どうも莉緒です。 そう言えば先日、突然インターネットに繋がらなくなる事件が起こりまして。モデムやらルータ?やらはランプの点滅具合から正常っぽいのに、何故かつながらなくって。PCのなんかしらの設定だとは思うんですけど、調べようにもインターネット繋がってないし。そういうエラーの時は的なページも、結局インターネット繋がってないから見れないし。接続されてないからヘルプみたいのに、接続されてから見てください、とかループすることばっか言うし。トラブルシューティングは、DNSのアドレスがおかしい、とか、意味わからんこと言うし。管理者に連絡してね、って勝手に解決した気になってるし。Wi-Fiの設定をリセットしても、結局繋がらんし。っていうか、接続は正常なのにね、意味わからんね。DNSってどこで触るんだろうね、とごにょごにょやってたら、なんかが無効になってたんで、もうなんでもいいや、って有効に変更したら、なんか繋がりました。わ、わたしの二時間返してーや…。でもって、色々リセットしちゃったので、これ、PS3とか3DSとか繋がってない、と、思う。あー次つける時めんどくせー。多分、リセットする必要なかったと思うしー。あー、、、兄ちゃんに説明すんのもめんどくせー。
もうネット繋がってるし、全然安心!って油断してると、なんかそういうことになるんで気を付けてください。これ、多分またなるなあ。原因がいまいち分からんもんで。ウイルスか!もしくはウイルスか!とびくびくしながらスキャンしたんですが、検出されなかったので、大丈夫だと思います。
で、景幸です。一応、流れとしてはラストです。
北条も豊臣に降り、日ノ本は統一された。それでめでたしめでたしとなれば、景勝の心労も兼続の苦労もないだろうが、現実はそうではない。豊臣の名のもとに一つになった日ノ本を継続していかねばならず、家名を維持していかねばならず、他家との付き合い方は複雑になる一方だった。陰気くさい腹の探り合いや、権力争い、足の引っ張り合いの気配に満ちている大坂城は、景勝には息苦しかった。見た目は華やかだが、外見だけを着飾ってばかりで、一つ仮面を剥がせば、どろどろとした醜いものが次から次から溢れ出してきそうな、そんな印象を抱かせた。
景勝は上座に向かって頭を垂れる。上座には秀吉が座し、その隣りにはねねと官兵衛の姿もあった。いつもならば景勝の代わりに、まるで事前に諳んじてきたかのようにすらすらと口上を述べる兼続は、今日は不在だ。大坂に共に来たものの、日頃の無理が祟ったのか、熱を出して寝込んでいる。常に兼続を従えてはいるが、口下手なだけで話せないわけではない。兼続に敵わぬものの、無礼にならぬ程度に短い挨拶を告げれば、よっぽど意外に思ったのか、秀吉やねねばかりだけでなく、官兵衛の顔すらも呆気にとられたような少々間抜け面が浮かんでいた。景勝はそれを指摘するでも、憤慨するでもなく、見て見ぬふりをして、さっさと退室の旨を告げて、再び頭を垂れる。上杉家と豊臣家の友誼は兼続に任せておけばいい。この場は、上杉家当主として、景勝が秀吉に頭を下げて恭順しているという外聞が立てばそれでいいのだ。
「先の小田原攻めでは、上杉家の方々に大いに助けられましたな。流石名門は違う。よくよく勉強させてもらったわ。若いもんの良い手本になろうて」
軽い相槌でも打てばよかっただろうに、そういった合いの手が出来ない景勝は、秀吉を見上げる。人の善い顔をして、その裏で何を考えているのだろうか。主である以上、その言に従うは、好きになることはできないな、と景勝は思った。 秀吉は景勝の鈍い反応にも気にした様子もなく、にこにこと言葉を続ける。よく回る口だ、と景勝は内心で呟く。兼続もどちらかと言えばそうなのだが、兼続のはつらつとした声を聞き慣れているからだろうか、どうにも音が軽いのだ。威厳があるとはお世辞にも言えなかった。
「そこで、じゃ、上杉殿。目に見える形で、わしはそなたに礼がしたい。なんでも言うてくれ。ああそうじゃ、上杉殿は刀の収集が趣味であったな。なんぞ良い品があったはずじゃ、」
