| こんばんは。学校の課題で、解答は知人に教えてもらったものです。
x^2-xy-y^2=1の自然数解が無限に存在することを示しなさい。 (解答) 自然数からなる数列{a[n]}, {b[n]}を次により定義します。 (a[1], b[1])=(2, 1), (a[n+1], b[n+1])=(2a[n]+b[n], a[n]+b[n])(nは自然数) すると、a[n]^2ーa[n]b[n]ーb[n]^2=1(★) そして、(a[m], b[m])≠(a[n], b[n])(m, nは異なる自然数) 以上から、方程式x^2ーxyーy^2=1の解は無限に存在する。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (★の証明) nについての数学的帰納法を用いて示します。 n=1のとき、 a[1]=2, b[1]=1なので、a[1]^2ーa[1]b[1]ーb[1]^2=1 したがって、n=1のときは成り立つ。 n=kのときに成り立つと仮定する。 すなわち、a[n]^2ーa[n]b[n]ーb[n]=1とする。 a[n+1]=2a[n]+b[n], b[n+1]=a[n]+b[n]だから a[n+1]^2ーa[n]b[n]ーb[n]^2=(2a[n]+b[n])^2ー(2a[n]+b[n])(a[n]+b[n])ー(a[n]+b[n])^2 =a[n]^2ーa[n]b[n]ーb[n]^2=1 したがって、n=k+1のときも成り立つ。
(質問) 全体の流れは大体つかめたのですが、次のところが分かりません。 >自然数からなる数列{a[n]}, {b[n]}を次により定義します。 >(a[1], b[1])=(2, 1), >(a[n+1], b[n+1])=(2a[n]+b[n], a[n]+b[n])(nは自然数) この(a[n+1], b[n+1])=(2a[n]+b[n], a[n]+b[n])(nは自然数) はどのようにして見つけたのでしょうか?
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No.5934 - 2011/01/18(Tue) 19:41:14
| ☆ Re: / りょう ♂ [東海] [大学院生] | | | | 初めて投稿します。これはx^2−xy−y^2の因数分解がポイントです。 まず、t^2−t−1=0という方程式を考えます。すると、 α=(1+√5)/2,α’=(1−√5)/2 が解として出てきます。そして、 x^2−xy−y^2=(x−αy)(x−α’y) と因数分解できます。 次に、x=2,y=1は1つの解ですが、他の解(p,q)があったとします。すると、 (2−α)(p−αq)(2−α’)(p−α’q) =(2−α)(2−α’)(p−αq)(p−α’q)=1 となります。ここで、α^2=α+1,α’^2=α’+1ですから、 ((2p+q)−α(p+q))((2p+q)−α’(p+q))=1 とかけ、この(2p+q,p+q)が新しい解として得られます。そういうわけでこのように漸化式を定義しているわけです。 しかしこれでは、どのようにしてx=2,y=1が得られたのかが謎として残ってしまいます。説明は難しいのですが、この場合に限り、次のように説明できます。 まず、α=1+(1/α),α’=1+(1/α’)という式から、 1−α=−1/α, 1−α’=−1/α’ とします。αα’=−1なので、 (1−α)(1−α’)=−1 となり、2乗すると、 (1−α)^2=1−2α+(α+1)=2−α,(1−α’)^2=2−α’, (2−α)(2−α’)=1 となって2と1が得られます。一般の場合には連分数展開というものを使います。
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No.5936 - 2011/01/19(Wed) 11:45:11 |
| ☆ Re: / kl ♀ [地球外] [高校2年生] | | | | ありがとうございます。よく分かりました。 >一般の場合には連分数展開というものを使います。 興味をもったので、ここのところを具体的に教えて頂けませんか?
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No.5939 - 2011/01/20(Thu) 23:51:08 |
| ☆ Re: / りょう ♂ [東海] [大学院生] | | | | えーと、まずさっきの投稿で(p,q)は「他の解」としましたが、起点はp=2,q=1でここから解を作っていくので他ではまずいです。すみません。 さて、一般の場合ですが、今日大学で調べたところ、すごく難しい問題であるらしいことが分かりました。ですが、特別な場合にはうまい方法があるようなので、それについて説明してみます。 まず、a,bは整数とし、a≧0で、D=a^2+4bは正の数で、平方数ではないとします。このとき、方程式: x^2−axy−by^2=1 の自然数解を求めます。Dは、2次式t^2−at−bの判別式で、このとき、 α=(a+√D)/2, α’:他の解, 左辺=(x−αy)(x−α’y) とできます。aが奇数か偶数かで異なるのですが、とりあえずaが奇数の場合を考えようと思います(たとえばa=1,この問題のケース)。 最初に、両辺を4倍して平方完成します。すると、 4(x^2−axy−by^2)=4, (2x−ay)^2−Dy^2=4 となります。ここで、もしu^2−Dv^2=4の自然数解u,vがあれば、 x=(u+av)/2, y=v としてxとyが条件を満たします。そこでこのuとvを求めます。 初めに、n<√D<n+2なる奇数nをとって、z=(n+√D)/2とおき、次の操作をひたすら繰り返します。 A<z<A+1なる整数Aをとって、 z=A+(1/A’), B<A’<B+1なる整数Bをとって、A’=B+(1/B’), C<B’<C+1なる整数Cをとって、B’=C+(1/C’),・・・ すると、A’,B’,C’,・・の中にいつか必ずzが現れるので、そこでやめます。簡単のためC’=zであったとして、ここから式を逆にたどりzの分数式を作ります。 B’=C+(1/z)=(Cz+1)/z, A’=B+(1/B’)=B+(z/(Cz+1))=((BC+1)z+B)/(Cz+1) といった具合ですね。すると最終的に、 z=(pz+q)/(rz+s) となるのですが、ここで分母が、 rz+s=(u+v√D)/2, uとvは整数 とかけ、u^2−Dv^2=±4となります。−4になってしまったときは、 u’=(u^2+Dv^2)/2, v’=uv とすればu’^2−Dv’^2=4となってくれます。この2つも整数です。 最後に、aが偶数、a=2cのときは、 (x−cy)^2−(D/4)y^2=1 となり、D/4=D’として、 u^2−D’v^2=1 の自然数解を探すことになります。この場合は、m<√D’<m+1という整数mをとってz=m+√D’とし、さっきと同じ操作により表示z=(pz+q)/(rz+s)を得ます。ここで、rz+s=u+v√D’というu及びvをとると、u^2−D’v^2が−1か1になります。−1のときは、 u’=u^2+D’v^2, v’=2uv と取り直します。こんな感じですね。
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No.5942 - 2011/01/21(Fri) 15:20:02 |
| ☆ Re: / kl ♀ [地球外] [高校2年生] | | | | わざわざ調べていただいてありがとうございました。 大変参考になりました。
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No.5946 - 2011/01/24(Mon) 14:22:48 |
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