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CD芸術 掲示板

〔最近購入したCD〕音楽は心 中澤忠雄指揮/神奈川県立野庭高等学校吹奏楽部 / ハムラ@管理人 [近畿]
1996年に亡くなった中澤忠雄氏が神奈川県立野庭(のば)高等学校吹奏楽部を指揮した演奏を集めたCDです。吹奏楽コンクールの課題曲・自由曲や定期演奏会の録音を中心に、4枚組というボリュームに15年間に渡る貴重な共演の記録が詰まっています。野庭高校は2003年に県立高校の統廃合によって、横浜南陵高校に名前を変えました。二度と戻らない野庭高校サウンドをこのCDではたっぷり聴くことができてとてもうれしいです。

私が野庭高校吹奏楽部の演奏のすばらしさを知ったのは、大学の同級生に野庭高校の卒業生がいて、定期演奏会のビデオを見せてもらったのが最初です。その後、ブレーンからリリースされた「吹奏楽の伝説」レジェンダリー・シリーズ「野庭高校」(http://worldwindbandweb.com/brainmusic/7.1/BOCD-7109/)を聴いてすっかり心を奪われてしまったというわけです。
中澤氏はかつて読売日本交響楽団でテューバ奏者として活躍していました。そうした経歴が野庭サウンドの方向性を決定づけたようにこのCDを聴いて感じました。

Disc1では、1982〜88年までの吹奏楽コンクールの課題曲・自由曲の演奏を収録しています。吹奏楽コンクールは、神奈川県大会予選→神奈川県大会→関東大会→全国大会と進んでいきます。このCDでは、それぞれの年の最終成績の演奏を収録しています。評価は金賞、銀賞、銅賞の3ランクです。

1982年 第38回関東吹奏楽コンクール銀賞
課題曲:岩河三郎作曲/サンライズマーチ
自由曲:R.ミッチェル作曲/海の歌
中澤氏が野庭高校吹奏楽部を初めて指揮したのは、1982年3月の第2回定期演奏会に客演指揮者として指揮したときです。翌4月に、野庭高校吹奏楽部指揮者に就任しています。就任後わずか5ヶ月で関東大会まで駒を進めたのはすごいことです。ただ、演奏内容は、音程の乱れやタンギングなど基礎技術の不足が目立ちます。音型も不鮮明で表現力にも乏しい。課題曲は単調な作品ですが、演奏も平板。むしろこの演奏で県大会をよく通過できたと評価したほうがいいでしょう。

1983年 第31回全日本吹奏楽コンクール金賞
課題曲:後藤洋作曲/カドリーユ
自由曲:A.リード作曲/アルメニアンダンス パート?T
全国大会初出場でいきなり金賞を受賞したときの演奏です。聴いてみると、そんなにうまくない、というのが率直な感想です。初めての普門館の響きに慣れていないのか、響きの広がりがありません。課題曲は木管が棒吹きで音程も不安定。自由曲は速めのテンポで進みます。最後の「ゆけ、ゆけ」はかなりの高速スピードでびっくり。ここで点数を稼いだのかもしれません。

1984年 第32回全日本吹奏楽コンクール金賞
課題曲:浦田健次郎作曲/マーチ オーパスワン
自由曲:A.リード作曲/吹奏楽のための組曲「ハムレットへの音楽」より プロローグ〜俳優たちの入場〜エルシノア城とクローディアス王の宮中
2年連続の全国大会金賞受賞ですが、同じ金賞でも前年とは明らかに違う豊かな響きを聴くことができます。技術面でも大幅に進歩。低音楽器の響きが充実して、木管も抑揚があります。課題曲での音程と響きがまとまった木管楽器が聴きもの。自由曲は本格的なシンフォニックな作品ですが、細かな音譜をおろそかにしない力強く緻密な演奏です。

1985年 第34回神奈川県吹奏楽コンクール優秀賞
課題曲:真島俊夫作曲/吹奏楽のための交響詩「波の見える風景」
自由曲:M.グールド作曲/サンタフェ物語
中澤氏が指揮したコンクールではこの年が最低の成績。文字通り先祖帰りしたような演奏で、木管楽器(特にクラリネット)の技術がかなり落ちています。金管楽器の音色が汚く荒々しい。打楽器も随所で炸裂。自由曲は金管楽器が吠えて少し乱暴でうるさく聴こえます。野庭高校らしくない珍しい選曲と言えるでしょう。

