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WACHI’S BBS

(No Subject) / 三上幸四郎 [ Mail ]
ご無沙汰しています。三上です。
「希望1972」、読了しました。
発売3日後に買ったんですが、なかなか読めずにいて
今日になってしまいました。
細かい感想は他の人がたくさん書かれていて、重複す
るので省略しますが、とにかく楽しませてもらいました。1973にも期待しています。
それでは。

No.186 - 2003/07/03(Thu) 08:41:01

Re: (No Subject) / 和智正喜 [ Mail ]
三上くん、いつもいつもすいません。
忙しいのはなによりです。
それから、なんかカラオケ、いつまで経っても行けませんけど、カンベンしてね。こんどこそ、矢島のおじさんを誘っていきましょう。

No.187 - 2003/07/03(Thu) 18:23:38
五感を刺激 / BE MY BABY
和智様
★ワタシは大畑さんの同業者ではありません.彼が実写の「Vモンスター」という映画を撮ったときに,ある人の紹介で知り合ったのですが,そこで意気投合して,以来親しくさせていただいてます.ワタシの職業?それはおいおい・・・ってことで.
★先日の感想で書き忘れたことがあります.和智さんの「仮面ライダー」は,読者の五感を刺激する,ということです.視覚や聴覚はもちろん,嗅覚や味覚(?)まで.だから本郷猛や〈仮面ライダー〉に素直に感情移入できるんですね.
★70年代の匂いも濃密.梶原一騎・真樹日佐夫兄弟を描いた「すてごろ」という映画を見ましたが,本物のニュース映像を多く挿入しているわりには70年代のテイストは希薄でした.(アニメ「クレヨンしんちゃん劇場版・嵐を呼ぶモーレツ大人帝国の逆襲」のほうがよっぽど70年代感覚にあふれてましたね)

No.171 - 2003/06/22(Sun) 00:49:47

Re: 五感を刺激 / 和智正喜 [ Mail ]
こんにちは。
あー、いろいろ了解です。大畑さんによろしくお伝えください。

五感云々の件については、お褒め頂いた後にすごく興ざめなネタバレになると思うんですが……
ライダーの戦いって、基本的には殴る・蹴る・つかむ・潰すといった肉弾戦で、正直、それだと間が持たないんですよね。かといって、格闘技的なディティールの入れ方も似合わないだろうし。尚かつ、改造人間同士の戦いとして興味深くやれるとしたら、なんだろう……ということで、必然的に「感覚」という要素を拡大したんだろう、と思います。思いますって、自分で書いたものなんですが、意外と最初の着想については忘れてしまうもので……

それから「すてごろ」って、哀川翔・奥田瑛二のヤツですか? もう公開してたんですね。

No.172 - 2003/06/22(Sun) 09:05:01

Re: 五感を刺激 / 和智正喜 [ Mail ]
追加です。
感覚の件については、一巻目を書くときに、ライダーの戦いのモチーフとして、「風」を活かそうとしたことも、ひとつの要因だと思います。
意外と誰にも怒られないので、僕自身も忘れかけてますけど、皆さんご存じの通り、旧一号の最大のアイデンティティである「風力エネルギー」という設定を、小説版では変更しています。これはまぁ、ぶっちゃけリアリティレベルの話なんですが、ただ、僕自身、ライダー=風のヒーローという認識があるので、そのうえで「風」を描こうと。風って、「見えない力」の象徴だと思うので、こー、なんて言ったらいいんでしょう、そうした部分からも「五感」を強調する体勢になったのかもしれません。

それからこれも、余計なネタバレなんですが、↑みたいなことを強調(ちょっとわかりやす過ぎですが)するために、一巻目の「1971」では、ライダー=本郷が出てくると、風が吹いて、蟷螂男なんかの活躍シーンだと「風が止まって、空気が淀む」というような色分けになっていたりします。

No.173 - 2003/06/22(Sun) 09:11:10

Re: 五感を刺激 / BE MY BABY
★「すてごろ」は既に公開されています.初日に見に行っ てしまいました.
★「風」ですか,なるほどね.いえいえ,全然興ざめして ません,ご安心下さい.それどころか,ますます興味が わいてきました.2度目に読み直すとき,「風」を意識
 してみます.

No.181 - 2003/06/23(Mon) 23:13:03

Re: 五感を刺激 / 和智正喜 [ Mail ]
話が「ライダー」から逸れちゃいますけど、「新空手バカ一代」なんてものも公開されるみたいですね。作品の復刊に合わせて、去年くらいから梶原一騎ブーム、来てるんですかね。
No.183 - 2003/06/24(Tue) 19:23:32

梶原ブーム? / BE MY BABY
★最近,梶原一騎にはまっています.
 彼の著作はもちろん,いろいろな人が書いた梶原本もけ っこう読みました.河崎実氏の「巨人の星の謎」「タイ ガーマスクに土下座しろ!」や堀井憲一郎氏の「巨人の 星に大切なことは全部人生から学んだ.あ,逆だ」(な んて長いタイトル!)など.知り合いの劇団では今秋  「愛と誠」を上演するとか.

No.185 - 2003/06/24(Tue) 22:44:52
お初です。 / W-yas♪ [ Home ] [ Mail ]
和智先生、初めまして。
とは言っても、以前メールでは感想を書かせて頂いたW-yas♪と言う物です。
和智先生の小説版「仮面ライダー」は、オリジナルの設定やストーリーでありながらも、70年代当時にリアルタイムで「ぼくらマガジン」や「旧1号編」を観ていた時の“感覚”が甦ってくると言った内容の感想を書かせて頂きました(憶えておいででしょうか?)

今回は、じっくり時間をかけて2度目を読み終えた後、新たに感じた事を幾つか書かせて頂こうかと思います。
何よりも先ず「大使」と「立花藤兵衛」がサイコーに良いです。
なんか、読みながら潮健児さんと小林昭二さんの顔と声が頭の中で映像として浮かんでくる気がして・・・
お二方とも既に故人だから余計にそう思うのかも知れませんが、少なくともこの小説の中では2人ともまだまだ元気で生きてる、そんな気がします。
「1973」では是非本郷と藤兵衛に「おやっさん!」「猛!」って呼び合って欲しいな。(^^)

後、特に「1972」の方で強く感じたのは、此処に描かれる「本郷猛」って、どこか藤岡弘氏自身に対するオマージュ、エールって物がないでしょうか?
例えば、TVや原作より若干やさぐれてるイメージは藤岡氏が「白い牙」で演じた有光洋介を匂わせるし(まあ、有光自体が本郷がグレた様なイメージなんだが)本郷が街中でショッカーの驚異を道ゆく人々にぶちまけくなる辺りは、映画版の「日本沈没」で同様のシーンがあった事を思い出したのですが、これは考え過ぎでしょうか?
後、蟹=蝙蝠複合体に“足”をやられた本郷が穴の底から這い上がってくるって、もしかして(ある意味この小説が生まれる切っ掛けとも言える)“あの事故”から見事復活した藤岡氏へのエールなんじゃないか・・・やっぱ、“大外れ”な感想でしょうね(^^;

