チエミさんは神津善行氏に、ジャズのアレンジ以外はオリジナルや民謡の編曲 そしてTV、映画、舞台、ミュージカルと、音楽を殆ど任せていた。しかし、ある 時期を境に一緒の仕事がなくなった。それぞれ何等かの事情があったのだろう。 奥さんのメイコさんとも、オリジナルの作詞や「アニーよ銃をとれ」の訳詩などで 一緒だった。メイコさん独特の「言葉の感性」は、チエミさんに良く合っていたと思う。
オークションで自動車の本が出ていた。口車と火の車以外の車は持っていなし、免許も 持っていないので落札しても仕方がないが、中に神津さんのインタビューが載っていて 「江利チエミがいたから、僕はベンツが好きになったんだ。」とあったので購入した。
『きっかけは江利チエミなんだ。亡くなちゃった歌手の。そのとき彼女、名古屋のコマ 劇場かなんかでリサイタルをやっていたんだけど、週末に新幹線で東京まで帰って ボーイフレンドとあいびきして、公演のある月曜日にまた名古屋に戻ろうとしていたんだね。 ところが当日、東京駅に行ってみると、新幹線が不通になっている。彼女あたふたした あげく、僕のところに電話よこしたわけ。「私はどうしてもコマの公演の時間に間に合いたい。 あなた。ヒマないか?」って。ちょうど東名高速が開通した頃ですよ。僕はラジオの仕事の 時間を変更してもらって、そのベンツに江利チエミを乗せると2時間35分で東京〜名古屋を 走ったんだ』(原文ママ)と,ベンツ贔屓になった経緯を語っている。因みにベンツは‘62、3 の300Sモデルとのこと。
名古屋にコマ劇場はないし、東名高速の全面開通は1969年9月だから、「ボーイフレンド とあいびき」となると、ちょっと時期的に「?」だと思う。神津さんの記憶違いだろうか。
しかし「あなた、ヒマないか?」なんて中国人みたいな言い方は、いかにもチエミさんらしい 気がする。チエミさんの死後、メイコ・神津夫妻がチエミさんを語ったのを、余り聞いたことがない。 是非また、チエミさんの思い出を、お二人には話して(書いて)欲しいと思う。 (雑誌は「NAVI」1995年10月号)
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No.315 - 2007/08/21(Tue) 16:04:07 [p1114-ipbf601fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp]
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