1986年 第34回全日本吹奏楽コンクール金賞
課題曲:建部知弘作曲/藤田玄播補作/コンサート マーチ「テイク オフ」
自由曲:A.リード作曲/吹奏楽のための交響的素描「オセロ」より プレリュード〜オセロとデズデモーナ〜宮廷への入場
普門館とは思えない柔らかく伸びやかな響きにびっくり。楽器のバランスが絶妙で役割分担が明確に整理されています。低音楽器をベースに和音を確実に形成しています。打楽器は大きな音を出さずに効果音程度の扱い方。課題曲はミュート付きのトランペットが透明感ある音色を聴かせます。名演。自由曲はスビトピアノ クレシェンドが演出が効果的。惜しむらくはクラリネットのリードミスが多いことでしょうか。

1987年 第43回関東吹奏楽コンクール金賞
課題曲:保科洋作曲/風紋
自由曲:C.T.スミス作曲/ルイ ブルジョワの賛歌による変奏曲
前年とはまるで別のバンドのようで、同じバンドの演奏とは信じ難い。1985年に似ていて全体的に棒吹きの傾向があります。特にクラリネットがレベルダウンしていて、音程の悪さにはがっかり。木管楽器の弱さを金管の強奏と打楽器の音量でカバーしたような演奏です。関東大会金賞も少し審査が甘いかも。

1988年 第36回全日本吹奏楽コンクール金賞
課題曲:杉本幸一作曲/小長谷宗一補作/カーニバルのマーチ
自由曲:A.リード作曲/序曲「春の猟犬」
課題曲・自由曲ともに、サックスを演奏作りの中核に据える後年に見られるバンドカラーが顕著にうかがえます。課題曲は軽快なリズムが楽しい。前年の演奏は何だったのかと思うほど、木管楽器がいきいきとした演奏を聴かせます。打楽器の音量バランスもちょうどいい。自由曲はリードシリーズの集大成といった感があります。技術的な完成度が高く、堂々とした風格と確信に満ちた演奏です。作品の再評価を迫るような名演。

こうして続けて聴くと、メンバーが入れ替わるなかで、年によって出来不出来の紆余曲折や試行錯誤を経ながら、次第にバンドが成長していった過程がよく分かります。
初期の演奏は響きがモサモサとしていて、後押しの演奏が散見されましたが、1986年頃には、後年の野庭サウンドの原型が聴けるのではないでしょうか。
No.264 - 2005/06/07(Tue) 23:58:50

Disc2 / ハムラ@管理人 [近畿]
Disc2には、Disc1では、1982〜88年までの吹奏楽コンクールの課題曲・自由曲の演奏を収録しています。Disc2になると私も演奏したことがある作品が増えてきます。
Disc2の演奏はDisc1にくらべて、年によって演奏レベルにあまり大きな差がありません。言い換えればバンドの実力が安定してきています。

1989年 第45回関東吹奏楽コンクール金賞
課題曲:岩井直溥作曲/ポップス マーチ「すてきな日々」
自由曲:M.ラヴェル作曲/R.ブートリー編曲/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け〜全員の踊り
マイク位置のせいなのか、中低音の音量が小さいのでバランスが悪く、木管高音が浮いて聴こえます。課題曲は遊び心がなくなんともおとなしい演奏。スウィングも控えめ。こんな作品じゃないような気がして物足りなく感じます。岩井氏が聴けば驚くでしょう。自由曲は上述したように中低音が弱く、盛り上がりに欠けます。クラリネットの音色が少しきつい。

1990年 第46回関東吹奏楽コンクール金賞
課題曲:野村正憲作曲/藤田玄播補作/行進曲「マリーン シティ」
自由曲:A.リード作曲/エル カミーノ レアル
課題曲はさっと流した演奏。もう少し伸びやかな表情が欲しいです。リードシリーズの最後を飾る自由曲は多様な表現が求められる難曲。健闘していますが、音色の融合がいまひとつ。

1991年 第47回関東吹奏楽コンクール金賞
課題曲:松尾善雄作曲/そよ風のマーチ
自由曲:J.バーンズ作曲/祈りとトッカータ
課題曲は音色があまり洗練されておらず濁り気味。自由曲をバーンズの作品にしたのは、この年の5月にバーンズが野庭高校に来校したことに関係していると思われます。金管低音や打楽器が派手に鳴りますが、すこしうるさく感じます。木管楽器はよくまとまっています。