なんか、下らない事をグダグダ書いてしまってすいませんでした。
私なりの別の視点からの感想って事で、どうかお許しを・・・

P・S、まさか「仮面サンダー」だったとは!(笑)

No.175 - 2003/06/23(Mon) 00:14:14

Re: お初です。 / 雀
横から失礼します。雀と申します。
仮面サンダー!渋すぎ!!
すっかり記憶の彼方に消えてました。
そういや、あったあった!怪しげなプラモが。
WEBで検索したら箱絵がヒットしました。
そうか、サンダーと戦ってたのか…。
やっぱりあとがきは必要ですよ。
驚愕のネタばれ、ありがとうございます。

No.176 - 2003/06/23(Mon) 00:30:36

Re: お初です。 / 和智正喜 [ Mail ]
> W-yas♪さん、雀さん……「仮面サンダー」ファンのみなさん、こんにちは。

まだ、あれが「仮面サンダー」だなんて、一言も書いてないのに……(笑) まぁ、書くかどうしようか迷って、別に書いたからって誰に怒られるわけでもないし、ていうか、もう書いちゃったし……
「仮面サンダー」については、次回の「あとがき」でちゃんと詳しく触れます。小説を書いているときに聞いた、「サンダー」誕生の意外な秘密も明らかに……?

> W-yas♪さん
 えー、これもネタバレというか舞台裏の話なんですけど、今回の話に関しては「白い牙」の影響は、かなり、大です。
どうしてかというと、プロット作ってるときにCSでずっと見てたから……(笑)。あれは普通、誰もが見ても仮面ライダーのもうひとつの続編だって思いますよね。ちなみに去年の秋、藤岡さんにお会いしたときに「白い牙」のことをお話ししたら、ご本人もかなり好きな作品ということで、そんなことがあって、余計に頭に残っていたかもしれないです。
 ちなみに「日本沈没」と足の怪我のことは……すいません、言われて、今、気がつきました。これからそれを公式設定にします。

No.180 - 2003/06/23(Mon) 03:40:43

恐縮です / W-yas♪ [ Home ] [ Mail ]
>これからそれを公式設定にします。
こんな戯れ言をそんな風に言って頂いて凄く恐縮です

やはり、有光洋介のテイストを感じたのは間違いではなかったのですね。
すると、今後は段々と桜井刑事化してゆくのか?
ハ!もしかして最終的には“せがた三四郎”になるのか?(笑)

・・・・フザけてスンマセン(^^;

No.182 - 2003/06/23(Mon) 23:31:37

Re: お初です。 / 和智正喜 [ Mail ]
僕の中の「本郷」像って、98%くらいは、あのパーマというか癖っ毛なんですよね。というわけで、ソフトパンチになってしまった特捜以降には行かないということで……(笑)
No.184 - 2003/06/24(Tue) 19:25:34
1972、ちょこっと感想 / エリーゼ
本の方のあとがきを読んで、「和智先生のところにも神様がきたってことなんだな〜」と感動(映画の話)。
70年代、それより前からきた「負の遺産」のようなものが、まさに今、次々と露呈して私たちに重くのしかかってきていることを思うと、この『小説版仮面ライダー』も、まさに今こそ必要とされたものなんだな〜って痛感しました。小さいけれど強い光ってやつを(←ちょっと誰かの口ぐせっぽい?)ありがとう!これからも、私たちに希望を与え続けて下さい。

No.177 - 2003/06/23(Mon) 02:08:26

Re: 1972、ちょこっと感想 / 和智正喜 [ Mail ]
あ、とうとう読了されたのですね。
で。
いや、やっぱりアレは偶然ということではないかと……(笑)
でもまぁ、ちょっとした「不思議なこと」がないと、小説書いてても、つまらないですよね。

No.179 - 2003/06/23(Mon) 03:33:37
はじめまして / dragonfly
はじめて書き込みいたします。
1971の時には気付かなかったのですが、今回奥付を見ていて「あっユーリとカラーズの人なんだ」と感慨が湧いてきたもので(笑)好きだったんですよ。
1972はまだ読んでいる最中なのですが、料亭のシーンでの本郷を除く二人のやり取りには参りました(笑)彼らに限らず、ショッカー側の人物の掘り下げが読み処の一つではないかと思います。
ただ、今回第2章の最後、本郷のルリ子に対する科白は「谷仮面」に先取りされてしまっていたことが惜しまれます。向こうがギャグマンガなものだから連想してしまって…折角のシーンが台無し(苦笑)
個人的には「カラーズ」のようなテイストのものをまた書いていただきたいのですが、如何でしょうか?

No.174 - 2003/06/22(Sun) 20:01:02

Re: はじめまして / 和智正喜 [ Mail ]
dragonflyさん、こんにちは。
……うーん、気がつくのがちょっと遅いですけど、「カラーズ」に免じて許してあげましょう(笑)
「カラーズ」……うーん。どうなんでしょう? 今でも書けるんでしょうか? ……って、誰に聞いているんだろう。
「カラーズ」って、今、振り返ってみると、「1971」「1972」と比べると、ずっと普通にヒーローものしてますよね。ゲーム雑誌掲載、月刊連載ということで、かなり意識してたのかもしれません。初めての連載小説だったので、締切に追われながら(月一のペースって、すぐ次の締切がくるんですよ)とにかく夢中で書いていた記憶があります。そういえば、dragonflyさんの好きな「カラーズ」のテイストって、バトルの部分なのか、それとも、千夏とサインの繋がりとか、どっちの方なんでしょう?

「1972」読了されましたら、また感想をお聞かせください。

No.178 - 2003/06/23(Mon) 03:31:36
読み終えました. / BE MY BABY
★「希望1972」読み終えました.
早く先を読みたい,と一気に読んでしまう本もあるのですが,この本は,読み終えるのがもったいない,という気分でじっくり味わいながら読みました.やはり最高でした.
★和智さんの描く「仮面ライダー」で一番嬉しいのは,本郷猛が変身する過程や変身後の心理や,生理的な感覚が細かく描写されていることです.あの複眼からはこんなふうに見えているのか,とか,こんなふうに痛みを感じるのか,とか,マスクの肌触りさえ伝わってくるのです.
昔,平井和正・桑田次郎の「8マン」を読んでいて,東八郎がサチ子の手料理を食べるエピソードが強烈に印象に残ったことを思い出しました.彼はスーパーロボットなので,料理の味はわかりません.でも料理を口に運びながら「おいしい」と言ってサチ子を喜ばせます.あとで一人になってから,胸のカバーを開け,ビニール袋(だと思います)に入った料理を捨てる時の表情の悲しさ.読んだときは小学生でしたが,もし自分がロボットだったら,どんな感覚なんだろう?と必死で想像したのを覚えています.それ以来,あのマンガを読むときは必ず,鋼鉄の体をもつ8マンの感覚を想像し,感情移入して読むようになりました.
この本を読んでいると,あの時と同じ様に,本郷猛の感覚を想像しながら読んでいる自分に気づきます.〈仮面ライダー)以外に〈G素体〉や〈モスキート〉についても.
★あと,「人情」という言葉に対して「長谷川伸」の名が出るとは思いませんでした.若い読者は知らんだろうな,この作家.この人の股旅モノの芝居,好きです.
★この本を読んでいる途中で,イラストの大畑さんに会う機会がありました.サインをお願いしたら,まるで子供がラクガキをするような気軽さで,サラサラと仮面ライダーの横顔を描いてくださいました.黒マジック1本で,こんなにかっこいいライダーが描けるとは!和智さんの文章と大畑さんの画の相乗効果でこの小説はできているんですね.
★今度,「誕生1971」からもう一度読みなおしてみます.

