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創造の時代 / たっちゃん
板倉さんの『模倣の時代』は、「脚気」という大変恐ろしい病気の治療・研究の歴史をまとめた大著です(上・下巻で計1000ページを超えます。1988年、仮説社)。
すでに明治の中頃までに、脚気には「麦飯が効く」ということが明らかになっていたのに、東大医学部の医学者や陸軍軍医本部の医者(その中心の一人が森鴎外)たちは、頑としてこれを認めず、「麦飯」派の人たちを弾圧しました。そのせいで脚気病を患ってとても多くの人たちが亡くなりました。

彼らはとても権威的で、ドイツ医学にないものを認めようとしませんでした。そもそも米食の習慣のない西欧にはない病気でしたから、模倣すべきものがなく、創造的に考えていくほかなかったのにです。
なぜ麦飯が効くのか? その学理まではわからなくても、現場での麦飯の実施は見事な成功をおさめていたのですから、その実験結果を大切にしていくというのが当たり前の態度のように思えますが・・・
でも、「学校秀才」のエリートたちには、それができないようです。
彼らは、模倣すべきものが与えられたときはそれを効率的に吸収することができる人たちで、模倣は得意ですが、「創造」はダメなようです。

時代の変わり目には、誰が活躍するかわかりません。
みんなが同じ方向を進むのではなく、いろんな人たちがいろんな方向に進んで、そのなかで成果をあげた人たちから互いに学びあう、そういうことが大切だと思います。
そういう時代に私たちは生きているんだと思います。

ゆみこさんの書き込みを見て、僕のおさらいです。

No.70 - 2008/02/29(Fri) 16:38:03
模倣の時代 / ゆみこ
こんばんは。「模倣の時代」を、今日やっと読み終わりました。
昨年12月中旬に読み始めたので、2ヶ月以上かかってしまいました。図書館で上下巻でのべ3回くらい借り直しました。年末年始や書庫整理で図書館のお休みが多かったので、その分長く借りられて助かりました・・・。
 エリートたち、素晴らしい業績を上げた人たちでも、「わからずや」になっちゃうんですね。それって何なんでしょうね?人間は「全部」はできない・・ということでしょうか。
 読んでいてとてもおもしろい本でした。少しずつだったけど、私の生活の楽しみとしてしっかり定着してしまい、今夜からあの本がないんだ・・・と思うと寂しい限りです。
 事実や資料のみをもとにして書き進める手法は塩野七生さんの「ローマ人の物語」に共通するものを感じ、私はどちらも大好き。
まさに事実は小説よりもオモシロイッ!です。

No.69 - 2008/02/28(Thu) 22:36:10
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