1992年 第40回全日本吹奏楽コンクール銀賞
課題曲:田中賢作曲/ネレイデス
自由曲:A.コープランド作曲/森田一浩編曲/バレエ組曲「アパラチアの春」より
4年ぶりの全国大会出場。前年までにくらべて明らかにレベルアップしています。全体的に柔らかく包み込むような音色が魅力です。銀賞ですが、翌年の演奏(金賞)よりもレベルは上と思います。課題曲は、冒頭が武満徹に似た響きがします。透明感のある響きがすばらしく、ゾクッときます。打楽器による拍感を意識させない演奏です。自由曲は華やかな音色が楽しめますが、トランペットやクラリネットが、高音で音を外す(正確な音程が出ない)のが惜しい。

1993年 第41回全日本吹奏楽コンクール金賞
課題曲:矢部政男作曲/マーチ エイプリル メイ
自由曲:Z.コダーイ作曲/森田一浩編曲/ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲
前年に比べると演奏にいくぶん力強さが増したように感じます。課題曲は力を抜いたリラックスした演奏のなかにもいきいきとした活力を感じます。自由曲はアタックを明確に効かせています。オーケストラによる原曲以上の演奏効果があり、弦楽器がないことが不利になりません。野庭高校は「くじゃく」の全曲を1994年3月の第14回定期演奏会で演奏しています。その演奏は「吹奏楽の伝説」レジェンダリー・シリーズ「野庭高校」(http://worldwindbandweb.com/brainmusic/7.1/BOCD-7109/)に収録されています。全曲版のほうが録音が鮮明で表情も豊かです。全曲版を先に聴いてしまうと、このコンクールの演奏は少し物足りなく感じます。

1994年 第42回全日本吹奏楽コンクール銀賞
課題曲:間宮芳生作曲/ベリーを摘んだらダンスにしよう
自由曲:夏田鐘甲作曲/吹奏楽のためのファンタジー
野庭高校サウンドが完成された時期の演奏。ウィンドオーケストラの可能性を示唆する演奏です。課題曲は木管楽器の響きがすばらしい。まさに野庭高校にして成せる演奏です。中間部では微妙にテンポを揺らしています。この作品の理想的演奏と言えます。自由曲は中澤氏が演奏したコンクール自由曲では唯一の邦人作品。それだけ演奏したい作品だったということでしょう。もはやプロの域に達した演奏で、音色の純度や透明感、響きの統一感などまさに筆舌に尽くしがたい名演。このCDに収録されている演奏では一番好きな演奏です。これだけ完成度が高い演奏にもかかわらず、成績は銀賞。これは自由曲になかなか大胆なカットがあることがマイナス評価されたのかもしれません。「吹奏楽のためのファンタジー」はぜひ多くの人に聴いていただきたい演奏です。
No.266 - 2005/06/10(Fri) 23:55:46

Disc3+特典DVD / ハムラ@管理人 [近畿]
Disc3にはコンクールと定期演奏会の音源を収録。

1995年 第43回全日本吹奏楽コンクール金賞
課題曲:野村正憲作曲/アップル マーチ
自由曲:O.レスピーギ作曲/小長谷宗一編曲/バレエ音楽「シバの女王ベルキス」より ソロモーネの夢〜バッカスの踊り
中澤氏にとっても野庭高校にとっても最後の全国大会となりました。この演奏は高校の部で第1位を獲得する得点だったようですが、まさに高校生離れした完成された演奏です。前年よりもさらに透明感あふれた磨かれた音色で落ち着きのある響きを聴かせています。外面的な演奏効果を極力抑制しています。自由曲では、金管が鳴らずテヌート気味に演奏しています。とても健康的な演奏で、初めて聴いたときにはビックリしました。何度聴いてもいい演奏です。まさに名演。
タワーレコードの特典としてついてきたこの演奏(1996.10.28 普門館)のDVDを見ました。中澤氏の指揮姿が見れる大変貴重な映像です。中澤氏は頬がやせているように見えますが、このときすでに病に冒されていたとのこと。意外にも少ない動きで冷静に指揮しています。楽器編成はコントラバスが3人いるのが特徴で、低音を重視した音楽作りをしていたことがうかがえます。生徒たちは中澤氏の指揮を鋭い目つきでにらみながら演奏しています。楽器を上下左右に揺らして演奏している生徒が多く、アンブシュアが崩れないのか少し心配になりました。また、女子生徒のスカートがものすごく長いのにもびっくり。イスに座ると靴が見えません。演奏後の起立も軍隊のように動作がそろっています。野庭高校の伝説を今に伝える貴重な映像です。

