意見でん、小言でん、書きゃんせ！

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いけんでん、こげんでん。相談、打ち合わせなど活発にお書き込みをお願いします。タグも使えます。

★ KOBANASHI (21) 『付焼き刃』 / てぃのう

引用

　大学入学当時のイタ種は、坊主頭に丸レンズの黒縁眼鏡をかけて金ボタンの学生服という、明治時代の懐古写真に登場する学生のような出立ちであったことは既にお話した。それから考えると、その後はさなぎが蝶に羽化したと言えるような変身振りであった。髪は長髪になり、眼鏡はコンタクトレンズに代わり、髭は綺麗に剃られるようになった。それに適度に洗練された服を着けると、爽やかさを売りにできるような容姿に変貌したから不思議だ。元来、色白で彫の深い顔立ちであったので、イタ種の徒名の如くちょっと見にはイタリア人とのハーフに見間違った。しかし、如何せん純粋な日本人であるので、ハーフにしては四肢がちょっと短かめだった。彼はその点に触れられたくないようであったが、「お前は座っていればかっこいいんだけどなぁ・・。」と思わず口から本音が漏れてしまったことがあり、イタ種に大目玉を喰らったと記憶している。
　当初、イタ種のファッション感覚はかなり付焼き刃的であり、基本的なファッションのルールには疎いところがあった。ネクタイピンをどうして付ければよいのか迷っていたので、「今年は、ネクタイピンをネクタイの最下点に付けて、錘りにするのが流行ってるぞ！」と冗談で言ったところ、それをデートで実践して相手の女性に唖然とされたとのことである。まもなく破局を迎えることになったのは、致し方ないところであったろう。
　彼は空色を好んだ。そして、それはその爽やかな風貌にはマッチしていたと思う。しかし、見た目と実際の彼の行動の間にはかなりの乖離があった。
　ある日、チューインガムの宣伝に出て来るような笑顔を振りまきながら、彼女と手を繋いで公園を歩いていると、大きな水溜まりがあったという。何を血迷ったのか、一緒に『い～ちに～のさん』でそれを飛び越そうと提案したらしい。しかし、惜しむらくはイタ種のジャンプ力は弱かった。彼のみが水溜まりに着水して、その水しぶきにずぶ濡れになったが、彼女をも巻き添えにしてデートは台無しになったと聞き及んでいる。当然のことながら、この場合も彼女からの要請により破局を迎えることになった。
　『学生ローン』のお世話になったことがある方も多いのではと思うが、我々も突然に金が入り用になった時、不本意ながら学生ローンに駆け込むことがあった。あれは、イタ種が眼鏡からコンタクトレンズに代えて暫く経った時であった。ある女性と知り合いになり、珍しくデートが３ー４回繰り返された後のある日、彼は午後からのデートの事で頭が一杯であった。早起きして朝風呂に入り、髭をきれいに剃りあげようとしていた。しかしその時、大事なコンタクトレンズを洗面器の中に漬けていたのを綺麗さっぱり忘れてしまって、そのお湯をコンタクトごと頭からかぶってしまってさあ大変！　排水溝を含めて風呂場の中を隈無く捜してみたが見当たらない。我々までもその捜索に動員されたが、既に流れ去ってしまったらしく見つからなかった。しかし、イタ種はコンタクトを付けた爽やかな姿しか彼女に見られたことがなかったのである。イタ種は焦った。彼は学生ローンに飛び込み、数万円借金して新しいコンタクトを調達し、デートに間に合わせた。まあ、物事はこういう付焼き刃的に行動する場合、心の動揺がどこかに現れるのでうまく行くことはない。このデートも、結局は推して知るべしの結果となったようである。学生ローンの方はどうなったかというと、毎月の返済の度に風呂場の出来事が思い出されて遣り切れない気持ちになったらしいが、社会人になった頃にやっと完済して、その辛い思い出に終止符を打ったとのことであった。

No.115 - 2002/12/10(Tue) 19:10:42

☆ Re: KOBANASHI (21) 『付焼き刃』 / まりあ

引用

まだ、会でお会いしても一度もお話出来ていませんが、銀ちゃん（失礼！）って、本当に可愛かったのですね。クラスでは、まじめな会話しかした記憶がないので、今度、お話出来たらなと思っています。

No.117 - 2002/12/10(Tue) 20:24:58

★ おすすめの一冊 / patora [九州]

引用

「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス作

主人公チャ－リィは３２歳になっても幼児の知能しかない。
馬鹿にされいじめられながらも、澄んだ心で現実を生きる。
そんな彼が、大学教授等の実検によって超知能を手にして
いく過程を、チャ－リィ自身の経過報告という形でまとめられて
いるのだが、文章が少しづつ高度になっていく事で知能が
高くなっていくのが読者には手にとるように分かる。
チャ－リィはねずみのアルジャーノンを競争相手に
連日検査を受け、やがて手術により人もうらやむ天才と
なるのだが・・・。チャ－リィのその後に待っていた扉は？
アルジャーノンの結末は？
超知能を手に入れた青年の愛と憎しみ、喜びと孤独を通し
人間のこころの真実に迫る秀作・・・。

ゆっくりと読み進めることをおすすめします。
泣けます・・・。TVドラマは見ないほうが良いです・・。

No.105 - 2002/12/03(Tue) 23:01:48

☆ Re: おすすめの一冊 / patora [九州]

