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CD芸術 掲示板

〔最近購入したCD〕ハチャトゥリアン/フルート協奏曲 / ハムラ@管理人 [近畿]
「TOWERRECORDS RCA Precious Selection 1000」第2弾からの1枚。ゴールウェイがハチャトゥリアンの作品を演奏したCDです。1984年の録音。

フルート協奏曲は、もともとはヴァイオリン協奏曲としてかかれた作品。東京フィルハーモニー交響楽団第679回定期演奏会で聴きました(http://www.geocities.jp/classicalmusicreviews/concert/030914.html)。このフルート協奏曲は、ランパルがハチャトゥリアンに委嘱し、ハチャトゥリアンがヴァイオリン協奏曲をフルートで演奏できるように編曲した作品とのこと。このCDでは、さらにゴールウェイがアレンジを加えているようです。もともとヴァイオリン協奏曲だったとは思えないほど、自然で違和感がない編曲です。フルートの伸びやかな息遣いがプラスに作用して、旋律線がなめらかに聴こえます。原曲以上に演奏効果があって、親しみやすくなっています。
独奏フルートは技術的に難しくかかれているようですが、ゴールウェイはスラスラと演奏していて、そういった至難さをまったく感じません。チョン・ミュンフンの伴奏も聴きもので、フルートに遠慮せず充実した演奏を聴かせます。聴きどころは第2楽章終わりに突然オーケストラが情熱的に盛り上がるところ。

カップリングは、ゴールウェイ編曲による小品。バレエ「スパルタクス」からスパルタクスとフリーギアのアダージョ組曲「仮面舞踏会」からワルツバレエ「ガイーヌ」から剣の舞いの3曲を収録。いずれもフルートが主旋律を演奏するように編曲されています。その分、主旋律を担当していた他の楽器がカットされており、響きの豊かさに乏しくなってしまったのが残念。フルート独奏の表情の変化もいまひとつ。以前リリースされたゴールウェイ版「四季」と同傾向の編曲です。

RCA/タワーレコード TWCL2032
No.317 - 2005/09/30(Fri) 23:32:02
〔最近購入したCD〕パーカッション・ミュージアム / ハムラ@管理人 [近畿]
「惑星」のカップリングシリーズの最後は、パーカッションミュージアム盤です。「惑星」と同じ日(2003.6.30 紀尾井ホール)に演奏された4作品を収録しています。「惑星」と違ってオリジナル作品なので、演奏がいきいきしています。

ナイジェル・ウェストレイク作曲/オンファロ・セントリック・レクチャーは、マリンバ四重奏。作曲者のウェストレイクはクラリネット奏者だったとのことですが、マリンバの多様な音色や響きが楽しめます。アンサンブルもよくそろってます。

アンドレ&ジャック・フィリドール作曲(ディック編)/2組のティンパニのための行進曲は、1683年の作曲。無味乾燥な作品と言うと怒られるかもしれませんが、曲想が単調でおもしろくありません。演奏は強弱の対比をつけるなど工夫していますが、演奏時間が長いので退屈しました。

菅野由弘作曲/ミュージアム・グッズ1 独奏マリンバ・ティンパニと4人の打楽器奏者の為の二重協奏曲は、委嘱作品でこの演奏が世界初演。ティンパニ(菅原淳)とマリンバ(神谷百子)の対決が実にスリリングで迫力があります。打楽器アンサンブルの魅力がよく伝わってくる作品です。最後は少しあっけない。

ジョー・グリーン作曲/シロフォニアは、パーカッション・ミュージアムの定番のアンコール曲とのこと。この作品は、大阪音楽大学ミレニアムホール特別講座 第15回レクチャー・コンサート「リズムの発見」(http://www.geocities.jp/classicalmusicreviews/concert/040619.html)で聴きました。シロフォンの音色が楽しいです。
No.316 - 2005/09/28(Wed) 23:03:27
〔最近購入したCD〕エルガー/弦楽セレナード / ハムラ@管理人 [近畿]
ノリントン盤「惑星」のカップリングは、エルガー作曲/弦楽セレナード。「惑星」と同じ日の演奏会のライヴ録音です。3楽章からなる13分程度の小品。親しみやすい旋律で過ぎ去った過去をなつかしむようなメロディーに心が洗われます。
「惑星」で手の込んだ演奏解釈を聴かせたノリントンですが、この作品の演奏では違和感はありません。弦楽器のノン・ヴィヴラート奏法によって音色の透明度が高められており美しい響きが聴けます。
No.315 - 2005/09/27(Tue) 23:27:13
〔最近購入したCD〕ホルスト/神秘のトランペッター / ハムラ@管理人 [近畿]
ロイド=ジョーンズ盤「惑星」のカップリング曲は、ホルスト作曲/ソプラノと管弦楽のための劇唱「神秘のトランペッター」op.18。ナクソスは「秘曲」と紹介していますが、なかなかいい作品です。演奏時間は18分程度。
マシューズが執筆した解説書によると、1905年に初演、1912年にホルストが改訂したが、演奏も出版もされずお蔵入りになっていたようです。1979年にコリン・マシューズとホルストの娘イモジェン・ホルストが編曲した作品であるようです。
作品はソプラノの独唱が入ります。オペラのアリアかと思うほど管弦楽がシンフォニックに書かれています。イギリス音楽にしてはかなり重厚な響きで、マーラーに似た部分もあります。「神秘」となっていますが、拍感ははっきりしています。「神秘の神」天王星とは大違い。表情も変化に富んでいて、トランペットが高らかに鳴り、ティンパニが力強く拍を刻むラストの盛り上がりが聴きものです。演奏も「惑星」よりも気合が入っていて数段いい。ホルストを深く知るには聴き逃せない録音と言ってよいでしょう。今まで知られていなかったのが不思議です。ナクソスらしいカップリングです。
No.314 - 2005/09/26(Mon) 23:16:00
〔最近購入したCD〕ホルスト/ヴィオラと小管弦楽のための抒情的断章 / ハムラ@管理人 [近畿]
CD聴きくらべのホルスト/組曲「惑星」を5年ぶりに更新しました。
http://www.geocities.jp/classicalmusicreviews/kikikurabe/holstplanets.html