1996年 第2回東関東吹奏楽コンクール金賞
課題曲:松浦欣也作曲/般若
自由曲:A.K.グラズノフ作曲/林紀人編曲/バレエ組曲「ライモンダ」より スペインの踊り〜ピッチカート〜ギャロップ
中澤氏は1996年8月18日に亡くなりました。この演奏は中澤氏が指揮した演奏ではありません。誰が指揮したのかCDに記載がないので分かりませんでした。野庭サウンドは健在ですが、聴き手に訴えてくるものが減ってしまっています。課題曲はソフトすぎて物々しさがありません。自由曲も響きの密度や集中度が薄くなってひ弱な印象を受けます。

CDで収録されているコンクールの演奏はここまでですが、その後も野庭高校は毎年コンクールに出場しています。部員数が少なくなっても、高校Aの部で出場しました。成績のみを書いておきます。
1997年 第3回東関東吹奏楽コンクール金賞
1998年 第4回東関東吹奏楽コンクール金賞
1999年 第48回神奈川県吹奏楽コンクール優秀賞
2000年 第49回神奈川県吹奏楽コンクール銅賞
2001年 第7回東関東吹奏楽コンクール銀賞
2002年 第51回神奈川県吹奏楽コンクール金賞


続いて毎年3月に開催された定期演奏会の音源が年代順に収録されています。コンクールにくらべると練習時間が少ないせいか、演奏の完成度は落ちます。中澤氏はポップスも指揮していたことが分かります。

J.F.ワグナー作曲/行進曲「双頭の鷲の旗の下に」(第3回定期演奏会 1983.3.21 磯子公会堂)は、録音状態がよくありません。速めのテンポで雑な演奏ですが、勇ましい行進曲を聴かせます。

兼田敏作曲/シンフォニック バンドのための序曲(第4回定期演奏会 1984.3.27 神奈川県民ホール)は、ぐっとレベルがアップします。速いテンポに必死になって演奏しています。

W.シューマン作曲/吹奏楽のための序曲「チェスター」(野庭高祭 1984.6.10 野庭高校体育館)は、文化祭での演奏にしては本格的な選曲。よく鳴っていますが、鋭角的な表現に対応できていない側面があります。

W.バーカー編曲/ガーシュウィン!(第6回定期演奏会 1986.3.22 神奈川県民ホール)は、豊かな響きに包まれた美しいポップスを聴かせます。

W.バーカー編曲/ハリウッド万歳(第7回定期演奏会 1987.3.19 神奈川県民ホール)は、「酒とバラの日々」や聴いたことがある曲(曲名は知りません)のメドレー。ハリウッド万歳は最後に少しだけ登場します。

保科洋作曲/古祀(第8回定期演奏会 1988.4.5 神奈川県民ホール)は、強奏でリズミカルに拍感を出しています。

A.バロッソ作曲/岩井直溥編曲/ブラジル(同上)は、野庭高校定演の定番曲のようで、他の年の定期演奏会でも演奏されています。速いテンポでノリがいい。あふれんばかりの熱さを感じます。「ブラジル!」の発声も元気いっぱい。
No.267 - 2005/06/16(Thu) 00:26:35

Disc4 / ハムラ@管理人 [近畿]
Disc4にはひきつづき定期演奏会の音源を収録。

W.H.ヒル作曲/セント アンソニー ヴァリエーション(第9回定期演奏会 1989.3.22 神奈川県民ホール)は、冒頭の金管が攻撃的に鳴りますが、中盤以降楽器の鳴りが悪くなるのが惜しい。全体的に音型がねちっこく聴こえます。

森田一浩作曲/ユングフラウへの前奏曲(第10回定期演奏会 1990.3.31 神奈川県民ホール)は、野庭高校吹奏楽部への委嘱作品。行進曲風の主題が輪唱のように同時に進行します。聴いていておもしろい作品ではありませんし、野庭高校の魅力があまり感じられない作品です。

V.ネリベル作曲/二つの交響的断章(第11回定期演奏会 1991.3.30 神奈川県立音楽堂)は、打楽器と木管楽器のみずみずしく弾けとぶような色彩感が見事。ソロもうまい。プロ級の演奏です。

荻野松宣編曲/美空ひばりメドレー(第12回定期演奏会 1992.3.15 神奈川県民ホール)は、ソルフェージュ能力の高さにびっくり。「リンゴ追分」にうっとり。吹奏楽でここまでいろいろな表情が表現できるとは驚異的。