No.169 - 2003/06/19(Thu) 23:29:07

Re: 読み終えました. / 和智正喜 [ Mail ]
BE MY BABYさん、こんにちは。
ご感想ありがとうございます。


> ★和智さんの描く「仮面ライダー」で一番嬉しいのは,本郷猛が変身する過程や変身後の心理や,生理的な感覚が細かく描写されていることです.あの複眼からはこんなふうに見えているのか,とか,こんなふうに痛みを感じるのか,とか,マスクの肌触りさえ伝わってくるのです.
あー、これは本当に本当に嬉しい褒め言葉です。ここだけの話ですけどね……僕、かなりのダメ人間なのか、正直、そういうところにしか本当は興味がないのかもしれません。……てなことを言うと怒られちゃうかもしれないので若干フォローすると、改造人間にされて、超人となったことの不幸を象徴するために、今回は「耳」にちょっと焦点を絞ってみました。いろんなことが聞こえて便利、というのと同時に、聞きたくないことも聞こえてしまう悲しさ、悔しさということですね。あと、今回から、変身(というか戦闘モードに移行)した後は時間感覚が狂うという設定を出しまして、うまくいっているかどうかは、読者の皆さんのご判断次第なんですが、僕としてはかなり気に入ってます。一巻目の時に思いついていれば、あーもできたこーもできた、とちょっと後悔しているんですが。

> ★あと,「人情」という言葉に対して「長谷川伸」の名が出るとは思いませんでした.若い読者は知らんだろうな,この作家.この人の股旅モノの芝居,好きです.

あー、長谷川伸の名前が出てきたのは僕も驚きましたよ(笑)。一巻目の時も同じような仕掛けで「日活ロマンポルノ」って書いたんですが、全然反応がありませんでした……

あと、失礼ですが、大畑さんと同業の方……だったのでしょうか? アニメ……って書こうとして、最近は大畑さん、ゲームの仕事も多いからなぁ。話が少し逸れますけど、二年くらい前になっちゃいますかね。ゲームアーツというソフトハウスの「グランディア エクストリーム」とRPGのシナリオを、手伝いの手伝いくらいで、ちょっとだけやったんですが、そのオープニングムービーを大畑さんが演出したりしてます。完全に偶然というか、ゲームが出てから知ったんですけどね。
大畑さんはすっごくライダーの絵、うまいんですよ。プロだから上手なのは当然かもしれないんでけど、打ち合わせで構図の検討なんかでラフを書くとき、仰るように、ホントにサラサラと書いたのが、これ、メチャクチャ雰囲気出てて。

No.170 - 2003/06/20(Fri) 01:50:15
本郷猛の高潔なる魂!! / たかやん [ Mail ]
これは大人のための寓話でもなく、通勤電車の憩いでもない。高度成長の終焉の年に生まれた私にとって、完全なノンフィクションだ!

泣きましたよ、ええ、泣きましたとも。
オレの見たい仮面ライダー、オレの知ってる本郷猛、オレの生きてた日本!
どこで泣いたって、ネタバレだから書かないけど、2,3,4,5箇所。
さしあたり自宅に一冊、会社に一冊!
さぁ皆さん! 「1973」を待ちましょう!!

突然話かわりますけど、和智さん、「6天」ありがとうございました。
まだ発売されてませんけど、おかげさまで業界の常識破りな問題作(作ってる立場としては「意欲作」というべきか)に仕上がりました。
完パケしたらお送りします。
CMのつもりじゃなかったんですけど・・・。

No.167 - 2003/06/18(Wed) 21:02:40

Re: 本郷猛の高潔なる魂!! / 和智正喜 [ Mail ]
なんだ、誰かと思ったら……
「6天」というのは、僕がストーリー原案をお手伝いさせて頂いた「6月の天使」のことです。
7月に発売が延びちゃったんですよね……詳しいことは下のURLを。18禁ゲームなので、大人のみ閲覧すること。

http://www.lala-soft.com/

No.168 - 2003/06/19(Thu) 20:15:53
はじめまして. / BE MY BABY
大畑晃一さんのカバーイラストにひかれて思わず手にした「誕生1971」を読んで以来,早く続きを読みたいと切望していました.「希望1972」じっくり味わいながらゆっくり読んでいます.
実は「仮面ライダー」にはあまり詳しくないので,和智さんの作品が,私と仮面ライダーとの出会いと言っていいと思います.シアワセな出会いをありがとうございます.
あと,70年代の日本の空気を思い出させてくれる作品であることも嬉しいです.あさま山荘事件,教室のテレビで見てました.授業つぶして.
読み終えたらまた書き込みます.
今後ともよろしくお願いします.

No.164 - 2003/06/17(Tue) 22:10:38

Re: はじめまして. / 和智正喜 [ Mail ]
BE MY BABYさん、はじめまして。
大畑さんのイラスト、すごくかっこよいのですが、なかなか話題に上らず、(自分で描いたわけでもないのですが)なんか淋しい想いをしてました。気に入って頂いた方があらわれて、ほっとしています。
あさま山荘事件を学校のテレビで見ていたということは、だいたい同世代か少し上の方でしょうか。僕は当時、小学校三年生でした。例の突入の日、夕方、ひとりで(親が共働きだったので)ぼんやりテレビを眺めていた記憶はあります。
読み終えられたら、是非感想をお願いしますね。

No.166 - 2003/06/17(Tue) 22:56:31
『ネズラ』って / いなば
昔の大映の未完成怪獣映画『大群獣ネズラ』となんか関係あんの?
No.163 - 2003/06/17(Tue) 20:59:13

Re: 『ネズラ』って / 和智正喜 [ Mail ]
うーんとね、結論からいって「よくわからない」
最初はそうなのかとも思ったんだけど、それらしい表記もないし、内容もまるで別物だし(今回のヤツは群獣どころか、一匹しか出てこないし)。
詳しい方いたら、逆に教えてください。

No.165 - 2003/06/17(Tue) 22:27:33
あ! / ノブ
もう、今日でございました。
No.118 - 2003/05/28(Wed) 00:28:22

Re: あ! / 和智正喜
ノブさん、こんにちは。
ところで「希望1972」無事に買えました?
当然、僕の手元には届いているのですが、さっき仕事場の近くの本屋を二軒ばかり見てきたら、どちらにも売ってなくて……本当に発売されたのかしら?

