★ 心臓バクバクの出来事 / タロスケ
二日目に「さしきの湯」へ行った帰りの窓から見える沖縄のおじさんにドキドキしすぎて、三日目は”おじさんウォッチング”の日と決めたわけですが、この日はちょうど日曜日、観光地よりも、住宅街の真ん中のショッピングタウンへ行ったほうが、地元の毛深いおじさんに出会えそうな気がして、モノレール小録駅を降りました。
とりあえず遅い朝食(時間的には昼の12時を過ぎてたので完全に昼食)を例の和食バイキング店で取りました。
ショッピングタウン内の売り場でも駐車場でも、そこそこ素敵なおじさんは見かけたのだけど、どの人も決定打に欠け、素敵なタクシー運転手さんがいないか、モノレール駅への通路からタクシーロータリーを見ていました。
どれくらい時間がたったでしょうか、向いのダイコクドラッグの前をショッピング袋をぶら下げた50過ぎのおじさんが横切るのが見えました。
60メートルから100メートルくらいの距離があるのに、短パンの脚は青黒い光を放つほどに毛深く、ちょっとパンチパーマっぽいようなオールバックの固太りのおじさんです。 そして、なんということか、そのお顔に見覚えがあったのです。
それは僕が12年前に勤めてたタクシー会社の運転手「Sさん」でした(僕は運転手ではなく、内勤でした)。
Sさんとはそれほど親しかったわけではないけど、いつも何かの機会に親しくなれるチャンスをうかがってたのです。 結局、そんなチャンスもなく、Sさんとは接点がないまま僕が会社を辞めることになったので、強い思いが残っまま、心の奥底にしまいこんでいたのです。
Sさんは沖縄出身で、脛毛の濃い人が多い沖縄の人の中でも滅多にいないくらいの超・天然記念物級の立派な脛毛の人でした(胸毛より、腕や脚の毛が濃いタイプ)。 Sさんのステテコ姿は一度だけ見たことがあったのです(それと浴衣姿の宴会の写真を見たことがありました) あの顔、あの立派な脛毛、絶対にSさんに違いないと思いました。
Sさんは沖縄の人としては色白(だからなおのこと毛深いのが目立つ)で、目が細く男っぽい風貌・・・・女性からのご指名の多いモテる人でした。 また本人も女好きで、モテすぎるので恐妻家の面もありました。
まさか沖縄に帰ってたなんて・・・・それも一人で買い物袋さげてるってことは・・・・
当時は仲良くなれなかったけど、こんな意外なところで再会できたとなると、懐かしさで昔話に花が咲くかもしれない・・・・ いろんな思いが交錯し、通路からエレベーターを降りて、Sさんを追いかけました。
しかし・・・・僕がダイコクドラッグの前まで来た時には、Sさんは横の公園の中を通りすぎ、右へ行ったか、左へ行ったか、その後姿を見失ってしまったのです。
今、この書き込みしている現在、Sさんだと思った人は、単に似た人で、別人ではなかったかと思っています。
そんなに近くで見て確認したわけじゃないし、沖縄ならSさんに似た人がいてもおかしくないからです。
遠い昔に置き忘れた思いが、たまたま容貌の似た人に重なってしまったことで、幻を見てしまったのでしょう。
まさに白昼夢です。でも、もうちょっと長く夢から醒めたくなかった。
冷静に考えれば、年齢が微妙にちがいます。 Sさんは今なら60前のはずだけど、あのダイコクドラッグの前を歩いてたおじさんは50を過ぎたか過ぎないかくらいの感じでした。
今もまだ心の動揺が続いてて、心の整理がついていない状態です。
心臓がバクバクした出来事とは、そういうことだったのです。
なお、画像はSさんとは全然関係ない沖縄のタクシー運転手さんです。 この運転手さんには那覇のハローワークまで送ってもらいました(就職を探すおじさんにいいアルバイトだと言ってモデルを頼もうなんんて大胆な事を考えてたんですが、結局、ハローワークにはそんないい男もいなかったし、いたとしても声をかける勇気なかったかもしれません)
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No.104 - 2007/04/03(Tue) 21:05:29