こんばんは、新ウルトラマン列伝で、6年ぶりの新作テレビシリーズ「ウルトラマンギンガ」が始まりました。期待以上のものであり、現在の円谷プロの力を見ました。今回はネタバレを極力避けて、所感を書きます。 (1) 2013年 特撮ヒーローの地方での興隆 今年は関西にいると、特撮ヒーローものがテレビで増えました。まずは1〜3月にテレビ大阪で放映された浪速伝説トライオー、これは大阪のご当地ヒーローの映像化で、大阪のイベント会社による制作、15分のミニ番組ですが、アクション監督もつけてヒーローの殺陣は本格的なものでした。あまり予算のない番組でしたが、面白かったです。 また、ゲームメーカー、ブシロードの制作によるファイヤーレオン、新日本プロレスの全面協力で、サンテレビと東京MXテレビの放映、プロレスとヒーローを組み合わせたものが4〜6月と、さらに秋から第2シーズンも始まります。こちらもアクション監督を起用した本格的なものであり、さらにトライオー、ファイヤーレオン共におもちゃ会社のスポンサードなしであり、こういう特撮ヒーローが東映・円谷以外のところでも出来るのです。しかしそれは等身大ヒーローで、巨大ヒーローは、怪獣ものも含めてこのところご無沙汰で、今回のウルトラマンギンガの登場は特撮ファン待望のものでした。 (2) 主人公が高校生 ウルトラマンギンガの主人公、礼堂ヒカルを演じる根岸拓哉さんは1996年生まれで17歳、ウルトラでは最年少記録はガイアの吉岡毅志さん、メビウスの五十嵐隼士さん(ともに登場時19歳)の記録更新です。また、高校生がウルトラマンの主人公というのも初めてですが、特撮では、仮面ライダーフォーゼが、舞台を高校にして主人公は高校生、高速戦隊ターボレンジャーは5人全員高校生、魔法戦隊マジレンジャーは主役が高校生です。 ただし、SFヒーローものでは、アニメだと年齢的に高校生が圧倒的で、宇宙戦艦ヤマトの主人公古代進は18歳、機動戦士ガンダムの主人公アムロ・レイは15歳、科学忍者隊ガッチャマンの主人公大鷲の健も18歳、その他、ハイティーンがSFアニメでは主流です。このところにアニメと特撮の違いがあります。 ただし、主人公が高校生で、小説の世界で言うジュブナイル的なSFものをやるのは、ウルトラではもちろん初めてです。 (3) 東映ヒーローとウルトラマンの影響 今回のウルトラマンギンガ、ウルトライブという、ヒーローや怪獣の人形を変身アイテムにより、違うヒーロー、怪獣になるというのは、仮面ライダーディケイド、海賊戦隊ゴーカイジャーの影響を受けていますが、そもそもディケイド、ゴーカイジャーともにウルトラマンメビウスの成功に触発されたものです。ディケイドは平成ライダー10作記念作品で、変身アイテムで過去のヒーローになれるもの(ただし、メビウスと違ってオリジナルキャストはほとんど出ず)、ゴーカイジャーはスーパー戦隊35作記念作品で、やはりレンジャーキーというアイテムで過去のヒーローに変身(こちらは過去の34戦隊のオリジナルキャストを最低1作1人は登場させた)、いずれもメビウスで過去のヒーローを出して好評だったことに触発されたものです。そしてこの2作には、大怪獣バトルの要素も影響を与えていると思います。また、プリキュアのオールスターズ映画は、超ウルトラ8兄弟の成功に影響を受けています。 もっと言うと、平成ライダー1作目の仮面ライダークウガはウルトラマンティガの影響(昭和作品との世界観断絶、超古代の戦士、タイプチェンジ)、アギトはダイナの影響(前作の続編的位置づけ、オリジナル長編映画が大ヒット)を受けています。またスポーツ報知の別冊によりますと、円谷プロの大岡新一さん、東映の白倉伸一郎さんのお話を聞いて、平成ライダーはウルトラを意識し、コスモスで怪獣保護をやったら、ライダーではそのアンチテーゼをやった(仮面ライダー龍騎での、13人のライダーのバトル)と発言していたと言うのです。これは、共通するスポンサーのバンダイの意向を受けてのことと思いますが、これによりヒットするグッズが生まれています。 |
No.11328 - 2013/07/11(Thu) 19:15:53
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