No.119 - 2003/05/28(Wed) 17:27:22

ショッカー諜報部より入電 / ノブ [ Mail ]
昨日今日と、浅草橋の本屋さんでは入手出来ず。
先ほど電話で確認したら、秋葉原の『書泉ブックタワー』6F特撮関連書籍売り場には、本日入荷したとの事。

仕事帰りに寄ります〜

No.125 - 2003/05/29(Thu) 17:29:56

読了いたしました。 / ノブ
ええと、本自体は29日に入手して、次の日の朝には読了しておったのですが、DVDで、『素晴らしき哉、人生!』を探したり観たりしておりましたので、感想が遅くなってしまいました。
『素晴らしき哉、人生!』を観た理由?
やっぱりですね、劇中の本郷や、大使と可能な限り共感したいじゃないですか。(笑)

『素晴らしき哉〜』のジョージや、作品中の本郷猛程ではないにせよ、ちょいと凹んでいた時期を、ちょこっと前に過ごしてたり、そういった中途半端な気持ちを最近まで引き摺っていたりしていましたので、過剰に感情移入させられてしまいました。
本郷やジョージに己の身をなぞらえるのもアレですが、僕にとっては、『仮面ライダーvol.2 希望1972』が2級天使クラレンスです。

『友あるものは、敗残者ではない』
自分自身の視野が狭くなっているときに、心配してくれる友達や、大好きな作品のなかの台詞からもらった宝石のような言葉が、勇気や『希望』になるということが本当にあるのだと、あらためて思いました。
本郷が『彼女』の言葉によって、そしてその言葉を運んできた『あの人』の思いやりによって救われたように。
『友』から託された『想い』を、一度は捨ててしまったにもかかわらず、その『想い』を掬い上げてくれる『別の友』の存在があったことに気付いたように。

次巻、人々の『希望』となることを自分に課した本郷猛は、きっと獅子奮迅の活躍をすることでしょう。
楽しみです。

ありがとうございました。

そして、この作品を読まれた方にとって、『仮面ライダーvol.2 希望1972』が、その方にとっての『希望』と『翼』、そして『真紅のマフラー』となりますよう。

No.161 - 2003/06/12(Thu) 20:58:44

Re: あ! / 和智正喜 [ Mail ]
あー、レスが大変遅くなってしまいました、すいません。
ひょっとして今回の小説は、多少なりとも「素晴らしき哉、人生!」のDVDの売り上げに貢献しているのでしょうか?
ちなみに未見の方は、クラシック中のクラシックなので、大きなビデオ屋さんには大概置いてあると思うので、暇なときにでもどうでしょうか。ちょっと長い映画ですけどね。

とても丁寧な感想、ありがとうございます。
ムダに四十年近く生きていても、なんとなく学べるのは、人の気持ちを大きく動かしてくれるものは、意外に近くにごろんと転がっていることだったりする……のかな、などと思います。……って、あんまりらしくないことを書いてしまいそうなので、ここらへんで。

No.162 - 2003/06/14(Sat) 07:12:57
絶望と希望のある世界 / TOMCAT [ Mail ]
和智さん、こんばんわ。

前回は009さんへレスがしたかったので、趣旨に沿う内容だけにしましたが、
長く書いていいということでしたらいくらでも長々書きますよ(木亥火暴!!)。ま
あ、あそこでツリーを繋げるのも元発言に対して礼を欠くので、新規発言という
ことで。

私が他の方のコメント中にウルフガイの名前を発見してノコノコ出てきたのは、
今回読了して真っ先に考えたことが、和智さんの小説版ライダーとウルフガイと
の近縁性だったからなんですね。やはり他のヒトもそういうふうな感想を持つの
かと、ちょっと興味を覚えたもので。共通の友人の早見裕司さんからは、作家を
論じるのに他の作家を引き合いに出すなと言われてはいるんですが(笑)、まあ、
今回の感想のキモなんでご容赦ください。

ちなみに、今私の手許には、ハヤカワSF文庫版も詳伝社版も一冊もないので、完
全に記憶のみに頼ってこのコメントを書いています。記憶違い等があったら、ご
遠慮なく指摘してください。それと、私は基本的にものぐさなので、映像で観た
作品をさらにノベライズで読むと謂う手間を、今まであんまりかけたコトがない
ので、常識的な部分で思い違いもあるかもしれません。何だか留保ばかりで申し
訳ないですが、まあこの辺のところを少しお含み置きいただいて、至らぬところ
は笑ってご指摘いただければ幸いです。

さて、テレビシリーズと小説版の最も大きな違いは何かというと、私の見方では
ショッカーが今将に世界征服の壮途に乗り出した時制の物語と、ショッカーが人
類史全体に一体不可分に絡み合っている世界の物語との違いだと思います。人類
史のなかの新興勢力として世界を征服せんと蹶起した集団、それは疑いもなく革
命的異端者ですね。ところが、小説版ライダーでは、ショッカーは人類史の淵源
とともにこの世界にある、つまり世界そのものがショッカーを織り込んだものに
なっていて、そこでは寧ろ仮面ライダー=本郷猛こそが異端者である。

反体制的なテロリズムに対抗して人々の日常を守るために立ち上がるのがテレビ
シリーズのライダーとすれば、小説版の世界では、人々の日常の薄皮一枚裏側に
理不尽な暴力が満ち満ちており、それは歴史の始まりから延々と表舞台には現れ
ずに続いている「世界の在り方そのもの」であり、その世界の直中で絶望的な戦
いを繰り広げるのが、孤独な異端者であるライダーだということになっている。
ちょうどテレビシリーズとは逆の立ち位置になっているわけですね。

この、われわれの生きる現実世界を、権力の暴力が横行する絶望の巷であるとす
る認識が70年代的だと私は思うんです。フィリップ・K・ディックなんかもそう
ですが、70年代の認識としては、表舞台の裏側で権力側の無制限の暴力が横行し
ている、東西冷戦構造のなかで、個人の自由と権利は国家や社会の都合で常に理
不尽な暴力に晒されている、そう謂うものだったと思います。

時代的には謀略小説花盛りの頃で、CIAやFBI、KGBやらNATOやらMI-6やらの国家
組織が、人々の知らぬ日常の裏側で容易く人間を消したり脅迫によって操ったり
しているという物語が或る程度のリアリティを持っていた。国家システムは、国
民の自由と権利を守るものではなく、国益のために自国民を容赦なく弾圧する制
度的暴力装置と視られていた。

そうした時代に書かれたアダルト&ヤングのウルフガイの物語は、やはりそれら
の諜報機関やヤクザ組織やアヤシゲな秘密結社やらの暴力集団を敵役に、日常の
裏側の暴力を語り、作者自らが「人類ダメ小説」と名付ける作品世界を紡いでい
った。人間としての心性を持ち市井の人々を愛しながら、常に人間とは一定の距
離を置く大自然の精霊ウルフガイの視点を通して、国家的・組織的暴力の渦巻く
人類社会を弾劾し慷慨してみせるスタンスがシリーズを通じての主題だった。

ここで描かれているのも、やはり一種の「絶望」でしたね。その絶望からの転回
がアレだったというのは、今さらどうこう言っても始まらないことです(笑)。作
者の転向を以て私の平井和正時代は終わったわけですが、この読書体験を通じ、
当時中学生くらいだった私は、おもしろい「大人の小説」とはどんなものかとい
う感覚は掴みました。当時「ベクトル感覚」と謂う言葉で謂われた卓越したリー
ダビリティ、巻を措く能わざる「読ませる感覚」を知った、それだけで良い読書
体験だったと思います。