佐橋俊彦編曲/ディズニー メドレー?U(第13回定期演奏会 1993.3.15 神奈川県民ホール)は、柔らかい響きのなかにスピード感を感じます。聴きごたえ満点。

J.バーンズ作曲/序曲「アルヴァマー」(第14回定期演奏会 1994.3.19 鎌倉芸術館)は、伸びやかで息苦しさがまったくなく、見通しがよいサウンドを聴かせます。木管楽器もよく指が回っていて、常に演奏に余裕があります。

A.リード作曲/吹奏楽のための序章「ラッシュモア」(第15回定期演奏会 1995.3.21 神奈川県民ホール)は、アメリカ音楽のギラギラした要素が抜けた落ち着いた演奏です。美しい音色で奏でられています。

喜多郎作曲/藤田玄播編曲/「シルクロード」より 絲綢之路(第16回定期演奏会 1996.3.23 神奈川県民ホール)は、野庭サウンドの集大成。打楽器の激しい打ち込みや、クラリネットのメロディーなど、実に雄大で透明感のある音響を作り出しています。喜多郎が聴けば絶賛するに違いありません。野庭高校吹奏楽部を語るうえで外せない録音と言えるでしょう。

J.P.スーザ作曲/行進曲「星条旗よ永遠なれ」(同上)は、どこをとってもすばらしい。不覚にも目頭が熱くなりました。

最後は、松林洋子・岩崎巌作詞/浦田健次郎作曲/神奈川県立野庭高等学校校歌。吹奏楽の演奏のバックに、合唱がかすかに聴こえます。統廃合によって新しくできた横浜南陵高等学校にはこの校歌は引き継がれていません。とても親近感を感じるいい校歌です。

歌詞は
 歴史を偲ぶ 良きところ
 ここ横浜の 港南に
 我が学び舎は 風に立つ
 伸びよ 伸ばせよ 野庭高校
 豊かに実れ 聡き知恵

これで4枚のCDを聴きおわりましたが、野庭高校吹奏楽部の貴重な演奏がCD化されたことに、まず感謝しなければならないでしょう。中澤忠雄氏の死去によって、また野庭高校の廃校によって、忘れ去られる可能性があった野庭高校吹奏楽部の演奏をこうして後世に語り継ぐ録音ができあがったことは、大変喜ばしいことです。
演奏内容は、ライヴ録音であるにもかかわらず、高い完成度を誇っています。単に演奏が上手というだけでなく、吹奏楽でここまで表現できるのかという可能性を示唆する演奏が多く含まれています。「吹奏楽なんて…」という固定観念を持っている人にはぜひ聴いていただきたいCDです。
その点で、中澤氏が亡くなったことは、日本の吹奏楽の発展にとって、本当に大きな損失です。このことは演奏を聴き進めるごとに強く感じました。
No.270 - 2005/06/23(Thu) 23:51:30

音楽は心 中澤忠雄指揮/神奈川県立野庭高等学校吹奏楽部 / ハムラ@管理人 [近畿]
こちらにまとめましたので、どうぞ。

http://www.geocities.jp/classicalmusicreviews/CD/noba.html
No.275 - 2005/07/03(Sun) 01:27:29

Re: 〔最近購入したCD〕音楽は心 中澤忠雄指揮/神奈川県立野庭高等学校吹奏楽部 / ハムラ@管理人 [近畿]
アマゾンに入荷したようです。

http://www.amazon.co.jp/%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%81%AF%E5%BF%83-%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E9%87%8E%E5%BA%AD%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%90%B9%E5%A5%8F%E6%A5%BD%E9%83%A8/dp/B0008GJZDE/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=music&qid=1244343357&sr=8-1
No.643 - 2009/06/07(Sun) 11:57:03
〔2010演奏会速報〕NHK交響楽団 / ハムラ@管理人 [近畿]
NHK交響楽団の2009/10シーズンの定期演奏会プログラムが発表されました。

2009年9月に首席客演指揮者に就任するアンドレ・プレヴィンは、10月に登場。モーツァルトやショスタコーヴィチや自作を指揮しますが、ピアノを弾きながらの弾き振りはないようです。