しばらくの間、「惑星」のCDに収録されたカップリングを聴いていきます。はじめは、エルダー盤カップリングのホルスト作曲/ヴィオラと小管弦楽のための抒情的断章。

1933年の作曲なので、「惑星」よりも15年ほど後になります。ホルストの作品でもほとんど知られていない作品と言えるでしょう。作品名が示すとおり、ヴィオラ協奏曲の形態をとっています。ゆっくりしたテンポで静かに音楽が流れます。主題はイギリスの民謡をもとにしているのでしょうか、とてもおだやかな作品です。
前半に目の前が急に開けたような管弦楽の盛り上がりがあります。その後はほとんどがヴィオラソロ。高音域がよく使われているのが特徴です。
録音は「惑星」同様、奥まって霞がかかったように聴こえます。
No.313 - 2005/09/25(Sun) 23:13:12
〔最近購入したCD〕大植英次/エグモント全曲 / ハムラ@管理人 [近畿]
大植英次が手兵ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニーを指揮した録音。1999年3月12日のライヴ録音で、同オーケストラ首席指揮者就任の翌年にあたります。びっくりするような価格で売られていたので買いました。

劇付随音楽「エグモント」は、序曲とそれに続く9曲からなります。曲間に「語りによる劇中劇」が挿入されるので、音楽が演奏されている時間はあまり長くありません。おそらく語りの表情を含めて楽しむ作品なのでしょうが、ドイツ語なので何を言っているか分かりません。序曲後の9曲はあまり劇的な音楽ではなく、比較的おだやかな音楽です。

大植英次の演奏は、有名な「序曲」が意外に輪郭がふにゃふにゃしていて音型も不揃い。完成度はあまり高くありません。今の大植ならもう少しアクセント気味に演奏するでしょう。序曲後は尻上がりに調子を上げますが、細部のズレなどちょっと期待はずれの演奏内容。また、大植の演奏を味わうにしても演奏時間が短すぎです。現地ハノーファーでの録音ですが、演奏が終わった後も少しの間拍手が起こりません。ドイツ人にもあまり知られていない作品なのかもしれません。
No.312 - 2005/09/24(Sat) 00:14:02
〔最近購入したCD〕日本作曲家選輯 大澤壽人 / ハムラ@管理人 [近畿]
ナクソスの「日本作曲家選輯」第8弾は、大澤壽人(おおざわひさと 1907-1953)の作品集。片山杜秀氏の解説書にも書かれているように「忘れ去られてしまった」作曲家と言えるでしょう。日本人で初めてボストン交響楽団を指揮するなど国際的な活躍を見せましたが、戦時中の日本の状況が彼の運命を変えてしまったようです。アメリカとパリに留学し、その後日本に帰国した大澤は、各国の音楽的特徴を盛り込み作曲しています。しかし、それが融合というレベルには達せず、雑多な印象を受けてしまうのが惜しいです。当時にしてはラディカルな作品だったと容易に予想できますが、今聴いても時代を感じさせない斬新な響きが聴かれます。

ピアノ協奏曲第3番「神風協奏曲」(1938年作曲)の「神風」とは、神風特攻隊を指すのではなく、朝日新聞社所有の民間航空機、神風号のこと。「飛行機の飛ぶ様」を表現しているようですが、よく分かりませんでした。ピアノの扱い方がバルトークに似て技巧的。オーケストラの1パートとして融合しています。ジャズやブルースの要素も取り入れられ、第2楽章ではアルト・サキソフォーンが夢見心地な旋律を奏でます。ただ、全体的には聴きどころが分からずダラダラ続いていく印象を受けます。繰り返し聴かないと作品の全体像が見えにくいと感じました。第3楽章の最後は何の前触れもなく尻切れトンボのように突然の終わります。びっくり。