しかし、この種の「絶望」は、現代を舞台にした作品では、ちょっと再現しづら
い感覚ですね。もちろん、この廿一世紀にだって、理不尽な暴力は横溢していま
すし、あの時代からわれわれの人類社会が少しはマシになったかと謂えば、そん
なに大きくは変わっていないと思います。

ただ、この現在においてわれわれが「絶望」と謂うときに、「熱核兵器による人
類滅亡」だの「日常の裏面で人々を覆う権力の暴力」だの「極限状況における人
の心の醜さ、利己心」と謂うような、泥臭いシリアスさを具えた「絶望」ではな
いんじゃないでしょうか。

「理不尽な暴力」と今謂うときにわれわれが想起するのは、たとえばオウム真理
教事件だったり酒鬼薔薇事件だったり通り魔事件の頻発だったりするわけです。
たとえば「熱核兵器による脅威」と謂う場合に想起するのは、第三次世界大戦に
よる人類滅亡ではなく、近隣某国の頭のネジの弛んだヒトがついにキレる事態で
しょう(木亥火暴!!)。

この情報社会において、人々の生活の裏側で巨大な権力による権利侵害が日常的
に行われているとか、巨大な滅亡の危機に晒されていると信じているヒトは、現
代日本でほとんどいないんじゃないですかね。

それら現代の暴力に対する不安というのは、つまるところ「世の中にはオカシイ
ヒトもたくさんいるから怖い」という異端者への「警戒」であって、人類の本源
的な暴力性や邪悪さへの恐怖、自己嫌悪や絶望ではない。さらに、異端を一方的
に排除するのも良くないと謂う、戦後民主主義的な良識も定着している。何かを
一方的に邪悪視して、それを恐怖すると謂う構造ではないんですね。

今や人々は、巨大システムの無謬性なんかまったく信頼していないけれど、巨大
システムの本質的な邪悪さもまた信じていない。この今に「絶望」と口にすると
き、われわれが想起するのは、現実社会の本質的な欠落についてのそれではなく
もっと生活寄りの「絶望」、この現実の生きにくさや辛さに対する、非常に平準
化された「絶望」だと思うんですね。

たとえばそれは、「経済の先行き不透明感」とか、「環境の世紀に入って経済活
動が縮小に転じること」とか、まあ、概ね経済不安みたいなものと、生活不安で
すね。ウルフガイの書かれた時代とは違って、人々は、人間をそれほど良いもの
だと思っていない代わりに、それほど悪いものだとも思わなくなった。

だから、この現代の時制でショッカーを語るとしたら、当然それはオウム真理教
のような形の異端集団にならざるを得ないわけですし、そのような集団に孤独な
戦いを挑むヒーローは、つまるところ江川紹子さんの姿にまで矮小化してしまう
わけですね(木亥火暴!!)。

漸く「希望1972」の本題に戻りますが(木亥火暴!!)、希望は絶望を前提にしない
と語れないものです。「誕生1971」で描かれた架空の70年代が、将に70年代的な
絶望を内包した社会だったからこそ、希望の物語が実現した。しかし、2003年に
おける希望とは何でしょう、と問うたときに、多くの人々は「経済回復」を考え
るのではないですかね(木亥火暴!!)。

それはそれでシリアスな問題ではあるんです、経済不安によってどんどん死人が
出ているわけですし、凶悪事件多発の陰に経済不安があることは否めません。し
かし、そうした希望をもたらすことは、ヒーローが立ち向かうべき営為ではない
ですね。

この場合に謂うヒーローが為すべきことは、理不尽な暴力に晒される人々のため
に己が拳を揮うことです。そうしたヒーロー像、ライダー像を「現代劇」として
描く試みは、現時点ではクウガが終わらせてしまった。クウガは、ヒーローの暴
力放棄を描く力技のプロセスそのものだった。暴力を粉砕するために暴力を揮う
ことの矛盾を正面切って見据え、暴力の応酬の終焉を肯定的に宣言するための儀
式として、仮面ライダークウガというテレビシリーズがあった。

正直、和智さんが仮面ライダーの小説を書かれたと知ったときは、クウガが終わ
らせた仮面ライダーを超える方向性ではないだろうと思いました。70年代を舞台
にした小説だと聞いたときは、或る種マニアックな方向にニッチを見出すのかと
邪推もしました(笑)。

しかし、「誕生1971」で描かれた世界は、70年代を舞台にした「時代劇」でなく
ては描けないシリアスな絶望のある作品世界だと思いましたし、「希望1972」は
その絶望なくしては語れない希望の物語だと思いました。われわれは、世界を覆
う絶望やそこに光を灯す希望について、その実感は忘れてしまったけれど、それ
がもうすでに払拭されたとも感じていない。

実感を伴った絶望や希望が、今やすっかり手垢の附いた生活臭の漂うものに成り
下がってしまったために、絶望や希望についていつしか考えなくなっただけなの
だと思います。そうした絶望や希望を、それが確かに実感を伴って生きていた時
代を舞台にとって思い出させてくれる、そこが和智さんの小説の在り方なのだろ
うと思います。

大筋の話ばかりでしたが、まあ細かい話はそのうちに機会がありましたら。

No.155 - 2003/06/07(Sat) 18:13:37

Re: 絶望と希望のある世界 / 和智正喜 [ Mail ]
TOMCATさん、こんにちは。
さて、いったい僕はどうやってレスをつけたらいいのでしょう!! 自分で煽っておいてなんですが、こりゃ困りました。

「1971」のご感想をメールで頂いた時もやはり「ショッカー」のあり方については、ビビッドに反応しておられた記憶があるので、まずはそのあたりでしょうか。

70年代を舞台にしようと決めた後、次に頭を悩ませたのが「ショッカー」のあり方でした。
(ライダーについては逆にほとんど悩まなかったんですね。ショッカーのことを先に決めれば、それでほとんどの要素が規定されるので)
それこそ、「ショッカー」という……まぁ誤解を恐れずに言えば、当時の子供向けテレビドラマならではの「漫画的」な名前をそのまま使っていいのか? そのあたりがもうウーンウーンと唸っていたわけです。
(ちなみにこれは誤解のないように言っておきますが、「ショッカー」というネーミングセンスは当時としては革新的……とはいいませんが、スパイもののテレビドラマが溢れ、同時にスラッシュだの……あ、他に例が思い出せませんけど(笑)そうした架空の秘密結社がいっぱいいた当時としては、よくも悪くもそうセンスを外したものではなかったのです)

で、どうして「ショッカー」が今の形になったかというと、それはもうズバリ、ある程度のリアリティを持って物語を描く時に、「世界征服」というタームは使えないだろうと、その一点に尽きます。
比較的大人の視聴者をターゲットにした平成ライダーは当然として、基本は幼児向けの戦隊シリーズにしても、漠然とした世界征服を掲げた敵というのは、もう絶えて久しいわけですし。