名誉音楽監督のシャルル・デュトワは、12月に登場します。多彩な曲目を指揮します。

桂冠指揮者のウラディーミル・アシュケナージが登場。音楽監督を退任してからひさびさの指揮です。マーラーやサン=サーンスなど意欲的なプログラムです。

名誉指揮者のヘルベルト・ブロムシュテットは、4月に登場。マーラー、ベートーヴェン、ブルックナーを指揮します。

客演指揮者もさすがの陣容。
9月のクリストファー・ホグウッドは、ベートーヴェンやメンデルスゾーンを指揮します。
ベートーヴェン「第9」演奏会は、クルト・マズアが指揮。
2月のセミョーン・ビシュコフの、ロシア音楽プログラムにも注目です。


定期演奏会Aプログラム
http://www.nhkso.or.jp/calendar/regular_2009_1.shtml

定期演奏会Bプログラム
http://www.nhkso.or.jp/calendar/regular_2009_2.shtml

定期演奏会Cプログラム
http://www.nhkso.or.jp/calendar/regular_2009_3.shtml
No.639 - 2009/05/16(Sat) 13:32:07
〔2010演奏会速報〕兵庫芸術文化センター管弦楽団 / ハムラ@管理人 [近畿]
兵庫芸術文化センター管弦楽団の2009-10シーズンの定期演奏会プログラムが発表されました。
次シーズンも金・土・日の3日公演です。

阪神・淡路大震災の15周年となる第30回定期演奏会は、17:46に開演します。佐渡裕がヴェルディ「レクイエム」を指揮します。

第35回定期演奏会(オッコ・カム指揮)のショスタコーヴィチ「交響曲第9番」とバルトーク「管弦楽のための協奏曲」に注目です。

http://hpac-orc.jp/season_ticket.php
No.638 - 2009/05/16(Sat) 13:07:44
〔2009演奏会速報〕ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭 / ハムラ@管理人 [近畿]
今年もゴールデン・ウィーク期間中に、東京国際フォーラムで「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭」が開催されます。
昨年の「シューベルトとウィーン」は5日間でしたが、今年は3日間に短縮です。
今年のテーマは「バッハとヨーロッパ」。
合唱曲で、ミシェル・コルボ&ローザンヌ声楽・器楽アンサンブルだけでなく、鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパンが出演するのは特筆すべきでしょう。
今日がチケットの一般発売日でした。
私もいくつかの公演を聴きに行きます。

5月3日(日) http://www.lfj.jp/lfj_2009/timetable/pdf/timetable_0503.pdf
5月4日(祝・月) http://www.lfj.jp/lfj_2009/timetable/pdf/timetable_0504.pdf
5月5日(祝・火) http://www.lfj.jp/lfj_2009/timetable/pdf/timetable_0505.pdf


また、昨年から始まった「ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2009」も開催されます。
テーマは「モーツァルトと仲間たち」です。

5月2日(土) http://lfjk.jp/pdf/program-0502.pdf
5月3日(日) http://lfjk.jp/pdf/program-0503.pdf
5月4日(祝・月) http://lfjk.jp/pdf/program-0504.pdf
No.635 - 2009/03/15(Sun) 11:16:04

Re: 〔2009演奏会速報〕ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭 / ハムラ@管理人 [近畿]
演奏会レポートを掲載しました。
http://www.geocities.jp/classicalmusicreviews/concert/09050405.html

来年のテーマは「ショパン」のようです。
生誕200周年を迎えますが、ホールAでピアノ曲が演奏されるというのはさすがにないと思うので、プログラミングに注目です。
http://www.lfj.jp/lfj_report/2009/05/post-506.php
No.637 - 2009/05/16(Sat) 01:36:35
〔2009演奏会速報〕名古屋フィルハーモニー交響楽団 / ハムラ@管理人 [近畿]
名古屋フィルハーモニー交響楽団の2009.4-2010.3シーズン定期演奏会のラインナップが発表されました。
第7代常任指揮者ティエリー・フィッシャー2期目のシーズンのテーマは「四季」。
各演奏会で季節をテーマにした作品が取り上げられるようです。

ティエリー・フィッシャーがストラヴィンスキーの三大バレエ音楽に挑戦します。
6月13日(土)の「春の祭典」は気になります。
また、「メンデルスゾーン生誕200年記念プログラム」として、鈴木雅明が「イタリア」と「真夏の夜の夢」全曲を演奏します(7月11日)。

https://www.nagoya-phil.or.jp/concerts/2009/2009list.html
No.608 - 2008/10/27(Mon) 01:01:18

