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記事No.560に関するスレッドです

 
 
東北の老舗旅館、ネットに活路 ニーズ多様化に対応 / まぶりん麻呂。 [ Home ]
数多くの温泉地や観光地を抱える東北地方で、旅館が生き残りに四苦八苦している。最近10年間でも6県で約2000件が減少し、老舗旅館も例外とはいえない。蔵王南麓の鎌先温泉(宮城県白石市)で、元禄元(1688)年創業の「木村屋旅館」もその一つ。平成20年8月、民事再生法の適用申請に追い込まれた。それから1年半。再生の糸口として力を注いだのは、老舗のイメージとはややかけ離れたものだった。(伊藤真呂武)

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 木村屋旅館14代目の湯守、木村孝さん(58)は小型のノートパソコンをこまめに開き、インターネットの宿泊予約サイトを確認するのを欠かさない。宮城県南部、白石・蔵王地区の宿泊施設の人気ランキングで、自分の旅館が上位にいるのを確かめ、胸をなで下ろす。

 「この地区は、宮城県内でも有数の激戦地になっている。ランキングでは、従業員の接客・サービスの評価が一番気に掛かる。リピーターになるから。従業員には客の要望に『ノー』と言ってはいけないと教育している」

 木村さんが苦渋の決断を迫られたのは、平成20年8月。10億円超の負債を抱え、仙台地裁に民事再生手続き開始の申し立てを行った。昭和60年代に約4億5000万円あった売り上げは、宿泊客の減少などで約2億9000万円まで落ち込んでいた。

 「経費で丼勘定の部分もあったし、必要がない投資をしたこともあった。旅館の名前にあぐらをかいていた時期もある。ただ、地元経済への影響を考えると、倒産するわけにはいかなかった」

 木村さんは社長の座を退き、再スタートの道を選んだ。再生計画案は債権者の同意を得て、昨年7月には地裁の再生認可が下りた。負債は約9000万円に減額され、幸い、取引先を一つも失わずに済んだという。

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 リクルートが運営する宿泊予約サイト「じゃらんネット」で、木村屋旅館が目を引くのは、100種類を超える宿泊プランだ。他の旅館と比べて群を抜いて多い。部屋だけでなく、料理のランクにも幅を持たせ、客が一つ一つ選択できる。料金は1室2人で1人7800〜2万5800円。

 「いい部屋には泊まりたいけど食事は重視しないという客もいれば、その逆もある。民事再生前は7、8種類のプランしかなかったが、客の希望や目的に応えられるプランを考えているうちに、自然と増えていった」。これこそが、木村さんが再生の活路に見いだした糸口だった。

 昨年8月〜今年1月の半年間は前年同期比で、宿泊客が25%、売り上げが17%伸びた。その売り上げの40%前後をインターネットで予約した宿泊客が占める。1年間で7、8回利用してくれるリピーターも出てきているという。ただ、「次々に新しいプランを出さないと満足してもらえない」と危機感は消えない。

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 じゃらんネット編集部によると、1980年代は「十人一色」、90年代は「十人十色」、2000年以降は「十人百色」と言われるほど、旅行客のニーズは多様化。時間と金を有効活用するため、携帯電話サイトで直前に宿泊施設を決め、仕事帰りにそのまま旅立つ「直旅(ちょくたび)」というスタイルも広がり始めているという。

 木村屋旅館を担当する営業マンが打ち明ける。

 「団体客から個人客にシフトしたのが良かった。直前の予約に対応するため、当日の午後まで予約を受け付け、宿泊客の取りこぼしを最小限にとどめている。その分、部屋の手配や料理の仕込みなどの負担は想像以上に大きくなるが、それを可能にしているのが企業努力」

 じゃらんネットを見ていた木村さんの手がふと止まった。「宮城県」「白石・蔵王」で検索すると、宿泊施設のリストで、ライバルの旅館が木村屋旅館より先に表示されたからだ。当然、早く表示された方が客の目に留まりやすい。木村屋旅館が一番上に表示されるようにパソコンを操作しながらつぶやいた。

 「結局、こういうところをマメにやれるかどうか。今後も、客のニーズをいち早く的確に把握し、サービスにつなげていきたい」

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 ■東北地方の宿泊客

 観光庁の宿泊旅行統計によると、東北6県の昨年7〜9月の宿泊客は790万1000人で、前年同期比1.8%増加し、6期ぶりにプラスに転じた。

 平成20年6月の岩手・宮城内陸地震の反動で、青森、岩手、宮城が大幅に増えた一方、地震の影響が少なかった山形、福島は減少している。

 また、地震前の平成19年同期比では、岩手6.5%減、宮城12.0%減、秋田10.2%減となり、地震の影響が薄れても、経済不況で旅行需要が停滞していることを示している。

[1/28産経新聞 記事引用]

ネットで集客というのはもはや時流の流れでしょう。客のニーズをつかみ、客のニーズを作り出すのも求められるるんですね。

最近は素泊まり宿ばかりに目が行きますが、山奥の秘湯など行けば周りに食事処がない為、やはり食事付きというのは宿泊施設としては必要不可欠となります。
No.560 - 2010/01/31(Sun) 17:06:42 [KD118153035229.ppp-bb.dion.ne.jp]
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