う時間も用意されています。刀がかち合う金属音や歌舞伎らしい拍子木も多用して、録音にあわせて役者が動きます。
小道具がよくできています。ドライアイス(?)を使って火を表現したり、空気砲(?)を使って鉄砲を撃ったり、赤いスポットライトで血を表現したりしました。 舞台装置も大掛かりで、お金がかかっています。舞台転換が一瞬で行われるのでびっくりしました。今回の舞台と比較すると、ミュージカル「モーツァルト!」はシンプルでした。
走ったり斬ったりでかなり体力を使う舞台ですが、一日二公演行なうのは体力的に大変でしょう。実際に、那伽の水神坊を演じていた吉田メタルが本番中に足を骨折したため降板しました。 大阪公演の後に、東京公演も行われます。7年後にまた観たいですね。 |
No.697 - 2011/08/28(Sun) 02:28:26
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