市民会館名曲シリーズ「ベートーヴェン・ツィクルス」 / ハムラ@管理人 [近畿]
2009.4-2010.3シーズンの市民会館名曲シリーズ「ベートーヴェン・ツィクルス」のプログラムが発表されました。
常任指揮者ティエリー・フィッシャーが、1年間かけてベートーヴェン交響曲全曲を演奏します。

https://www.nagoya-phil.or.jp/concerts/2009/shimin_list.html
No.621 - 2008/12/23(Tue) 22:57:21

ティエリー・フィッシャー任期延長 / ハムラ@管理人 [近畿]
2008.4-2009.3シーズンから、名古屋フィルハーモニー交響楽団の第7代常任指揮者に就任しているティエリー・フィッシャーの任期が、当初の2年間から2010.4-2011.3シーズンまでさらに1年間延長されることが発表されました。
まだ1年目の任期が終わらないうちに、1年延長とは良好な関係が築けているようです。

https://www.nagoya-phil.or.jp/info/info.html?89
No.634 - 2009/03/14(Sat) 01:10:29
トン・コープマン演奏会 / リベルテ [東北]
シンフォニーホールのトン・コープマンの演奏会、私も聴きました。京都での翌日のシティ・ハーフマラソン大会参加のため宿泊したホテルから大阪とんぼ返りで聴きましたが堪能できました。席は2階RA12、ですからコープマンの表情もよく見えました。
同じような感想を持ちました。でも1番があれほどまでに愉悦に溢れた佳曲だと再認識しました。2番は少人数による緊張感と完成度の高さに感服いたしました。3番・4番、特に3番に関してはピリオド的なアプローチでは表現できない、当時の演奏の枠を超えた音楽であるように感じました。
ただ3番〜1番〜2番〜4番の順に演奏するのは全曲演奏の場合ベストだと感じ入った次第です。
No.631 - 2009/03/10(Tue) 19:29:35

Re: トン・コープマン演奏会 / ハムラ@管理人 [近畿]
リベルテさん、ご覧いただきありがとうございます。
ホームページも拝見させていただきました。
福島県からお疲れさまでした。

> 席は2階RA12、ですからコープマンの表情もよく見えました。

私の席からは真後ろだったので、ほとんど見えませんでした。
コープマンが指揮する表情はにこやかだったでしょうか。


> 1番があれほどまでに愉悦に溢れた佳曲だと再認識しました。

リベルテさんはボッケリーニを中心に聴いておられるようですね。
私は古楽は初心者なので、もう少し勉強してから演奏を聴けらよかったと少し後悔しています。
また機会があれば聴きたいです。
No.633 - 2009/03/13(Fri) 01:05:35
〔2009演奏会速報〕NHK交響楽団 / ハムラ@管理人 [近畿]
NHK交響楽団の2008/09シーズンのコンサートプログラムが発表されました。

来シーズンも音楽監督や常任指揮者は置かないようです。
9月にタン・ドゥン、12月にデュトワ(名誉音楽監督)、1月にジンマンが指揮します。
ベートーヴェン「第9」演奏会は、レナード・スラットキンが指揮します。
デュトワの「夜想曲」と「惑星」(12月13日(土))は、候補ですね。

定期演奏会Aプログラム
http://www.nhkso.or.jp/calendar/regular_2008_1.shtml

定期演奏会Bプログラム
http://www.nhkso.or.jp/calendar/regular_2008_2.shtml

定期演奏会Cプログラム
http://www.nhkso.or.jp/calendar/regular_2008_3.shtml
No.585 - 2008/04/04(Fri) 23:10:45

プレヴィン 首席客演指揮者に就任 / ハムラ@管理人 [近畿]
> 来シーズンも音楽監督や常任指揮者は置かないようです。

アンドレ・プレヴィンが、2009年9月から、NHK交響楽団の首席客演指揮者に就任することが発表されました。
驚きの人事です。
2007年にひさびさにNHK交響楽団を指揮しましたが、その演奏が評価されたようです。

常任指揮者や音楽監督ではなく、首席客演指揮者として契約した理由のひとつに、年齢面があるかもしれません。
1929年生まれなので、今年で80歳。
かなりご高齢です。

