家の窓を開けた時から分かっていた。 海沿いは相当の風が吹いているだろうと。 その分景色はとても澄んでいて,富士山や江ノ島や烏帽子岩がクッキリと鮮やかに見えた。 白波が浜へ押し寄せてくる様は圧巻だ。 救いは「追い風」だった事だろう。 冬のこの時期,風の向きはそうなるようで(夕方には向きが変わるのかもしれないが),以前も凄まじく吹き荒れる風の中を、サイクリングロ−ドのそこここに積もった砂に四苦八苦しながらも、ランチ&小休止の地である江ノ島を目指していた。 余りにも砂の溜まった場所が多かったので,一時は、小田急線の片瀬江ノ島駅まで電車で来て、そこから鎌倉、正確に言うと「OKASHI0467」に向かうという方法を取っていた。 ただ一週間程すればサイクリングロ−ドの所々に溜まった砂は綺麗に取り除かれるだろうと踏んでいたので,思い切って出てみたのだが、これが見事にビンゴだった。 背中を押されるように「ブロンプトン」は快調に滑っていく。 僕が基点にしている「新江ノ島水族館」海側のあるポイントまで,茅ヶ崎駅南口から何と30分で到着していた(前は40分程掛かっていた)。 暫し,海と江ノ島と富士山を見て、いつものように3度深呼吸をした後「また来るよ」と声を掛け,小田急線・片瀬江ノ島駅の前にある「マック」ヘ。 そこで,ハンバ−ガ−2つとミルクティ−の簡単で手早いランチを摂った後、20分〜30分で出発。 一路「OKASHI0467」へ。 ここから由比ヶ浜のあるポイントまでやはり30分程だった。 この地点から鎌倉駅まででも10分は掛からない。 「OKASHI」までは7分足らずだ。 「ブロンプトン」の凄さは小口径であるにも関わらず,その駆動力の大きさにある。 海岸通りはスポ−ツタイプの自転車も多く走っているのだが,巡航速度とはいえ、スポ−ツタイプの後を暫く付いて走った事がある。 こちらも必死に漕いでいる訳ではないのにだ。 「こりゃあ凄い」と関心したものだ。 「由比ヶ浜」の駅前を通り抜ける。 今日は「クリスマス」 装いは,イタリアンレッドの「バ−ブル−ジュ」(ル・コンド)に、グリ−ン(薄手)のレザ−の手袋(ヴィヴィアンウエストウッド・マン)に、濃い渋めのグリ−ンの起毛を施されたブ−ツ(アルフレッドバニスタ−)というクリスマスカラ−。 パンツは,オ−ソドックスに黒だ(レザ−ではなく)。 インナ−も同じくシンプルに黒。 「OKASHI」が見えてきた。 「49(シジュ−ク)にしてウインタ−ツ−リングの醍醐味を知るか」 「来年は往復をしてみるか」とか「逗子・葉山まで足を伸ばしてみるか」とか妄想を膨らませながら「OKASHI」の店の脇で「ブロンプトン」を畳む。 「ブロンプトン」を右手で持ちながら左手でドアを開ける。 いつものスタッフの笑顔が僕を迎えてくれた。 Kさんと暫し談笑した後,上へ。 これから食す「クリスマスケ−キ」への期待で,僕の顔はいい感じに緩んでいく。 (本来はホ−ルでしか注文を取らないそうなのだが,余分に創った1ホ−ルか2ホ−ルはクリスマス期間店頭に出すのだそうだ)
特別な日に特別な一品(ひとしな)を
「メリ−・クリスマス」 とても静かな時に僕は包まれていた。 いや,全てが、優しい時間に包まれていた。
「クリスマスは鎌倉で」 まるでそれは素敵な魔法の合い言葉のように,僕の周りで何時までもたゆたっていた・・・
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No.1603 - 2010/12/26(Sun) 01:30:28
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