| 「TOWER RECORDS RCA Precious Selection 1000」第3期第1回からの1枚。ジャズ・クラリネット奏者のベニー・グッドマン(1909-1986)がウェーバー作曲/クラリネット協奏曲第1番&第2番を演奏した録音です。どちらもグッドマン唯一の録音。マルティノンが常任指揮者を務めていたシカゴ交響楽団との録音です。今回のリリースが、世界初CD化とのこと。
同じクラリネットでも、ジャズとクラリネットではジャンルが異なるだけに、どんな快演が聴けるか期待しましたが、意外にもスコアに忠実な演奏。グッドマンは装飾音を入れるなどの編曲は行なっていません。グッドマンのクラリネットは、細かなヴィヴラートが特徴。音色は軽く、リードが薄そうです。温かみのある音色ではなく、どこか突き放したようなシャープな演奏です。トゥッティでもクラリネットとオーケストラのコントラストがついていて、クラリネットがはっきり聴こえます。フィンガリングは楽勝のようで、スラスラ吹いています。 オーケストラも、グッドマンのオーケストラにあわせて華やかな鳴らし方。張り切って演奏しています。作品の魅力がいまひとつ劣るだけに、こういう演奏のほうがおもしろく聴けます。録音は残響を多めに収録。
カップリングには、メンデルスゾーン作曲/真夏の夜の夢から4曲を収録。フランス音楽のように縦線よりも豊かな音色を意識した演奏で、強奏はシカゴ交響楽団の総合力でゴージャスに鳴らします。「結婚行進曲」は、金管楽器がよく鳴ります。
RCA/タワーレコード TWCL-3009 |
No.403 - 2006/03/14(Tue) 23:42:34
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