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ルツェルン・フェスティバル in 東京 2006 をより充実したものにしてくれた室内楽の数々。中でも、特に心に残った15日と17日の感想を簡単にまとめておきたいと思います。すみません、やっぱり長いです(^^;。
15日 <昼の部> の「兵士の物語」 は今回の室内楽の中でもとても楽しみにしていたプログラムのひとつだったのですが、残念ながら都合がつかず、この日は <夜の部> のみの鑑賞となりました。
<出演> クラリネット: ザビーネ・マイヤー ヴァイオリン: アントン・バラコフスキー、グレゴリー・アース ヴィオラ: ディムート・ポッペン チェロ: ヴァレンティン・エルベン <プログラム> モーツァルト: クラリネット五重奏曲 イ長調 K. 581
<出演> ピアノ: マウリツィオ・ポリーニ ヴァイオリン: コーリャ・ブラッハー、アントン・バラコフスキー ヴィオラ: ヴォルフラム・クリスト チェロ: マリオ・ブルネロ <プログラム> ブラームス: ピアノ五重奏曲 ヘ短調 op. 34
前半後半でメンバーを入れ替えて違ったタイプの室内楽が聞けるなんて贅沢の極みです。
ザビーネ・マイヤーはとにかくよく動きます。オケに入った時もかなり動きが目立ちますが、室内楽になるとひとつひとつの音をまるで身体で表現するかのようにさらに激しい動きになります。 やはり一番心に残ったのは2楽章。ちょうどこの季節の弱い日差しを思わせるかのようなデリケートで美しい演奏でした。 ザビーネにはいつかルツェルン管と是非モーツァルトのクラリネット協奏曲をやって欲しいですね。もちろん指揮はアバドで!アンコールはウェーバーのクラリネット五重奏曲の1楽章。
そしてそして後半のブラームス ピアノ五重奏曲。こんな贅沢なメンバーで室内楽が聴けるなんて夢のようです。表に出過ぎずしかし情感に溢れたポリーニのピアノはどこをとっても素晴らしくため息が出るほどでした。前半のモーツァルトとはがらりと世界を変えた渋い大人の室内楽に最後まで魅了させられっぱなしでした。
ただ、ひとつだけ残念だったのは、近くに座っていた聴衆の眉をひそめたくなるようなマナーです。後半のブラームスが始まると斜め前の席の女性がホール入口で配布される大量のチラシをペラペラと見始めました。そして見終わったものをすぐ横の階段にカサッカサッと捨てていくのです。休憩時間ならまだしも演奏中にです!私の席からはちょうど視界に入るので気になって集中力も途切れてしまい本当に泣きたい気持ちでした。1楽章が終わったところで隣の席の男性が注意をしていましたが、こういう時って注意するほうも後味が悪くて本当に嫌ですよね。 なので集中して聞けるようになったのは2楽章からです。といっても、その女性は2楽章以降も落ち着きに欠けていたので完全に集中できたとは言えません。この時の恨めしさが室内楽の感想をこんなにも遅らせた理由です(苦笑)。あれさえなければ・・・と思うと本当に悔しい。
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気を取り直して17日の感想を(^-^)。
<出演> ヴァイオリン:コーリャ・ブラッハー、アントン・バラコフスキー ヴィオラ:ヴォルフラム・クリスト、ヘンリク・シェーファー チェロ:クレメンス・ハーゲン、イェンス=ペーター・マインツ <プログラム> ブルックナー: 弦楽五重奏曲 ヘ長調 WAB112 モーツァルト: ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ト長調 K. 423 ブラームス: 弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調 op. 18BR
この日は小ホールだったので、名手たちの完璧な演奏を間近で楽しむことができました。 ブルックナーの弦楽五重奏曲は、ブルックナーの交響曲の中でも特にこの作曲家の色が濃く出ている部分だけを切り取って寄せ集めたような、どこをとってもブルックナーって感じの曲で思わずニヤニヤと笑ってしまいました。逆にブルックナーが苦手な人には耐えられない曲かもしれません(笑)。
モーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲は、ブラッハーとクリストの息のピッタリと合った演奏に終始釘付け。時折ブラッハーの顔を覗き込むクリストの熱い眼差しになぜかこちらがドキドキしてしまう場面もありましたが(^^;、そういえばこの二人はベルリンフィル時代にもよくアバド越しにアイコンタクトを取っていたっけなぁ、なんてあの頃を懐かしく思い出してしまいました。それにしても、クリストがあの博士のようなメガネに変えたのはいつからなんでしょう?ファンとしては気になって仕方がありません(^^;。ステージ衣装もブラッハーとクリストは対照的で、個性豊かなこの二人の名手からは今後も目が離せそうにありません。
そして、後半は大好きなブラームスの弦楽六重奏曲。今、アバドが最も信頼を寄せているメンバーの演奏でこの曲が聴けるだけでもこの上ない喜びでしたが、いやはや世界のトップクラスに登りつめても日々自分を磨き続けている演奏家というのはどうしてこんなにも大きな感動を与えてくれるのかと悔しくなるほど気持ちがひとつになったブラームスでした。一流の演奏+α のこの "α" の部分を存分に楽しませてもらい、エネルギーも沢山もらった演奏会でした。
この日のプログラムが後半のオーケストラコンサートを意識して選曲されたものかどうかはわかりませんが、少なくとも私にとっては翌日のブラームスとブルックナーに繋がる室内楽となったことは確かです。 |
No.59 2006/11/12(Sun) 14:39:35
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