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未発表収録『Monterey Jazz Festival Live』が 8/21に発売になりますね。 Monk暦<途中抜け時期あり>約16-7年。 初めての衝撃は、ユニークの♪Just You,Just Meです。 好きな曲は、♪Monk's Dream。 アルバム『Live At The It Club』の演奏がお気に入り。 雲さんは、DVD『Straight No Chaser』はどんな感想をお持ちですか。 自虐的と捉える意見もありましたが、 私はMonkの等身大の姿が、 愛情持って映し出されていると思います。 Ugry Beautyの収録場面が印象的。 |
No.733 2007/08/15(Wed) 13:44:22
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cocoa_teaさん
私が渋谷「スイング」で繰り返し繰り返し見せてもらったモンクのドキュメントが『セロニアス・モンクの肖像』。 これで、モンクというピアニストのアウトラインを比較的フラットに把握することが出来たと思います。
これを縦軸に、ストックホルムや日本でのライブ映像、フランスのTV放送などを横軸に、私の中のモンク像、モンク観が構成され醸成されてゆきました。
そういった意味では、『〜肖像』はとても良い教科書だった。
それから数年後に発表された、例のクリント・イーストウッドの映像を観たわけですが、『〜肖像』に慣れた私からすると、かなり客観性と公平性に欠ける編集に感じました。
たしかに、テオ・マセロやグリフィンとのやり取りは『〜肖像』にはなかった映像で興味深かったものの、それ以外は、『〜肖像』で既に観た映像ばかりで新鮮味なく、かつ、編集も偏ったものに感じました。
『肖像』が報道番組的目線だとすると、イーストウッドのそれは、イーストウッド目線で大胆に鋏が入った人間ドラマ、というのが私の認識です。
そして、『バード』もそうですが、ジャズマンに注がれる「イーストウッド目線」ってぇのがオレはあまり好きではない。
彼監督のドキュメントでは、『ピアノブルース』なんかはわりと好きなんですけどね……。 |
No.735 2007/08/16(Thu) 06:14:57
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No.736 2007/08/16(Thu) 10:52:14
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そう、まさにそれです。
当時、私が「スイング」で鑑賞していたビデオ(あるいはLD)は、字幕付きでした。
だから、客観的な「モンク通史」と「モンク音楽」が、それほど偏ることなしに頭の中に入ってきたと思います。
物語の構築は、色々な文献読んだり、ライブなどの映像観たりした個人個人が、勝手に頭の中に妄想で作り上げればいいと私は思っています。
しかし『ストレート〜』の場合は、まさにイーストウッド監督の頭の中で築き上げられたモンク像が、巧みな編集捌きで、一つの作品となっているのです。
それはまさに映画人としての視点で、面白い人物、面白い物語として構築はなされているとは思います。
しかし、私の場合は、どうも多面的なモンクの人物像のうちの一面だけがクローズアップされ過ぎているように感じてなりません。
もっとも、だからこそ面白い作品として成立しているわけで、雑誌にしろ伝記にしろドキュメントにしろ、手許の素材に対して、必ず編纂者の目線が大なり小なり反映されるわけで、この手法を批判するわけではありません。
要は、私のモンク像とはちっと違うな、ってことです。
私が感じた違和感は、彼の音楽以上に、
「変人」「鬱」「栄光の背後にある暗い陰」。
この面ばかりがクローズアップされ過ぎていると感じたこと。
これらはもちろん事実だろうし、イーストウッドはモンクにとっては、それこそがモンクだったのだろうから、そう編集したのだと思います。
そして、実際、これを観てモンクに愛着を抱く鑑賞者もたくさんいると思います。
ただ、私がツライなぁと思うのは、 イーストウッド監督の興味は、 モンクの「音楽」よりも、モンクという「人間」が先立っている点。
『バード』のときもそうでしたが、人間を描きたいという映画人としてのモチベーションはとてもよく分かるのだけれども、 「あなたは、パーカーやモンクの音楽を本当に好きなんですか? もしかして、単に“破綻した天才”という冠をかぶせた人間像を描きたいだけなんじゃないですか? で、たまたまモンクやパーカーが素材としては好材料だっただけなんじゃないですか?」 という穿った質問をしたくなってしまうのです。
ただ一点、評価したい点は、『バード』においては、パーカーの音は、パーカー本人の音を使っている点。
さすがに、イーストウッド監督は、誰もがパーカーのようには吹くことが出来ないという、当たり前だけれども大事なことに気付いている。
だから、パーカーの音のみ抽出して、それにあわせて最近のジャズマンに伴奏させている点は評価したいです。
ただ、ベースがロン・カーターなのは、ちょっとありえ無すぎなんですけど……(笑)。 もっとアタックと音程のあるベーシスト使えばよかったのに、と思うのですが、さすがにベースのことまでは頭が回らなかった?
息子はベーシストなのにねぇ……(笑)。
と、いつのまにか話は『バード』のほうに移ってしまいましたが、基本的に私の『バード』の感想も、『ストレート・ノー・チェイサー』と一緒です。
映画批評サイトに、『バード』の感想文をアップしていますので、よろしければ、ご一読ください。
▼C・イーストウッドの『バード』は観んでいい! http://intro.ne.jp/contents/2005/04/30_0559.html
ちなみに、ジャズ映画の監督としてのイーストウッドの評価は低いですが、基本的には、私、イーストウッド好きです。
最近の『ミリオンダラー・ベイビー』も良かったし、『ファイヤー・フォックス』『ダーティ・ファイター』(ハリーじゃないよ)なんかは、フェイヴァリットな映画で、今でも1年に1回ぐらいの頻度で、観返しています。 |
No.737 2007/08/16(Thu) 11:37:48
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