| あの、数学Aの問題なのですが、1から100までの100個の自然数の積N=1*2*3*・・・*100について次の問いに答えよ。 (1)Nを素因数分解したとき、素因数5の個数をもとめよ。 (2)Nを計算すると、末尾には、0が連続して何個並ぶか。 10=2*5をつかうとおもうのですが、よくわかりません。 (1)、(2)の詳しい解説をお願いします。
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No.8813 - 2013/03/28(Thu) 20:50:44
| ☆ Re: / 朱雀 ♂ [大学生] | | | | 若干,同じ質問を引っ張りすぎた感がありますが,数え方がわからないということは,Nの素因数分解の仕方がわからないということとほぼ同じなので(やり方が分かれば無理やりにでも数えられますので),素因数分解の仕方に関する例題を出題しました.
さて,
>(2^4*3^2*5)/(2^3*3*5)=6
は計算はあっていますが,掛け算を計算せずに約分だけをしていくと
2*3
が残りますよね. 120→720のときに,何が掛かっていますかと言われれば720/120=6です(これは720=1*2*3*4*5*6,120=1*2*3*4*5から明らか).それぞれ素因数分解した結果を比べると取ると(2^4*3^2*5)/(2^3*3*5)=2*3が掛かっていることになります.
つまり,6を掛けることは,素因数分解した時に現れる2と3が1個ずつ増えることを意味します.これは6の素因数分解が2*3であるからにほかなりません.
つまり,一般に
『l,m,nを自然数として,l=m*nの時,lを素因数分解した結果はm,nをそれぞれ素因数分解した結果の積に等しい』ということですね.
これは更に一般的に
『l,n_1,n_2,n_3,…,n_Nを自然数として,l=n_1 * n_2 * … * n_Nの時,lを素因数分解した結果はn_1,n_2,…,n_Nを素因数分解した結果に等しい』とできます.
具体例がわかりやすいので挙げると
4000=4*10*100
ですが,4,10,100の素因数分解がそれぞれ
4=2^2,10=2*5,100=2^2*5^2
なのでこれらの積は2^5*5^3となりますが,4000を素因数分解すると確かに2^5*5^3となり一致します.このことは次のようにするとわかりやすいでしょう.
4000=4*10*100=(2*2)*(2*5)*(10*10)=2*2*2*5*(2*5)*(2*5)=2*2*2*5*2*5*2*5=2^5*5^3
掛け算の交換法則,結合法則により,上のような計算ができるので『 』内の事実が言えるのです.
では,『 』内の事実を確認した上で,本題に入りましょう.
N=1*2*3*…*100
を素因数分解するには2,3,4,5,…,100をそれぞれ素因数分解した結果を掛け合わせれば良いのでした.問題の(1)は,Nの素因数分解に現れる5の個数は?ですから,言い換えると
2,3,4,5,…,100をそれぞれ素因数分解した時に5は合計で何回現れるか?
ということです.2=2,3=3,4=2^2,5=5,6=2*3,と順番に素因数分解していくと,そこには5が現れたり,現れなかったりしますが,
問題(f) 5が1回だけ現れる数字を全部あげてください. 問題(g) 5が2回だけ現れる数字を全部あげてください.
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No.8829 - 2013/03/31(Sun) 02:10:04 |
| ☆ Re: / 朱雀 ♂ [大学生] | | | | そうですね.その結果からNを素因数分解した時に現れる5の個数を求めてみてください.それが(1)の答えになります.
しかし,素因数分解した時に5が現れる数はNo.8830で挙げて頂いた通りわずか20個で,しかも5が1回または2回の場合しかありませんでしたが,2が現れる数にもなると50個にもなり,しかも64=2^6に至っては2が6回も現れるので分類は大変ですが,頑張って挙げてみると次のようになります.
2が1回だけ現れるのは 2,6,10,14,18,22,26,30,34,38,42,46,50,54,58,62,66,70,74,78,82,86,90,94,98の25個 2が2回だけ現れるのは 4,12,20,28,36,44,52,60,68,76,84,92,100の13個 2が3回だけ現れるのは 8,24,40,56,72,88の6個 2が4回だけ現れるのは 16,48,80の3個 2が5回だけ現れるのは 32,96の2個 2が6回だけ現れるのは 64の1個
ここからNを素因数分解した時に現れる2の個数を求めることができますが,まずはこのような表を作ること自体が大変です.では,この表を作らずに個数を求めるにはどうしたらいいでしょうか.
まず,1〜100までの数字を紙に縦一列に書いてみてください(ちょっと多くて大変なので,2,4,6,…,100のように偶数だけを縦一列に並べても結構です).で,各数字の横に,素因数分解した時に現れる2の個数分だけ○印を書いていってください(等間隔で).
最初の方は次のようになるはずです.
1 2 ○ 3 4 ○○ 5 6 ○ 7 8 ○○○ 9
ここに現れる○の数の合計がN=1*2*3*…*100を素因数分解した時に現れる2の個数であるというのは理解できますか?
この○印を数えるのに,2のところに1個,4のところに2個,6のところに1個,8のところに3個,…,100のところに2個あるから,合計で1+2+1+3+…+2個だ,と計算してもいいですが,もっと簡単な方法があります.
とにかく表を書いてみて,○印をつけて行ってみてください.そしてそれを見て,どういう風に数えれば楽か,を考えてみてください.この考え方はこの手の問題で重要になります.
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No.8831 - 2013/03/31(Sun) 12:25:51 |
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