じゃあどうするのかって話になった時に、そこはもう脅かしたものが勝ちなんで「ずばり、もうこの世界はショッカーに征服されている!」って、これは考えるとかそういうレベルではなく、一種の条件反射ですよね。
先にも書いたように、ショッカーが規定されることによって、本郷猛=仮面ライダーの立ち位置、ひいては物語全体のコンセプトは自動的に決定されました。これはもう作者といえども異議を唱えようがないわけです(笑)。

あと、もうひとつ付け加えるなら……
これはTOMCATさんも書いておられるように、70年代という大昔と比べると、現代の我々はよくも悪くも、たいがいのことが見えてしまっているわけです。学校の成績の善し悪し、要領の善し悪し、そして立場といった多少の差異はあるにしても、「みんな、だいたい同じ」と。
昔なら、たとえば「金持ち」「エリート」というだけで悪人の代名詞としてカンタンに名指しできた時代もあったわけですが(このあたりの価値観を頑なに守り続けて支持を得ている、脚本家の君塚良一さんなんて人もいますが、またこれは別の話として……)、今はそうもいかない。
だから、まぁ、〈大使〉とか美代子さんとかがウロチョロしているショッカーといのは、ずばりロマンチズムというか、センチメンタリズムですよね。たぶん、そんな時代はかつていちどもなかったと思うのですが(笑)、ショッカーのような組織があったはずの幻の時代への憧憬、なんでしょうかね。

No.158 - 2003/06/08(Sun) 04:11:10

ショッカーにこだわる理由 / TOMCAT [ Mail ]
和智さん、こんばんわ。

あんまり長く書くと前のスレが下がっちゃって、熱心な読者の方が続々書き込み
しておられる様子が見えにくくなりますので、「オレも、私も書き込んでみよう
かな」という気持ちになりにくいんではないかと危惧してるんですが(笑)。

まあ、他の読者の方には、私が長く書き込むと、儀礼上和智さんもまとまった量
のお返事を返してくれるということで、暫しご容赦をお願いします(笑)。

私がショッカーの在り方にこだわる理由というのは、やはり現在において仮面ラ
イダーを描こうとする場合に、リアリティ上のいちばんの難関になるのは、敵組
織の扱いだろうと思うからなんですね。

和智さんのお返事とは微妙にズレるかもしれませんが、私個人は、本郷猛があの
当時のままのキャラクターでこの現在に生きていても、そんなにおかしいとは思
わないんですね。まあ、おかしいかおかしくないかの問題であって、あのままの
本郷猛を今現在の時制で描くことが効果的かどうかは、もちろん別問題です。

しかし、あの当時のままのショッカーを今現在の時制で描くことは、おかしいと
かおかしくないという以前に不可能ですね。読者の皆さんに「変だと思うだろう
けど、お約束なんで黙っててね」というパロディ的な目配せでもしないと、あの
ままのショッカーは笑い事でしかない(笑)。

「1971」のときにメールで申し上げたとおり、中江慎二さんによる有名なナレー
ションで「ショッカーは世界征服を企む悪の秘密結社である」と明確に規定され
ているんですが、これはもう、今現在では徹頭徹尾死んでいるリアリティなんで
すね。それを、こともあろうに「70年代の時制のおけるショッカー」のまま小説
化するとなれば、どう料理してくれるのか、そこに興味が集中するわけです。

なので、「1971」のショッカーの扱いが、存続することそれ自体が目的化してい
るような旧く頽廃的な巨大組織とされていたことに感銘を受けたんです。新興勢
力というのは、いつでも純粋で合理的な目的意識を持っているものだと思うので
すが、旧くて巨大な組織は必ず頽廃しているものでしょう。

〈大佐〉や〈博士〉や〈大使〉が同格で好き勝手な振る舞いを許される体制、拠
点潰滅に繋がりかねない〈大佐〉の独断専行を彼が「ショッカーの誇りだから」
という理由で黙過する心性、コケットリーな行動原理でショッカーと本郷の間を
橋渡しする美代子の在り方。こうした属性を、「1972」ではズバリ「不合理」と
規定していますね。旧く、大きく、退屈な安定を得た組織の懐の深さと表現して
もいいです。

巨大組織が常に「不合理」であるというのは、直観的に諒解可能な真理だと思う
んですよ。テレビシリーズのショッカーが、建前的には「鉄の規律」で統べられ
た面一の組織ということになっていたのに対し、小説版のショッカーのような組
織が単純かつ合理的な組織であるはずがない。レゾンデートル自体が古色蒼然と
した古寂びたものに違いない。合目的的には最早存続の意味を喪っているのに、
存在することそれ自体が目的化したために不合理な形で世界を覆う強大な影。

前回のコメントでテレビシリーズのショッカーを「革命的異端者」と表現しまし
たが、伝奇的な出自を持つ小説版のショッカーは、年老いた人類史の陰画そのも
のという位置付けにある。ここでは、革命的異端者は仮面ライダー=本郷猛のほ
うなんですね。

小説版のショッカーと危うい均衡関係を保っているアンチ・ショッカー同盟もま
た、後れて生まれたショッカーの双生児に過ぎず、単独組織としては年古り過ぎ
たショッカーを前提とした社会が自壊しないよう、寧ろ「下支えするために」こ
の世に在る。だから、アンチ・ショッカー同盟の幹部が田中二郎であることは、
理屈から謂って当たり前の話なんですね(木亥火暴!!)。

この均衡のなかで、頑なに身を律して独自の信念に基づき立ち回るライダーは、
年老いた世界の在り方を根底から変える存在なのかもしれない。「1971」の時点
ではあり得なかった可能性が、「1972」で語られています。

「WEB版あとがき」で和智さんが言っておられますが、「すべてが負ける」と
謂うことでは、「1972」冒頭の時点では、〈大使〉も本郷もルリ子も美代子も負
けていますね。「1971」の時点から比べると、陽気な悪魔と謂った風貌を持って
いた〈大使〉は、〈大佐〉の死後日本支部総司令官の地位を襲ったことで、退屈
な実務者である自分に焦燥感を持っていた。美代子もまた、ラストの選択と表白
から逆算すれば、今までどおりの自分であることに退屈を感じていた。ルリ子も
また、父が本郷に施した悪魔の所行に打ちのめされた。

そうして、敗北を描くと謂うことは、立ち直りを描くと謂うことに他ならない。
各人各様の敗北を冒頭に提示した後は、物語は丹念にそこからの立ち直りを描い
ていく。

おそらく、〈大佐〉の跡を襲ったために〈大使〉の冷酷な手口が表面化しただけ
で、〈大使〉行動原理自体は「1971」から変わっていないと思うんですが、一本
の映画の表題にこだわる仕草によって、〈大使〉が為政者としての己の人生を少
しも「素晴らしく」ないと感じていることが判ります。

勝つことが判りきった戦いに、汚い手口で段取りを附けることの退屈さ、その退
屈さに陽気な悪魔が陽気さを喪いかけている。〈博士〉と御子柴に対して「鉄の
規律」を迫るセリフを吐いた後の〈大使〉は、決定的な敗北感に打ちのめされて
いる。何に対してか。それは「ショッカーの在る世界」が存続することの退屈さ
に対してではないのか。「1971」の時点での、三幹部間に交わされる切ない思い
やりの環、それを冷たく断ち切るのがこの場面ですね。

