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***映画「ゴエモン」のウェブ・サイトに載ってた、あら筋を読んだ。「キャシャ−ン」に劣らないほどの壮大な物語で、楽しみだ。 ***しかし、心配がある。物語の「 勢力の相関図」が、2極( 敵と味方)じゃなく 3極( 2つの勢力とわたし)だというところだ、紀里谷 カズアキ監督の前作、「 キャシャ−ン」に続いて。3極の物語は、一般的に、難しい話・観客に解りにくい話、といわれている。 観客が、基準点を見つけられず、どの勢力を応援( 共感)したらいいのか解らなくなるから。興行収入、40億円届くだろうか? ***「 3極の相関図の、作品」で、連想する悪い事は、 *1、「 誰が主人公( 作品内で、観客が基準とする価値観。 作品内の出来事を判断できる、主人公にとって、うれしい事・悲しい事、と。だから観客が、「喜ぶべき場面だ。悲しむべき場面だ」と判断したノチ、共感できる)か解らない」」という観客の声。 *2、ハリウッドで2極の話に改造される。 ***しかし、「3極の勢力」という相関図の、使用状況は、米・日・欧、という3大市場でかんがえれば、日本・ヨ−ロッパ地域、が使っている。2極( 味方と敵)を使うのはアメリカだけだ。だから、3極の話のほうが優勢なようだが、しかし映画の流通の量は、アメリカ製が圧倒的人気で市場に流れているので、やはり3極の話は少数派だ。***「ゴエモン」の話が観客に伝わるといいんだが。古典( 高い評価が確定している作品)である映画、「アキラ」に対しても、「 誰が主人公かわからない」って言う人がいるからな。 ***でも、日本の名作は、ほとんど3極の話だから、理解できる人だけでも、お客さんとしては、けっこうな人数だろう。だからヒットできるだろう。
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No.677 2009/03/08(Sun) 15:06:18
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Re: 話がむずかしそう / q |
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***「日本( とヨ−ロッパ)の名作はほとんど3極」に関する「注」。ど−ゆう妄想が私に、「ゴエモン」に期待をさせるのか?******私はジャンルとして、「世界大戦モノ」がすきだ。最近は無声映画の中で、小さい話( だけど、予算的には大作)の作品を見てるけど、個々の作品じゃなくてジャンル自体すきなのは、「 世界大戦モノ」。***「世界大戦モノ」は、世界戦争と世界貿易の世紀である20世紀、が生んだ、最大範囲での、「世界の捉え方・世界の語り方」、だと私はおもっている。それは行動には、「世界を救う」という強力な意味づけを成立させる。***「終末」とか「最終戦争」という主題が、北欧神話や「 聖書」など古代にある。しかし、人間自身がこの世を終らせる力を持っている、という認識は産業革命まで生まれなかったと、私は思っている。 ***終末といっても、敵が滅びるだけで、神とイい人間( 自分)は存在し続ける、とか。 神や大自然の力で人間が滅ぶ、という非・対象の対立、とか。 「神 対 神」の対立のせいで、人間が巻き添えくう、とか。***「人間と人間の対立」で、善の報いも悪の報いもなく、意味づけなく、ただ自滅してしまう、という不条理な終末観は、近代までなかったんじゃないかと思ってる。 ***神の力を代行しているわけでもないのに、一人の人間に人類の運命がかかっている、そんな「人間と世界の関係性」、は20世紀が生み出した物だと思っている、今のところは。 ***「 ゴエモン」も連なることになる、「日本(とヨ−ロッパ)の名作は、ほとんど3極」という話。この話の理屈にすすむ。 ***私の知ってる範囲の情報だけで作る、有名な、大衆( 19世紀ごろに存在が定着)娯楽作品による、「 世界大戦モノ」の系譜、を提示する。実際の世界大戦、を作品化したものじゃなくて。***私が分類した「 世界大戦モノ」は、3種類の「相関の関係性」のどれかを使っています。**相関の関係性・種類その1:「A」・・・「対立」。二つの勢力の相関は、争う、という関係性。**相関の関係性・種類その2:「B]・・・「終末」。二つの勢力のあいだに、対立、という関係性が成り立たない。超越的な力をもつ、片方の勢力により、力を持たない勢力が迎える、一方的な終末。**相関の関係性・種類その3:「A]+「B]・・・A,二つの勢力の争い。 B,第3の勢力が持ち込む、2派の争いを無効にする強力な理由、平等に訪れる「死」、つまり「終末」。