「おそれながら、」
秀吉の言葉をさえぎるなど、本来ならば無礼千万だ。けれども、それに冷や汗を掻いたのは景勝だけだったようで、秀吉やねねだけでなく、官兵衛ですら、それで?とでも言いたげに景勝に視線を送っている。つくづく己の常識が通じぬ世界だ、と景勝は思った。
ゆっくりと顔を上げる。 本当に、秀吉が"そう"言うまで、景勝はあの存在を忘れていた。忘れなければいけない、と、今までを過ごしてきた。忍城攻めで再会した時ですら、二人は一定の距離を保ったままだった。彼は、もう自分のものではない。自分の手の届く場所にいない。もう彼との幸福な時間は"おしまい"なのだ。そう言い聞かせてきた、信じてきた、事実そうなのだと、景勝は思ってきた。いや今だってそうだ。その名を口にしてはいけない、と思っている。己は上杉家を背負う国主であり、だからこそ、軽はずみに言葉を発してはならない。それは己への戒めだ。そうあらねばならぬ、と、己へと誓いを立てた。立てたはずなのに、この口はその名を呼ぶことに歓喜する。再びあの時が得られるかもしれぬ、と、万が一のもしもを想像して喜びに胸が揺れている。
「真田幸村を、戴けませぬか」
声が僅かに震えてしまった。それも、景勝の声を聞き慣れぬ秀吉は気付かなかったようだ。
「ほぅ、何故じゃ?真田家の人質なぞ、そちたちにはもう不要であろう」 「家臣に致したく」
秀吉は懐から扇子を取り出し、思案顔で扇子の先を揺らしている。手を叩いたと思えば、ちょこんと顔にくっ付いている髭を撫でている。 返答までの時間は、景勝にとっても拷問だった。息苦しい。この城はやはり好かぬ。早く自領に帰りたいものだ。それが無理なら、せめて屋敷に帰りたい。他愛ない言葉一つに、一々疑心が生まれる、邪推される。いやだ、兼続、儂にはやはり外交は向かん。そう内心で愚痴を零していると、秀吉は勢いよくパッと扇子を広げた。思わずそちらへと視線を向けた。
「それは無理じゃ」
なにゆえ、と声には出せなかったが、表情から読み取ることは容易かっただろう。秀吉は笑っている。あの人の善さそうな、いかにも人好きがしそうな顔だ。いったい何を企んでいることやら。
「わし、幸村のこと気に入ってしもうたんじゃ。あやつがおらねば、何かと支障も出てのう」
秀吉は、言いながら、その小柄な身体をひょいと持ち上げて、飛び跳ねるように身軽に上座から降りた。景勝の目の前までやってきて、目線を合わせるように膝をつく。
「上杉殿のところには、優秀な家臣がおったのう。どうじゃ、直江兼続と交換なら、考えてもええで。三成も喜ぶじゃろうて」
どうじゃ?と、あの笑顔で景勝に問いかける。一瞬、何を言われているのか分からずに、呆けた顔で見つめ返してしまった。この男は、兼続と幸村を天秤にかけろ、と言うのか。そんなこと、出来るものか。して良いものではない。そんなこと、決して、けっして、
伏せっている兼続の姿の後ろに、幸村の笑顔がある。何も言わずにただ側にいて、時折微笑む幸村の姿が脳裏に蘇った。あの日々は実に穏やかだった。呼べば応える。彼はすぐそこに居たのだ、儂に膝を貸してくれていたのだ、簡単にその手に触れることが出来たのだ、その吐息に触れることが出来たのだ。実に優しい日々だった、緩やかな日々だった、しあわせだった。再び手にしたいと思ってしまう。それは、いったい、なにを引き換えにするのだったか。
「お前様、意地の悪いことを言うもんじゃないよ!景勝も困ってるじゃないか!この話はもうおしまい。お前様の遊びに付き合える程、景勝も暇じゃないんだよ。ほら、景勝ももうお行き。このままだと、日暮れまで遊び倒されちゃうよ」
ひどいのぅ、と言いつつも、秀吉は渋々と上座へ戻って行った。すまん、冗談じゃよ、冗談。と秀吉は笑っていたが、景勝を射抜いたあの眸は果たして冗談で済まされるものだったろうか。秀吉は、景勝を試したのだ。それが秀吉に何の益があったのかは分からなかったが、確かに秀吉は、景勝の何かを見定めようとしたに違いない。 景勝はいつものむすりとした表情を張り付けて、言われるがままに退室した。腹の中が重い。やはり、好きになれぬ城だな、と景勝は思った。