交響曲第3番(1937年作曲)は世界初録音。4楽章からなり、初演時には「建国の交響楽」という副題がつけられていたようです。皇紀2600年に先駆けて作曲されましたが、第3楽章など部分的に興味深い楽器の扱い方が聴かれるものの退屈な作品。

日本の作曲家でも大変珍しい存在である大澤の作品を収録したという資料的な意義は高く評価できます。この時代にこれだけ国際色豊かな作品を書いていた日本人作曲家がいたとは驚きです。ただ、私はもう少しすっきりと整理された音楽が好みです。

ヤブロンスキー指揮/ロシア・フィルハーモニー管弦楽団による演奏は、客観的な視点で作品を捉えています。強奏で打楽器が突出して音量が大きくなるのが少し気になりました。
No.235 - 2005/03/17(Thu) 23:39:26
〔最近購入したCD〕ナクソス四重奏曲第3番&第4番 / ハムラ@管理人 [近畿]
ナクソスがイギリスの現代作曲家ピーター・マクスウェル・デイヴィスに委嘱した作品、その名も「ナクソス四重奏曲」を聴きました。ナクソス曰く全10曲からなる「巨大プロジェクト」とのことです。レコード会社が作品を委嘱するのも珍しいですが、作品名にしてしまうのもすごいと思います。
今回聴いたのは、第3番と第4番。あまりにも安く売られていたので買ってみました。

作品はどちらも前衛的な音響で、一般向けするとは思えません。技巧的で最先端の弦楽四重奏曲を聴きたい人にはおすすめです。

ナクソス四重奏曲第3番は、占星術で使う魔方陣やイラク戦争に影響を受けて作曲されたようです。弦楽四重奏曲の表現の限界に挑戦したような作品で、交響曲を編曲したような激しい強奏があれば、弱奏で4人がまったく別の動きをする場面もあります。全体的に高音を多用しており、響きが金属的です。4楽章からなりますが、第1楽章「行進曲」はどこらへんが行進曲なのかさっぱり分かりません。

ナクソス四重奏曲第4番「子供たちの遊び」は、画家ブリューゲルの「子供の遊戯」(http://www.yamada-kj.com/renaissance/re_eu/reeu_1560/1560_bru/1560_bru.html)をもとにした作品。単一楽章からなります。強奏は第3番よりも少なめですが、じゅうぶん切迫感があります。ブリューゲルの絵は、楽しく陽気な感じがしますが、この音楽からはそういった親しみやすさを感じません。

この調子で10曲発表しても大丈夫なのか心配になりますが、『レコード芸術』10月号の情報によると、第5番&第6番の録音が終了したそうです。

ナクソス 8.557397
No.309 - 2005/09/20(Tue) 22:51:32
月刊チケット・クラシック / ハムラ@管理人 [近畿]
クラシック・ジャパン社から『月刊チケット・クラシック』が発刊されることになりました。電話受付が24時まで稼動で、チケット郵送料が無料というのが売りのようです。
今なら無料定期購読をホームページから申し込みできます。
どういう雑誌なのか詳細はよく分かりませんが、とりあえず無料なので申し込まれてはいかがでしょうか?
http://www.classic-japan.com/index.html
No.308 - 2005/09/19(Mon) 23:14:48
〔最近購入したCD〕アルゲリッチ/ラヴェル&ショパン / ハムラ@管理人 [近畿]
アルゼンチンのレーベル「COSENTINO」からリリースされたアルゲリッチの未発表ライヴ録音を聴きました。ともに正規音源がある曲目ですが、このような音源が発掘されるのは人気が高い証拠ですね。録音に慎重なアルゲリッチですが、昔の録音のリリースはOKなのでしょうか?
今回リリースされたのは、なんとアルゲリッチ17歳のときの録音ですが、信じられないほど実に堂々とした演奏を聴かせています。アルゲリッチの神童ぶりを伝える貴重な音源といえるでしょう。

ラヴェル作曲/ピアノ協奏曲は、1959年1月19日のライヴ録音。とてもノッている演奏でテンションが高く、ジャズというよりもラテン系民族音楽のように血が騒ぐ演奏。明確なタッチで弾いていて即興性や瞬発力も感じられます。指揮者デビューまもないデュトワ(写真がむちゃくちゃ若い)が指揮するオーケストラも張り切って演奏していて、ピアノとのやりとりがスリリング。

ショパン作曲/ピアノ協奏曲第1番は、1959年9月25日のライヴ。録音はラヴェルよりも悪く、音像が遠いのが残念。型にはまらず自由度を持って弾いているのはラヴェル同様ですが、こちらは細かな音符に少し苦心しているようで、表情のつけ方までに気が回らず、棒弾きになっている部分があります。それよりもオーケストラが問題ありで、技術的に弱い。第1楽章冒頭の前奏を聴けば演奏レベルがお分かりいただけるでしょう。総合的に判断すると、このショパンはアルゲリッチの他の音源に勝る部分は少ないでしょう。
No.307 - 2005/09/19(Mon) 00:05:06
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