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No.678 2009/03/08(Sun) 18:58:31
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Re: 話がむずかしそう / q |
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***まず、私が「 世界大戦モノ」の先祖だと思っている、二つの作品を挙げる。***先祖1・・「3極<きょく>の相関図」の話。1895年。小説「タイム・マシン」。作者:H,G、ウェルズ。欧州。*相関の関係性:「A]+「B]。A「対立」・・階級間の対立。強い種族( 顔役・・群衆)。弱い種族(顔役・・主人公と恋におちる、女)。 B「終末」・・生物のいない、未来にまで、時間を旅行する主人公(顔役・・主人公)****先祖2・・「2極の相関図」の話。1898年。小説「宇宙戦争」。作者:H,G,ウェルズ。欧州。*相関の関係性:B「終末」・・対立が成立しない、一方の勢力による、もう片方の勢力の殲滅<せんめつ>。生き残る者、宇宙人( 顔役・・宇宙人の軍団)。滅びる者、人類( 顔役・・主人公)。 ***上記の2つの先祖 以降に成立した、私の考える「 世界大戦モノ」。 ***「3極の相関図」の話。1927年。映画「 メトロポリス 復元と再建、2001年版(紀伊国屋書店から発売)」。作者:フリッツ・ラング。欧州。 *相関の関係性:A「対立」+B「終末」・・・A,「対立」。支配階級( 顔役:主人公の父親)・対・労働者階級( 顔役:主人公が恋する女性。途中で偽者にかわる。最後に、現場の監督、の男に変わる) B,「終末」。対立を無効にする第3の極<きょく>・・・両者を結びつけようとする、媒介者(2種類)。・・1、融和で結びつけようとする、主人公(顔役:主人公)。 2、破壊で結びつけ、都市自体を崩壊させようとする、発明家。昔、主人公の父親と、主人公の母になる人をめぐって、争った。(顔役:偽者の女性。正体は、発明家が、主人公の母に似せてつくった、機械人間)。
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No.679 2009/03/08(Sun) 19:31:54
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Re: 話がむずかしそう / q |
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***「3極の相関図」の話。1951年。マンガ「 来<きた>るべき世界」。作者:手塚 オサム。日本。 **相関の関係性:A「 対立」+B「終末」・・・A「対立」。二つの超大国、スタ−国( 顔役:警察かなんかの長官)・対・ウラン連邦(顔役:駐スタ−国・ウ連邦大使)の戦争。*B「終末」。二国間の戦争、を無効にする第3の極<きょく>・・・地球に接近するガス雲( 顔役:一人の新人類と、彼女と恋愛関係にある日本みたいな国の主人公と、スタ−国・ウ連邦、の有力者の子供、とその許婚の一団。彼らは、新しい知識、「死、終末」の知らせ、を世界に伝えようとする)。***私の一番好きなマンガです。***「来るべき世界」によって、「日本的な世界大戦モノ」は高度に完成されます。**「来るべき世界」の方法・・・1、主人公の属する、社会的な層は大衆。王様じゃない。*2、二つの勢力の戦争は、世界の運命をきめる戦い。その途中で、戦争を無効にする平等な「死」が現れる。*3、一つの勢力(群集)ごとに、一人の顔役( 王じゃなくて、現場で、物語を動かしていく役割、のキャラクタ−。下っ端が死んだ最終回は、敵の顔役は王に変わる)を用意する。*4、その、顔役(個人)を一箇所に集めて、彼らの交流で物語を進める。それによって、顔のみえない(観客が感情移入しにくい)大群集(国家とか)同士の争いを、感情移入できる、劇として、観客に提示する。***
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No.680 2009/03/08(Sun) 20:16:21
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Re: 話がむずかしそう / q |