***
秀吉との面会を済ませた景勝は、その足で兼続を見舞った。幸村と兼続を比べてしまったその罪悪感は確かにあったが、それ以上に兼続の声が聞きたかった。この、隠された陰気臭さを祓ってくれるような、兼続のはつらつとした声が聞きたかったのだ。
一眠りして多少良くなったようで、兼続は快く景勝を迎えてくれた。肌が白いせいで発熱で上気した頬が余計に目立ったが、「おお景勝様!」と声を上げるその調子はいつもの兼続だった。これでは、秀吉の隣りに控えていた官兵衛の方が、余程病人に見える。 枕元には湯呑みと紙包みが置かれていた。景勝がそれに視線を向ければ、兼続も心得たもので、「半刻程前に幸村が来ました」と景勝の心を読む。流石に豊臣へと送られたばかりの頃は幸村の話題を控えていた兼続だったが、幸村のことが話の上ることは、実は少ないことではない。既に交流が途絶えてしまった景勝とは違い、三成を挟んで幸村とも文のやり取りがあるのだ。そこが景勝と兼続が抱える想いの違いだろう。兼続は景勝の気持ちを知っていながら、いやにこざっぱりと幸村の名を口に出す。それが兼続なりの気遣いなのだ。
「どうかされましたか?なにかありましたか?」
誰が見たっていつもの仏頂面のはずなのに、兼続は景勝の機微を見抜くのがうまい。思わず項垂れてしまった景勝の顔を覘き込もうと、兼続は身体を起こした。
「うむ、」 「また、秀吉殿のお戯れですか?」 「…うむ。褒美を、と言われたのだ。つい、幸村をと、言ってしまった。それならば、兼続と交換だと言われて、」 「了承されたので?」 「何故そうなる!」
思わず声を上げてしまった景勝に、兼続はにこりと微笑む。手放せぬ、と景勝は思った。この男だけは、生涯己の味方であろう、理解者であろう。
「秀吉殿も意地の悪いことを仰る」 「兼続、正直に言うぞ。儂は迷った。それも一瞬だけではない。幸村が再びこの手に入る、その先を想像した。すまぬ。儂は、そなたを捨てようとした。すまぬ」
ははは、と兼続のよく通る笑い声が響いた。兼続は朗らかに笑っていた。
「謝ることなどありませぬ。むしろ光栄です。私は景勝様がどんなに幸村を想っているのか知っていますから、僅かでも釣り合う価値が己にもあったのか、と」 「当然であろう」 「それで、幸村はどうするのですか?すぐに取って返し、秀吉殿に懇願すれば、交換条件を呑んでくださるかもしれませぬぞ?」 「そなたまで意地の悪いことを申すな」
それは失敬、と兼続は膝を打った。見限られるとは思ってはいなかったが、兼続と隙間が出来てしまうのでは、と少々の不安があった景勝にとって、兼続の反応はまさに予想外だった。
「幸村のことは、もうよいのだ。父上は、決して自分の欲で戦をなさらなかった。だから儂もそれを見習おう」 「本当によろしいので?」 「儂には兼続がおる。そなたはそなたで、得難き存在よ」 勿体ないお言葉、と深々と頭を垂れる兼続に、もう休め、と手をかざした。 景勝は今度こそ、己の恋が破れる音を確かに聴いたのだった。
*** これで終わり! 景幸は叶わない初恋になってしまうので、切ないなー、と思いつつも、書かずにはいられない。どうして景幸増えないんでしょーかね。 景勝様のしゃべり方が分かんなくって、私的上杉景勝になってます。すいません、すいません。
実は見直ししてません。誤字はご愛嬌ってことで。予想外に長くなっちゃって、うん。 後々、ちゃんと校正したものをぴくしぶにアップ予定です。新キャラと絡んだ話をごそっと。まだ、あの小十郎との絡め方が分からないので、とりあえずこれで一旦落ち着くかな。 |
莉緒 No.1997 2014/05/20(Tue) 00:10:37
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