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「葬」題進行中です。配布元:http://www.geocities.jp/monikarasu/
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寂葬
/ 銀時×高杉
引用
「昔話も、御伽噺も、俺は嫌いだ」
「じゃあ何が好きなの」
「寂しいものが好き」
「でも、昔話は寂しいだろう」
「……あったかいものは嫌いだよ」
「あったかいものは…、寂しいのに」
No.71 - 2008/11/24(Mon) 22:22:41
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金葬
/ 金時×高杉
引用
「お前を
CENSORED
やりたい」
金時は俺にそう言ってみせたけれど、そう言ってみせただけなのは明白だった。
声に感情が乗っていない。瞳に殺意が宿っていない。
そんなわかりやすいうそで俺を殺そうだなんて、つくづく甘い男ではある。
「それが本当ならよかった」
それが本当なら、きっと幸せだ。
そんな感傷に絆される俺も、所詮は甘い男だろうか。
目の前を金色で埋め尽くして、その匂いに抱かれたまま、ずっと息を止めていれられたなら。
俺にその幸福を、願う資格があるのなら。
No.70 - 2008/11/12(Wed) 15:52:26
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災葬
/ 銀時×高杉
引用
俺にこの世の怖いところを教えてくれたのは高杉だった。
世界の深淵を覗き込んで、その暗闇の深さに視界を奪われて。
その時の俺に唯一出来た事は、そこから目を逸らす事だけだったんだ。
「逸らさなかったら、俺が死んでた」
あの時に見た暗闇が、今は高杉の瞳に宿っている。
それを覗き込むのが怖い。逸らさなければ、きっと死んでしまう。
No.69 - 2008/10/22(Wed) 01:22:44
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倖葬
/ 銀時×高杉
引用
お前だっていつか死んでしまうんでしょう。
その美しい瞳を瞼の下に仕舞い込んで。
血の通わない肌の冷たさを俺に思い知らせながら。
幸せな顔をして、俺を残酷な気持ちにさせるんでしょう。
No.68 - 2008/10/21(Tue) 20:01:11
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冬葬
/ 銀時×高杉
引用
「寒いのは好きだよ」
いつか、いつかの冬も、同じ事を言ったような気がする。
寒いのは、好きだと。
死にいっそう近づく気がするから。
「汗をかくより美しいだろう」
「俺はお前の汗のにおい、好きだけど」
寒くなればなるほど恋しくなる。
そう、いつかの冬も、俺は同じ事を言ったような気がする。
No.67 - 2008/10/20(Mon) 01:43:20
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春葬
/ 銀時×高杉
引用
桜の花びらは死人を弔うのに一番似合っている気がした。
薄桃色のそれが風に舞う姿は可愛らしく、けれど生命の終わりを感じさせた。
無数に散っていく。振り急いで。一瞬も掴まらないようにと。
「ああやって逃げていくんだ。死んだ奴らは。俺達から」
掴み損ねた手のひらは宙を裂いて、新たな花びらの道筋を描くしか出来ずにいる。
No.66 - 2008/10/20(Mon) 01:41:31
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秋葬
/ 銀時×高杉
引用
秋生まれのお前に相応しいよと言って、高杉は俺に紅葉を一枚くれた。
そんなもの、道を歩けば腐るほど落ちているものだけれど、
高杉が俺にくれたものだという価値ひとつで、一瞬のうちに宝物に変わった。
枯れてしまうのが惜しいと思えた。どうせなら高杉ごと、地面に埋めてやれたら良い。
No.65 - 2008/10/14(Tue) 18:47:01
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夏葬
/ 銀時×高杉
引用
蝉時雨なんていう美しい言葉は、この喧騒の前に何の意味も持たない。
じいじいと喚く蝉の声に耳を狂わされて、この暑さに眼球も乾いていく。
自分が泣いてるのか、泣いていないのかわからない。
頬を伝う生温さは汗だろうか。それとも涙だろうか。
頭がくらくらして、立っているのがやっとだった。
一分一秒経つ内に、身体中の水分が消えていくのがわかる。
嗚呼、このまま俺も死んでしまうのだろうか。お前の後を追うみたいに。
No.64 - 2008/10/14(Tue) 18:43:59
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堕葬
/ 銀時×高杉
引用
「( )なんて、人間の屑だぜ」
(……よく聞こえなかった)
もう一度言って欲しいなどと銀時は言わなかった。
高杉の言う事は正しくて間違っていてつまり俺の興味の範疇から外れている。
俺は高杉の言葉なんかどうでも良くて、高杉の身体だけを抱きしめていたい。
「高杉」
聞かなかった台詞のことなど忘れて、銀時は高杉の身体を強引に抱き寄せた。
小難しい理屈なんか捨てて、俺の腕の中でとろとろに蕩けていれば良いのに。
「俺も、その屑の仲間にいれてよ」
(そしたらお前も俺も喘ぐだけ)(言葉なんて二人には要らないんだ)
No.63 - 2008/10/04(Sat) 01:54:35
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石葬
/ 銀時×高杉
引用
君のお墓を作ってやることは出来なかった。
墓石に君の名前なんて書いたら、本当の意味で君は死んでしまう。
そんな事、僕に出来るわけないじゃないか。
つまらない感傷だと、君は悲しく笑うんだろうけれど。
No.62 - 2008/10/04(Sat) 01:46:26
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