7月12日火曜日、「映画秘宝」別冊として、「モスラ大全」が発売されます。 ゴジラ生誕50周年がついこないだだと思ったのに、もうモスラも50周年なのですね、時の経つのが早いです。 http://www.yosensha.co.jp/book/b92574.html また、東京近辺の方に朗! 銀座シネパトスにおいてモスラの誕生日、7月30日に、「モスラ」「南海の大決闘」「モスラ(平成)」の上映と、小泉博さん、川北紘一監督他、豪華ゲストを招いてのトークショーが行われます。 ”歴史の証人”の声を聴くことの価値がどれほど心震えることか、地方に住んでることがまたくやしく思えます。 行ける人は絶対に多少無理してでも行ってくださいね、でなければ怪獣映画ファンだとは言わせません(ウソです)。 http://cast-web.net/cinepatos_mothra_info.htm 今回は中村真一郎・福永武彦・堀田善衛原作原作「発光妖精とモスラ」のなかにある「インファント島の伝説」をかいつまんで紹介します。 この世の中がまだ混沌としていたころ、夜を支配していた男神アジマは退屈に耐えられなくなり、自分の体を縦に引き裂き、女神アジゴを創った(つまり右半分は自分自身として再生、左半分で分身としての女神を創ったわけ)。 女神アジゴは昼の世界を創り、様々な草や木や鳥や獣を創ったら、男神アジマも星や月を夜空に創って、それに対抗した。 しかし二人とも創造の仕事に疲れたので、やがて一緒に寝た。(この部分は原文まま) やがて生まれたのは巨大な卵だった。 この卵は二人の間から生まれたもので、夜と昼の両方の特徴を持ち、太陽のように、また月のように光ったが、いつまでたっても孵らなかった。 次にアジマとアジゴの間から、男女二人の人間が生まれた。 人間は彼ら自身の力で、次第に数を増やしてゆき、やがて島に溢れた。 次に男神と女神の間から、今度は無数のごく小さな卵が生まれた。 その卵もまた夜には星のように光った。 その卵は孵化し、幼虫になり、サナギになり、無数の蛾となって飛び去った。 男神アジマは、この無数の卵を生んだことを女神の失敗だと決めつけ、はなはだ怒った。 彼は人間にも鳥や獣や魚にもひとしく死を送り、その半ばを殺した。 その上アジマは、怒りのあまり、自分の体を縦に四つに引き裂いた。 島は鳴動して崩れおちた。身体の四つの部分は、それぞれ暁の星、宵の星、北の星、南の星へと飛び去った。 女神アジゴは嘆き悲しみ、永遠の卵、モスラの前に自分の体を生贄として捧げ、その前で体を縦に四つに裂いて死んだ。 しかし、その四つの部分からアジゴをごく小さくした、人間の背丈の半分ほどもない四人の若い女が生まれた。 彼女たちは夜でも身体じゅうが光り輝いた。 彼女たちはアイレナと呼ばれ、永遠の卵モスラに仕える巫女として、永遠の命を持っていた。 彼女たちは、以前生まれた無数の小さな卵が幼虫になって繭をつくる時の、その糸を取って織物を織った。 女神アジゴは死ぬ前に予言をした。 「アイレナはモスラに仕え、モスラは必ず島を守る」・・・・・ 以上が、原作の中でのみ語られるインファント島神話ですが、実際の映画と違うのはもうみなさん、お気づきのとおり。 妖精は、4人の「アイレナ」ではなく、双子の「小美人」で、発光はしませんし、大きさも人間の半分にも満たないどころか五分の一程度の約30センチです。 添付画像は、原作小説が掲載された週刊朝日の挿絵で阿部和助画伯によるものです。神殿の上に卵が祀られてる点に注目。女性はアイレナのひとりでしょうか? |