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***「2極<きょく>の相関図」の話。出版、1954年−55年。小説「 指輪物語」。作者:J,R,R,ト−ルキン。欧州。 ***相関の関係性:A、「対立」・・・闇の軍勢( 顔役:王が率いる群衆、の一団)・対・土地にくらす人々軍団( 顔役:各種族の代表。9人ぐらいの、旅の仲間)の戦争。****日本における、世界大戦モノの完成形「来るべき世界」と、扱った素材の差をくらべると、興味深い。「来る・・」では、私と彼(敵)のあいだに、手塚は同じ価値観の共有を書いた。自分の子供を大事に思う気持ちは同じ、とか。*「機動戦士 ガンダム」でも、監督の富野 ヨシユキは、敵軍の兵士と酒場で一緒になった主人公に、敵である彼らに魅力を感じ取らせている。**前期3部作の「スタ−・ウォ−ズ」で主人公が、敵に共感を感じるとき、それは、敵でありながら共感を感じているのではない。「私がおまえの父親だ」。家族だから、最後に共感を感じるのだ。**ハリウッドの世界大戦モノは、敵と味方での価値観の共有を書かない事が多い。日本は、異星人の言葉を翻訳して、字幕を付けるが、ハリウッドは付けない気がする。敵は群集で個人じゃない事が多いので観客も感情移入しにくい。ス−パ−ヒ−ロ−が個人の敵と戦うのは、また種類が違うが。**手塚は、人は本質的に同じでありながら、敵、味方、という現世のしがらみにしばられている。死は人をしがらみから解放し、一つの場所に立たせる。という、概念を表現した。**ト−ルキンは、敵、味方、ではなく、善と悪の関係性、という概念を表現したのであり、この二つの争いを無効にすれば、善と悪の関係性を表現していない、という事になってしまう。**この、扱う素材、の差は、当初は文化的な差だったかもしれない。しかし、外国の文化にも触れやすく、生活習慣もかわった日本で、手塚的な素材で名作が多いというのは、作家たちが概念という部品は、まだ批評的に扱っていない、という事だと思う。設定は、怪ロボットを兵器として、設定し直すなど、批評的だけど。**ハリウッドにもそのままあてはまる。
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No.681 2009/03/08(Sun) 21:03:46
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Re: 話がむずかしそう / q |
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***日、欧、的な「曖昧な2極、の相関図」・・ののち、「3極の相関図」の話へ。1972年。マンガ版「デビルマン」。作者:永井 ゴウ。日本。*相関の関係性・・・A「対立」。前期:悪魔軍団(顔役:悪魔。主人公に殺されるたびに、次の悪魔が一人ずつ出てくる。)、対、人類(顔役:主人公。悪魔と交流した、人間。悪魔人間になる)。 後期:悪魔軍団、対、悪魔人間の軍団。両軍団の死のあとに現れる、第3極「天使の軍勢」。 ***「2極の相関図」の話。1977年。映画「スタ−ウォ−ズ」。アメリカ。*相関の関係性・・・A「対立」。帝国軍( 顔役:王に率いられた群集。白い兵士)、対、反乱軍(顔役:主人公とその仲間)、の戦争。暗黒卿ベイダ−は、善の人、が道を誤った状態。 ***日、欧、的な「曖昧な2極、の相関図」の話・・ののち、「3極の相関図」を可能性として提示しつつも、物語の幕引きは「2極の相関図」でおこなう。1979年。テレビ・アニメ「起動戦士 ガンダム」。***基本の、相関の関係性:A「対立」・・・地球連邦軍(顔役:主人公たち)・対・独立を宣言した、宇宙植民者(顔役:王に率いられた、毎週変わる、軍人。群集ではなく個人として書かれている。主人公たちと価値観を共有できる)*可能性として提示された、相関の関係性:A「対立」+B「終末」・・A・地球連邦軍、対、宇宙移民軍、の戦争。 B・第3極として出現する、別の関係性の可能性:自分と相手(敵)が、現世を離れれば、交流可能だという世界観( 顔役:超能力をもった少女)。 ***3極。1979年。小説「果てしない物語」。*関係性:A+B。A「対立」・・・主人公・対・本の世界に住む親友。 B「終末」・・世界を飲み込む「無」と、世界を見つめる王女。 **3極・・・映画「ナウシカ」、映画「アキラ」、テレビ・アニメ「エヴァンゲリオン」(最後に、第3の極、観客も共感できる切実な感情、が出現)**2極・・・映画「マトリックス」***3極でも名作多いから、きっと「ゴエモン」も、私にとって楽しいだろう。
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No.682 2009/03/08(Sun) 21:38:57
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