どちらの側に与していようとも、どちらかが勝つことが判りきっている戦いに参
加すること、これもまた一つの絶望の在り方だろうと思います。「敗北」と謂う
視点で視てみれば、誰も彼もがショッカーと謂う組織そのものではなく「ショッ
カーの在る世界」と謂う現実に敗れ去っている。

この物語の通底音として「あさま山荘事件」が語られているのは、その意味で非
常に微妙な問題だとは思います。この事件もまた、「このようにして在る世界」
に対する戦いの、一つの結末ではあるのです。醜く惨めな形での敗北の形ではあ
ります。

私個人としては、この事件について、連合赤軍側に一切感情移入できません。か
といって、部下の殉職を涙ながらに語る佐々さんの語りを額面どおりに受け取る
こともできません。生き残った彼もまた、事件の直接的な関係者として一方的な
視点に固定されたまま、事件を鳥瞰する立場にはない。

「このようにして在る世界」への戦いの、一つの敗北の形ではあるにせよ、生々
しい形で提示された堕落と敗北の事件の記憶を、この物語にどのような形で織り
込んでいいのか、少し戸惑いがあることも事実です。

その後の〈大使〉は孔の底での本郷の転回を知らない。モスキートを倒した本郷
の再生を知らない。〈大佐〉亡き後のただ一人の仲間である〈博士〉に対しても
冷酷な為政者として処断を下した。年老いた組織の責任者として〈大佐〉ほどの
逸脱の幅を持たない〈大使〉には、組織が嘗て在るごとくこれからも在り続ける
ことは、そして、そのために自身がこれまでもこれからも決まり切った結末のた
めに決まり切った道筋を用意しなければならないことは、たまらなく退屈な敗北
に他ならない。

そうした〈大使〉の乾いた絶望に対して福音をもたらすのが、善意の伝播の果て
としてのルリ子の宣戦布告であるのは、小説版仮面ライダーの真骨頂でしょう。
ルリ子と本郷がともどもに戦ってモスキートを倒し、両者がともに敗北からの再
生を果たす。〈大使〉が知るのは、ルリ子の再生のみですが、それによって彼の
本郷に対する思い入れもまた満たされる。

ここで前回のコメントの基調に戻るのも何なんですが(笑)、こう謂う内実を「光
のネットワーク」として描いても何ら差し支えはなかったはずなんですね(笑)。

No.159 - 2003/06/08(Sun) 15:44:40

Re: 絶望と希望のある世界 / 和智正喜 [ Mail ]
まずはこのBBSをご覧になってる皆さんへ。
TOMCATさんも仰ってますけど、BBSへの書き込みはホントにもっと気軽で、それこそ一行だけでもいいんですから(いなば先生はもっと長いコメントを書くこと)。

えー、こちらもまたちょっと話が逸れるのを覚悟で。
「ウルフガイ」の名前はよく出てくるのに、なかなか引き合いに出てこない「クウガ」なんですが、「1971」に着手した時点から、同作品はひとつの指標でした。
どういうことかというと、「クウガ」というのは、「仮面ライダー」という作品に対してのメタ作品という趣が強くて、これはつまり現代において、最低、世間から笑われないリアリティレベルで「仮面ライダー」を語り直すにはどうしたらいいか? 力がすべてそこに注ぎ込まれた作品と、僕には見えたということです。これを無視することはできません。

ショッカーに当たる存在が、グロンギですが、これは組織というより、古代から復活した、それこそ魔術的なごく少数の集団です。で、彼らの目的はやはり「魔術的」(おまじないと言ってもいいですけど)な「ゲーム」=無差津別殺人。
あれって、まぁ、これは僕の完全な決めつけですけど、オウムであり、当時世間を騒がせていた少年犯罪のメタファーなんだろうと思います。近くにいるけど、コミュニケーション不可能な存在で、いつ理由もなくこちらに牙をむけるかわからない。クウガ放送当時にいちばんリアリティのあった「悪の形」なのだろうと思います。
しかし、これはある意味、悪の矮小化であることはまちがいないわけで、それに拒否反応が出る気持ちも理解できるのですが、僕はもうこれはひじょうに優れたアイデアだと思っています。

じゃあ小説のショッカーもグロンギみたいにする? となっても、まぁそれはできないわけです。ショッカー=悪の秘密結社であるという最低限のイメージは守らないといけない。
ただ同時に、現代のリアリティを考えた場合、昆虫採集を餌に子供たちを洗脳する作戦や、日本中の時計を同時に爆発させる作戦を真面目に描くわけにもいかない。そこで結果捻り出したのが、小説版のショッカーの「もう世界はとっくの昔に征服済みで、特になにもしない」という属性なんですね。ショッカーの組織のでたらめさというのも、絶対的に無力な一個人である本郷を生かしておくための方便から出てきたものです。
ただ不思議なもんで、そういう構造上の要請から決定されたショッカーの姿形というのも、小説で600P分も描いていると、なにかまだ僕自身も知らない、彼らの有り様の秘密なんかもあるような気がしてきて……まぁ、物語のマジックという奴ですね。

No.160 - 2003/06/09(Mon) 03:57:34
(No Subject) / 山之助
僕の周りに仮面ライダーファンはいるのですが小説を読むのは苦手な連中ばかりで「誕生1971」「希望1972」は両方とも僕から熱烈に薦めているにもかかわらず読もうとしなくて困っています だからBBSで他の人の感想や意見を見ていて楽しいです 最近になるまでパソコンを使うことは少なかったので大いに喜んでいます
No.151 - 2003/06/06(Fri) 14:25:54

Re: (No Subject) / 和智正喜 [ Mail ]
山之助さん、こんにちは。
確かにまわりに趣味が合う人がいないと淋しいですよね。ネットはそうした隙間を埋めるには最適のツールだと思います。それから、こうしたBBSでは、一回ごとに新規発言にするより、ツリー形式で話題を連ねていくと便利ですよ。試しに、山之助さんの発見タイトルの横についている「返信」ボタンを押して書き込んでみてください。

No.152 - 2003/06/06(Fri) 23:59:05

Re: (No Subject) / 和智正喜 [ Mail ]
と、それだけ書くだけだと不親切かな、と思って見本をつけてみました。こんな感じでツリーを続けていきましょう。
No.154 - 2003/06/07(Sat) 00:06:52

Re: (No Subject) / 山之助
今までホームページの掲示板に書き込みをしたことがないので知りませんでした。大学に入る前はESS部に所属していて、かなりマイナーなクラブでしたが趣味の合う友達ばかりで文化祭の時の劇にライダーはもちろんワイルド7やキカイダーなんかのネタを大量に盛り込んだりして凄く楽しかった思い出があります。
No.156 - 2003/06/07(Sat) 22:04:46

Re: (No Subject) / 和智正喜 [ Mail ]
そうです。そんな感じです。
こちらに書き込んでいる方になにか質問とか、別の感想を求めたりする時は、こうした機能を使ってみてください。