いろいろなレパートリーを演奏したいと抱負を述べています。
就任披露演奏会のプログラムに注目したいです。

http://www.nhkso.or.jp/topics/pdf/Mo_Previn_HP.pdf
http://www.kajimotomusic.com/newstext/200903_previn.html
No.630 - 2009/03/08(Sun) 01:58:25
〔2009演奏会速報〕日本フィルハーモニー交響楽団 / ハムラ@管理人 [近畿]
日本フィルハーモニー交響楽団の2008/2009シーズンの定期演奏会プログラムが発表されました。
2008年9月から首席指揮者にアレクサンドル・ラザレフが就任します。
定期演奏会に登場するのは2009年1月で、「プロコフィエフ交響曲全曲演奏プロジェクト」がスタートします。
2003年から正指揮者を務めていた沼尻竜典は、契約満了で2008年3月末で退任したようです。

東京定期演奏会
http://www.japanphil.or.jp/cgi-bin/concert.cgi?action1=preview_category&category_check=1#2008_fall

横浜定期演奏会
http://www.japanphil.or.jp/cgi-bin/concert.cgi?action1=preview_category&category_check=2#2008_fall
No.592 - 2008/06/07(Sat) 13:06:35

インキネン 首席客演指揮者就任 / ハムラ@管理人 [近畿]
ニュージーランド交響楽団の音楽監督を務めるピエタリ・インキネンが、2009年9月から日本フィルハーモニー交響楽団の首席客演指揮者に就任することが発表されました。
2008年に日本デビューを果たしたばかりですが、早くもポスト獲得です。
フィンランド出身なので、プログラミングにも期待したいです。

http://www.japanphil.or.jp/cgi-bin/news.cgi?action1=open_view#350
No.629 - 2009/03/08(Sun) 01:47:09
〔2009演奏会速報〕兵庫芸術文化センター管弦楽団 / ハムラ@管理人 [近畿]
兵庫芸術文化センター管弦楽団の2008-09シーズンの定期演奏会プログラムが発表されました。

同一プログラムが「金曜公演」「土曜公演」「日曜公演」の3回行われます。すごい。

第21回定期演奏会(2008年1月)の、山下洋輔の自作自演に注目です。

http://hpac-orc.jp/season_ticket.php
No.586 - 2008/04/14(Mon) 00:48:51

ネーミングライツスポンサー決定 / ハムラ@管理人 [近畿]
兵庫県立芸術文化センターの大ホールと小ホールのネーミングライツスポンサーが決定したようです。
10月1日より、愛称をつけて呼ばれるようです。

http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/center/news/200809/0910.html
http://www.kobelco.co.jp/topics/2008/08/1180367_6313.html
http://www.kobe-c.ac.jp/files/dtl/hm_0000000472.html
No.602 - 2008/10/02(Thu) 00:27:23

Re: ネーミングライツスポンサー決定 / ハムラ@管理人 [近畿]
> 兵庫県立芸術文化センターの大ホールと小ホールのネーミングライツスポンサーが決定したようです。
> 10月1日より、愛称をつけて呼ばれるようです。

スポンサー料は、大ホールで毎年3000万円、小ホールは500万円だそうです。
けっこう高いですね。

http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/center/news/200810/1022.html
No.607 - 2008/10/27(Mon) 00:48:52

中ホール ネーミングライツスポンサー決定 / ハムラ@管理人 [近畿]
中ホールのネーミングライツを阪急電鉄が取得し、3月1日から「阪急 中ホール」となるようです。
スポンサー料は、年額1,500万円とのこと。

http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/center/news/200902/0227.html
No.627 - 2009/02/28(Sat) 13:45:45
〔2009演奏会速報〕大阪シンフォニカー交響楽団 / ハムラ@管理人 [近畿]
大阪シンフォニカー交響楽団の2009年度主催公演のプログラムが発表されました。

定期演奏会は平日午後公演なので聴きに行くのは難しそうですが、小林研一郎のチャイコフスキー・プログラム(2010.1.15(金))は気になります。
第56回名曲コンサート(2009.4.25(土))の千住真理子のスペイン交響曲は注目です。

定期演奏会
http://www.sym.jp/program/09.html

名曲コンサート
http://www.sym.jp/program/09m.html

特別演奏会
http://www.sym.jp/program/09a.html
No.593 - 2008/06/27(Fri) 00:24:54

キンボー・イシイ=エトウ 首席客演指揮者に就任 / ハムラ@管理人 [近畿]
キンボー・イシイ=エトウが、大阪シンフォニカー交響楽団の首席客演指揮者に就任することになりました。
任期は2009年4月から2013年3月までです。

http://www.sym.jp/news/081125.html
No.620 - 2008/12/21(Sun) 22:59:53
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