引用

わたくしも、２年前当時高校生の長男が最後泣きながら
読んでいたのにつられて読みました。

’５９、中篇でヒューゴー賞、’６６長編でネビュラ賞受賞。
’９９、日本語文庫版序文に作者キイスは次のように寄せています。
「愛情を与えたり受け入れたりする能力がなければ、
知能というものは精神的道徳的な崩壊をもたらす。・・
・中略・・知識の探求にくわえて、われわれは子供たちに
家庭でも学校でも、共感する心を育み、他人を思いやるよう導いてやるべきだ。家族や友人のみならず、異なる国々の、
さまざまな種族の、宗教の、異なる知能レベルの、あらゆる
老若男女の立場に自分をおいて見ること、こうしたことを
子供たちそして自分自身に教えることが、虐待や罪悪感、
憎しみや暴力を減らし、すべてのひとびとにとって
もっと住みよい世界を築く一助となるのだと思う。」

わたくしごとき、平和ボケの一介の主婦がいうのも
生意気ですが、昨今の世界情勢見聞きするにつけ、
人間、歴史に学んでいませんねえ・・・

No.107 - 2002/12/05(Thu) 14:52:53

☆ Re: おすすめの一冊 / HAPPY

引用

子どものお薦めで以前読みました。なんか哀しかったですね。原作がドラマ化された時、しらける時が多いような気がする。ダニエルキイスが好きみたいです。

No.106 - 2002/12/04(Wed) 02:53:57

★ 傷口がいまだに残っています / 土木Ｋ

引用

柔道部出身の私にとっては、硬派を気取るところがあり、服装、お洒落には、高校時代まで無頓着でした。

大学に入り、当時アイビールックに徹したＴ－脳と知り合い、単純に「かっこいいな」と思い、アイビールックというか、トラッドに魅かれていったようです。
また、ストライプのネクタイ、アスコットタイ、濃紺のブレザーは、太り気味のものにとっては不思議とフィットしていたように思います。

問題のアスコットタイはいまだに柄が目に浮かんできます。茶のペーズリー柄でした。自分なりに、かっこいいなぁと自画自賛していたことと、何より、首周りが暖かくて、かなりの長い時間連続使用していたわけです。寝るときにもしていたようにも思います。
小さいおできが首にでき、“蛸の吸出し”といった薬を塗り、一時処理をしていたところ、ある朝起きると、首が左に傾いたまま、回らないわけです。「こりゃ大変だ」と思い、誰かに病院を聞き、学校近くの、これも病院名を忘れることがないわけですが、“安藤外科病院”へ飛び込みました。対応の悪さ、冷たい“悪性かもしれません”という言葉、腕の悪さ等々、しばらくたって、「あすこはやぶだ。」と誰かから聞かされ、納得しました。

いまだに、切開の傷口が残っており、最近まで、その部分は、安全かみそりがひっかかって、使えない状況で、傷跡に手を当てるたびに、当時のことが思い出されます。恥ずかし話ですが。

アクゥアスキュータムのコートは、25年以上経って、よれよれになっていますが、いまだに季節の変わり目に使っています。今となっては、父の形見の一つで、大切に使っていきたいと思っています。バーバリーより長持ちするという点では、父に先見の目があったのかもしれません。

　お洒落にまったく無頓着な私に、トラッド志向を感化してくれたＴ－脳先生には、感謝しています。
「お洒落とは、きょう会う人への思いやり」Ｔ－脳先生のお言葉でしたか？

No.95 - 2002/11/30(Sat) 06:59:54

☆ Re: 傷口がいまだに残っています / まりあ

引用

土木Ｋ様、寝るときまでしめていたなんて・・・。て～のう先生、さすが、名言、文豪の面目躍如ですね。「蚊の吸い出し」？？？

No.99 - 2002/12/02(Mon) 20:20:19

☆ Re: 傷口がいまだに残っています / HAPPY

引用

小さいおできに「蛸の吸出し・・？」緑色の？あーんなもんつかったら、小さいおできにはたいへんだっしょ？てぇのうせんせの尻のおできならわかるけど・・・！
わらしには、どうしても高校時代のＫさまと大学時代のＫさまが一致しないんですが・・。勘違いかしら？
人違い？そんなことないよねえ・・。

No.98 - 2002/12/01(Sun) 22:20:49

☆ Re: 傷口がいまだに残っています / がこ

引用

おお、まだ青春の傷跡が残っとらっしゃっとですか！
コートも年月を経て、ご本人と共に渋さを加え、ますますええ味が出てきているんだろうなと推察いたします。
「お洒落とは、きょう会う人への思いやり」、、、（あまりもの名言ぶりに、ほんのこつてぇのうせんせのお言葉じゃろかい？との疑いが消えまへんが(･･;)）ガンと後頭部を殴られたような気がします。ついつい、ずんだれた格好が平気になりがちな近頃のわたしめ、年齢重ねるゆえにより「こぎれいに」を目指さねばならないのに・・・と大いに反省！昔は、「歳取る程きれいな派手な色のものを身に付けるようにするもんね。」と考えていた事を思い出しました。皆しゃま、ド派手なギンギラおばしゃんになっても、引かないでね～！

Ｋさまは、帰鹿のご予定などないのでしょうか？
ちなみに、いとこさんのやっておられる『ふく福』には、よく寄らせていただいとります。

No.97 - 2002/11/30(Sat) 17:46:54

☆ Re: 傷口がいまだに残っています / patora [九州]

引用

しゅてきなおはなし・・・！
土木Kさまのこだわりも粋！
て～えのうせんせの「一期一会」にも、ん～ん納得！
その辺の若ぞーには真似の出来ない大人のオシャレ談義
もっと聞かせてくださいましね・・・。

ん？土木Kさま、もしぬかりがあったとすれば、「寝るときまでAタイ締めていた・・」という点だけどした？・・・

No.96 - 2002/11/30(Sat) 11:54:44

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