No.157 - 2003/06/08(Sun) 03:46:00
祝・Web版あとがき / 雀
はるか西方に住まいしている雀です。こんにちは。
案の定、うちの近所では本書は置いてません。東京まで遠征して正解でした。
もう、そろそろネタばれOKですかね?
どなたかが、今回は気が滅入る話だと感想を書かれていましたが、実は私は、前作のほうが鬱な話だったと思うのです。
前作においては圧倒的な支配を誇るショッカー、そして決して正義ではない「同盟」。その狭間にあって理解者であるハヤトをも失い独りで戦う決意を固める本郷猛。終わりなき戦いに独り臨むってのは…辛いですよぉ〜。その結果、社会が彼を認めてくれる訳でもないし。自らの死をもってしか終われない無償の社会奉仕。なんと苦しい道を進むのだろうと思いました。
それに比べて今回は、立場こそ違え、ルリ子、藤兵衛、滝と、本郷の生き方に共感し、志を同じくするものが現れます。さらに自分の行為が決して無駄ではなかった証の「感謝」という報酬すら受け取るのですから。まさに副題通り希望の輝く話だったと思います。
さて、Web版あとがき、始まりましたね。楽しみに読ませて頂いてます。次回使うかもっていうプロットは、アレでしょ?ショッカーの技術も大分戻ったことだし。いや、余計な予想をして創作の邪魔をしても…失礼しました。
実はこの、あとがきや制作裏話を楽しみにしている人も多いってことを和智さんに知ってほしくて参上した次第です。前作のあとがきが中途半端で終わってしまったので残念に思っていました。お忙しいとは思いますが、ぜひ今回は最後まで続けてください。
それでは、また機会がありましたら。

No.150 - 2003/06/06(Fri) 10:21:01

Re: 祝・Web版あとがき / 和智正喜 [ Mail ]
雀さん、それから皆さんへ
発売からもう十日近いので、1972に関してはネタバレ発言OKでいいと思います。内容に触れることを遠慮して、書いていないことがあった方もぜひどうぞ。

それから、すいません……あとがき、今度はなるべく続けます。いや、前回はまぁやってるうちに飽きちゃったことかもあるんですが、あんまり反応もなかったので。雀さんのように仰っていただけると書く甲斐も出てきます。

No.153 - 2003/06/07(Sat) 00:01:14
はじめまして! / ジュゲビ
はじめまして、ジュゲビという者です!。
WEB版あとがき、楽しく読まさせて頂いてます。
「誕生1971」を読み終わって以来、今か今かと・・・続編が登場するのを待っておりました。
そして遂に出た、「希望1972」!。自分の住んでるとこは鳥取なもんで、発売日から3日待って、手に入れることができました(汗)。
そして今日読み終わったのですが、もう・・・堪能させて頂きました!。胸に熱いものがこみ上げてきまして・・・ゲルダムがここで出たか!?と思ったり、驚きの要素もふんだんにあって、やはり燃えますね!!。改造人間のキャラも個性的で、怪人好きの自分としては嬉しくなってしまいます。
1972の発売前に待ちきれなくて、1971読み返したりしたもんで・・。今度は1973(?)の発売前に1972を何度も読み返すようなことになったらなぁ〜なんて思ったり。
続編が出たら、自分も必ず買いますので!。1972、
楽しまさせて頂き、ありがとうございました。

No.146 - 2003/06/05(Thu) 23:02:19

Re: はじめまして! / 和智正喜
……WEB版あとがき、今から3回目書きますから、ちょっと待ってくださいね。

今回の続編、本当に楽しみにしてくださってたんですね。ありがとうございます。とりあえずは多少はご期待に添えたようで、ほっとしました。怪人も考えた甲斐がありました。いろいろいっても、仮面ライダーの看板がある以上、ショッカーの怪人、改造人間がもうひとつの大事な華ですもんね。
僕もやはり子供時代の興味といえば、身も蓋もなく、来週はどんな怪人が出てくるんだろうということでした。今回のタイミングでゲルダムを出したのも、まぁ、ビックリしたでしょ?(笑)なんかビックリして欲しくて投げた球だったので、驚いてもらえて、いや、そこもホントに嬉しかったです。

No.149 - 2003/06/06(Fri) 01:46:45
今読了です / 009
はじめまして。
石森ファンのオヤジです。
「希望」を読み終わった勢いで興奮さめやらぬまま、カキコさせていただいてます。
本郷猛のような主人公造形って、今ありませんよね。誠実に悩む清冽で誇り高いヒーローをたっぷり味わわせていただきました。他人の作品ですみませんが少年時代に読んだ「狼の紋章」以来の興奮でした。
続編期待してます。

No.138 - 2003/06/04(Wed) 00:17:40

Re: 今読了です / 和智正喜
009さん、こんにちは。
気に入って頂けたようでなによりです。少年時代にウルフガイを読まれているということは、僕とだいたい同世代の方でしょうか。あの時代のヒーローということで、書いている間、平井先生の作品は当然、念頭にありました。……「ウルフガイ」の熱気には遠く及びませんけど。

No.140 - 2003/06/04(Wed) 15:13:18

Re: 今読了です / TOMCAT [ Mail ]
009さん、和智さん、こんばんわ。

私もつい昨日読了しました。009さんにはまったく同感です。私も読後真っ先にウルフガイのムードを連想しました。ただ、本家本元のウルフガイの作品世界自体にこの現在でも酔えるかと言えばそうでもない、やはり東西冷戦やキューバ危機みたいな背景があってこそ、日常の裏側に権力と権力の見えざる暗闘が繰り広げられている、そうした破滅と背中合わせにある絶望と人類存在の愚かしさ、というウルフガイの世界がリアリティを持っていたと思うんです。

しかし、和智さんの小説では、「この現在から再構築された1972年」「リアルタイムではない70年代」という時制が効いているのか、2003年の時制においてウルフガイ的なムードを語り得ていると思いました。折しも1972年は、ハヤカワSF文庫版の「狼男だよ」(初出は1969年ですが)が出版された年でもありますし、何となく因縁めいたものを感じますね(笑)。

No.145 - 2003/06/05(Thu) 22:14:10

Re: 今読了です / 和智正喜
TOMCATさん、お久しぶりです。
なんかTOMさんにしてはやけに感想短くないですか? 大丈夫ですよ、長くても。というか、どんな評価を頂くかは別にして、TOMさんの感想待ってたんですから、もっと書いてくださいよ。

年代の問題はまぁ微妙なところがあって……
そもそもどうしてあの時代かといえば、これは誰かから要請があったとかではなく、自分の判断で「みんなが知ってる本郷猛」を成立させるには、あの時代……つまりは昔、もう時代劇にしてしまうしか方法がない、というところから始まっています。
確かにTOMさんが仰ってるように、いい悪いではなく、つまりは「未来人」の目で書いている1970年代初頭なわけです。ウルフガイ、特に風俗小説の側面が強いアダルトが持っている、当時ならではの熱はどう足掻いたところで、そもそも僕に真似できるはずもないんですよね。
だから当初の思惑ともまたずれて、割と……冷めた70年代という言い方も変ですけど、そういう部分では、自分を含めた現代人向けにチューニングされた過去になっていると思います。

No.148 - 2003/06/06(Fri) 01:40:23
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