我ながら脈絡のないB級嗜好で恥ずかしいのだが、 トニー谷に続いて母物映画に「ずっぽり」である。
母物映画は三益愛子さん主演のものが特に有名だ。 その三益さんとチエミさん共演の「母子鶴」も、 チエミさんは凡そキャラクター的にはミスキャストだと思うが、 今見ると案外に悪くない。 ※ 私が子供の頃読んだ雑誌に、有名人の子供が描いた父 或いは母の顔と短い文章が載っていた。 宇野重吉さんの息子(多分、後年の寺尾聡さん)が 「お父さんは家ではオナラばかりしています」と言う 様なことを書いてあり、もう一人は入江たか子さんの 息子さんが絵と共に何か書いていた。
入江さんは華族出身の銀幕の大スターだったが、その頃は 大病の後で「化け猫」や「怪猫」で糊口をしのいでおられた。
入江さんの息子さんと私は多分同じ学年だと思うが、 学校で「バケネコのコ」といじめられているのでは?と、 その本を見ながら胸が痛んだのを憶えている。 自分も都会から地方に移ったので、よくいじめられたものだ。
入江さんは化け猫以降、器用な方でないだけに端役に回され、 やがて映画界を引退して、銀座のバーのマダムをしながら、 若葉さんと息子さんを立派に育て上げた。
腕白ざかりの息子さんが夕方家に帰って来て、「お母さんアノネ」と、 台所で炊事をしている入江さんに、目を輝かし息を弾ませて語り かけたと言う。入江さんは煮物の火を止めるのも忘れ、しゃがみこんで 子供の目線に顔を合わせ、一生懸命子供の話を聞いたそうだ。
「鍋を幾つ焦がしたか分からない」と言う入江さんに、 ガス止めてから話聞けば良いじゃん!と思わないでもないし、 私の母なら「お母さん今忙しいの、あっちに行ってらっしゃい」 と、間違いなく言ったと思う。
しかし、私はこの「お母さんアノネ」の話が大好きである。
さて、お母さんでぶりは、どんなだったのだろう?
えっ?今じゃ会社から帰って来たご主人の「カアサンアノネ」に 付き合ってる?そうなんだ。難しい年頃だものネ。 いや、子供じゃなくてご主人がサ。
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No.177 - 2007/05/12(Sat) 10:40:49 [p1248-ipbf504fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp]
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