高嶋開発工業研究所の山林放射能除染の実験場は、茨城県高萩市の山林のなかにあり、 青々と樹々の茂る車同士がすれ違うことができないほどの川沿いの道を車で30分ほど、 ずんずんと入って行ったところにありました。
そこには、茶色い液体の入った風呂桶ほどの大きさのポリタンクが10数個並んでいました。
高嶋開発工業研究所の渡邉さんの話によると、 この茶色い液体が除染に使われる複合微生物(複合発酵)を含んだ液体だそうで、 実験対象の5000坪の土地に対して3トンの散布で十分な除染効果があるとのことでした。
実験対象の土地は、山林の下草や伐採された枝など障害になるものを取り除いた上で、 見学会の10日程前の5月30日に微生物の散布が行われたとのことでした。
ぼくは、実験の内容を勘違いしていて、 その場で散布して、散布前後の放射線の計測ができると思っていたので、 あれ?という感じで拍子抜けした感じがしました。
せっかくこのような実験するならば、同条件の土地を二つ用意して、 下草や伐採された枝などを除去するなら、それも同じ条件で整えて、 一方には「微生物を投与する」、もう一方には「なにも投与せず自然の状態にする」 というように肝の部分だけに差異を付けて比較するのでないと、 まともな実験にならないのではないかという考えからも、あれっ?という感じでした。
渡邉さんは、実験場の土壌の放射線量を図るためにGMサーベイメーターを ひとつの木の根元においてメーターが0を指しているということを強調し、 「ゼロになってるでしょ?どうぞ写真を撮ってください。」と参加者に促していました。
除染したからって放射線量が0になるのは不自然だなと漠然とぼくは思って、 「これは何線を計っているのですか?」と聞くと、渡邉さんは「ガンマ線です。」と答えて、 先ほどの得意げな顔から一変して、なんだか苛立っているような印象を受けました。
全員に向けて説明している渡邉さん話によると、散布した複合発酵の微生物は、 もともとの土地の微生物の働きを最大限に引き出すことを助けるためのもので、 微生物は土地に必要のない毒素を除去する働きがあるのだ、ということでした。
見学会の参加者は、それぞれに自分の計測器で放射線量を測っていましたが、 実験対象の土地では確かに放射線量が低くなっているのは確かでした。
現場に一緒にいた放射線計測などでも有名なTAさんの高性能のシンチレータで計ったところ、 実験対象の土地の空間線量は約3,000CPMで、周辺の土地では約5,000CPMでした。
どのようなメカニズムかは分かりませんが、微生物がなんらかの形で作用して、 放射性物質が別の物質になる現象は起こっていそうです。
関連するいろいろな情報から考えて、微生物の作用としての可能性として、 ぼくは、以下の可能性があるのではないかと思っています。
1. 微生物自体、もしくは、微生物の集めた物質によって放射線が遮蔽されている たとえば、放射線が当たるように鉛を集めて、自分のまわりの温度を保つ微生物が存在します。
2. 微生物の働きによって、いわゆる常温核融合(Cold Fusion)が起きている たとえば、原子番号30以下の物質に関しては、異なる物質に転移するいくつか事例が認められています。
2. の常温核融合などは、別の言葉で言えば「半減期が変化する現象」であって、 「半減期は変化しない」としている現代科学のドグマのひとつに反する事象であるので、 権威を持っている科学者たちは認めたくないという事情があったり、 除染事業はゼネコンやそこから献金を得ているような政治家たちにとっては、 微生物を散布するだけで除染ができるとなったら利権が消滅してしまうので、 いろいろな妨害を受けるということも、ちらほら聞いています。
TAさんは、12年くらい前から、高嶋博士との付き合いがあり、 複合発酵の微生物を自家菜園に使ったり、廃水処理用の複合浄化槽に使っているとのことでした。 浄化槽を通った水は透き通っていて、排泄物だったものから、飲める水が得られるとのことでした。 その水で、家庭菜園の野菜を育てていて、ネギなどは自分の背の高さになるほど元気に育つのだそうです。
12年の付き合いのTAさんは、「あの(渡邉さんの)計測器は壊れているよ。」と言った後、 「(高嶋開発工業研究所は)つぶれそうだから、除染で早く認められて助成金が欲しいんだよな。。。」 と、ふと漏らしていましたが、ぼくはせっかく微生物の除染への応用の可能性があるのだから、 もっと誰もが認める正確な実験をした方がいいのになと少し残念になりました。
除染ができるかできないかは別としても、 微生物の可能性は計り知れないなぁというワクワクした気持ちになっています。
関連した論文を読んだりしているので、またなにか情報があれば共有します。 |
12/06/2012(火) 22:07:37
|