| http://blog.jog-net.jp/201401/article_1.html
■4.放射性廃液の海洋放出に関する「世界に誇れる基準」
ガッツは国内政治でも必要だ。東日本大震災からの復興を進める上で、多くの障害がガッツの無さから生じている。
たとえば福島第一原発での汚染水の問題。汚染水がタンクから漏れ出し、地下水に混じって海に流出している、と騒がれているが、問題の根本に、放射性廃液に関する海洋放出基準値がある。
基準値としては飲料水として飲める程度というのが、一つの目安になっており、それは水1キログラムあたり、アメリカは1200ベクレル、ヨーロッパは1000ベクレルとされている。それが日本では何と10ベクレルである。人間が飲める水よりも、さらに100倍もきれいな水にしないと海に放出できない。
__________ これは民主党政権の小宮山洋子厚生労働大臣の時に定められたものです。その理由が「世界に誇れる基準にする」というのだから、非科学的とも何とも、開いた口がふさがりません。その根っこにあるのが反原発であることは明らかです。[3,p80]  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
この「世界に誇れる基準」に縛られ、東電は汚染水の海洋放出ができず、陸上に保管している。そのためにタンクを次々と増やさなければならないし、それに従って水漏れのリスクも高まっていく。
■5.官僚や東電幹部のガッツのなさが問題を引き延ばしている
そもそも、科学的根拠のない、欧米からもかけ離れた基準を設定する際に、専門知識を持つ官僚の中で体を張って抵抗した人がいたのだろうか。
いたのかも知れないが、厚労省全体としては、反原発イデオロギーを信条とする素人政治家に押し切られて、馬鹿馬鹿しい基準値になってしまった、という結果を見れば、ガッツのない官僚主義の敗北と言うしかない。
また、陸上保管という出口のない逃げ道に走った東電幹部のガッツのなさも渡部氏は指摘する。
__________ 想定外の事故で周章狼狽(しゅうしょうろうばい)したということもあるでしょう。事故によって世間から注がれる激しい目に萎縮したということもあるでしょう。
いずれにしろ、汚染水はALPS(多核種除去設備)で処理し、希釈してすぐに海に流せるよう設備を整えると同時に海洋放出基準値の見直しを求める、という当然の策をとらず、陸上保管という愚策をとらせたのは、世間の厳しい目に迎合(げいごう)し、東電も最良の策を立て懸命に努力したことを示そうとしたからに他なりません。勇気のなさのしからしめるところです。[3,p80]  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
原発事故からの復旧のために必要なのは、技術や資金だけでなく、左翼勢力や事なかれ官僚が設定した障害を取り払い、正道に則った解決策を追究していく、というガッツなのである。そのガッツなくして、速やかな復興はありえない。
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No.5996 - 2014/01/12(Sun) 10:23:46
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