またまた政局が混迷してきていますね。
国民の多くが「国民の生活を第一にした“変化”」を願った結果が、憲政史上初といわれるあの政権交代につながったのだと思います。 逆からいえば、それほどまでに国民の生活は圧迫され、将来の希望が持ちにくくなり、社会全体が閉塞してきているということです。そこではもっと大胆な政策を打ち出し、それを力強く実行していく意気込みと覚悟が不可欠なのですが・・・。
既得権益にしがみつき、旧体制の復活を画策する側の人たちに、鳩山政権はしてやられたということでしょう。 その責任を鳩山さん個人の資質に転嫁するのは容易いことですし、実際にそういう気運になっています。 もちろん、鳩山さんの迫力の欠如は今のような混乱期の政治家として、ある意味では致命的な欠陥だともいえるでしょう。
しかし、もっと大きなところからいえば、「この国をどういう国にしていくのか?」こそが今こそ問われているのです。 激しい競争原理の下で、ごく少数の富裕層と大多数庶民の貧困化を推し進め、「自己責任」の名の下にセイフティネットをズタズタにしてよいのかどうか。 すべての存在意義を経済効率で推し量ってよいのかどうか、です。 まさに今は、競争社会か共生社会かを選び取っていく時期のはずです。
民主党のなかには、新自由主義者といわれる経済グローバリストたちが、閣僚・大臣として少なからず存在しています。 あるいは組織労働者の既得権を守ることを最優先にし、それ以外の労働者が非常に劣悪な労働条件の中で働かざるを得ない現状には本気で手を差し伸べようとしない大規模労組の支援を受けています。 60年余り続いた利権政治のなかで、自分たちの利権構造を作り上げた官僚組織も、「国民の暮らしを第一にするための変革」には非協力的でしょうし、職務上の知識や知恵を駆使して新政府を取り込み、さまざまに「変革」の妨害をし、あわよくば新政権を崩壊させようとするでしょう。 長年にわたって、旧政権から官房機密費という名目の税金で美味しい思いをさせてもらってきたマスコミや政治評論家たちも、必死になって新政権を潰そうとします。
そういう状況は十分に予想され、もしかすれば予想よりも激しい攻撃であったかもしれませんが、それらの抵抗を織り込んだ上で戦略・戦術をたて、政策を実行していかねばならなかったのです。
おそらくは、参議院選挙で連立政府側が過半数を獲得してから、次の総選挙までの3年の間に、国民の納得が得られる政策を次々に実行していくつもりだったのでしょう。 そこでも読みが甘かったといわねばなりませんし、むちゃくちゃな偏向報道によって風向きが変わりかけた時点で、対処しなければならなかったのです。
今でも大多数の国民の願いは、アメリカ型の弱肉強食の競争社会ではなく、ある程度負担増になっても皆が安心して暮らせる(北欧型の)共生社会なのです。 これは最近の世論調査でも明らかなのですから、政府は国民の願いに基づいて、国民を味方につけながら、既得権益にしがみつく者たちや利権システムを揺さぶり続けなくてはいけなかったのです。 実際に、システムの元から手を入れるのは参議院選挙後に安定した政治状況を獲得してからであっても、その方向性と迫力はアピールし続けなくてはいけなかったと思います。 そうすれば、いかにマスコミがむちゃくちゃな報道をして世論誘導しても、ここまで国民の不信感は深まらなかったでしょう。
普天間基地移設問題は、鳩山さん自身が漏らしているように、国外・県外移設の実現を阻むために、おそらくは身内に裏切られ、はめられた結果だったと思われます。 それも含めて最高責任者の責任ではありますが、社民党の連立離脱や鳩山内閣の不信任案が提出されれば賛成するという態度は、愚かなスタンドプレーでしかありません。(かつての自民党・社会党の連立政権のときに、社会党がどれだけ変節して見せたのか忘れたとでもいうのでしょうか?)
鳩山さんが沖縄県民の痛みに深い共感を示し、「海外・県外」を主張したことで、沖縄では改めて「米軍基地の負担を軽減するように!」という声が高まっています。 辺野古周辺の海を埋め立てて基地を新設する日米合意があったとしても、埋め立てには沖縄県知事の認可が必要です。 現知事も認可しないでしょうし、沖縄県知事選挙は今年の11月に行なわれます。 おそらくは基地に反対する知事が誕生する可能性が高いと思われます。 新知事が埋め立てを認可しない可能性が非常に大きいのです。 「辺野古周辺の海を埋め立てて新しい滑走路を建設する」という日米合意があったとしても、実際には辺野古に建設するのは極めて難しいのが現実です。 今回のことで鳩山さんは確かにとてもかっこ悪い役しか演じられませんでしたが、普天間基地の海外移設の線が消えてしまったわけではありません。
社民党が日米合意に反対し、大臣を罷免されたとしても、連立に留まり、国民に向けての建設的なアピールを発すれば、ここまで政局が末期的に混迷することにはならなかったはずです。 当然、鳩山さんの責任は大きいのですが、鳩山さんの場合は「力不足」だったのであり、それに対する社民党の対応は「自分の党のことしか考えられずに愚かさを露呈した」としか言いようがありません。
私は一昨日、社民党がまだ連立離脱を決める前に、「社民党、こんなコメント出ないかな」という文章をちょこちょこっと書いて、ある掲示板に投稿しました。 この掲示板にもコピーして掲載したのですが、ちょっと不適切かなと思い削除しましたが、もう一度下の返信欄に掲載しておきます。 あくまで私個人の意見なので、ご批判などがあれば、どうぞ遠慮なく書き込んでください。 この投稿も、思いが湧いて、きわめて短時間に書いたものなので、思い違いなどがあるかもしれません。 遠慮なくどうぞご意見をお聞かせください。
しかし、今の政治家に任せておくと、この国も私たちが生きるこの社会も、どうしようもないものになってしまいそうです。 |
01/06/2010(火) 17:32:07
No.6718 飯沼 |
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◆社民党、こんなコメント出ないかな
普天間基地移設問題に関して、沖縄の皆さんに対して裏切りとしか言いようのない決定をしたことに、私ども社民党は同意も加担もできません。 ですから私(福島瑞穂)は閣議決定に際しての署名を拒否し、大臣を罷免されました。 沖縄の皆さんのご期待に沿えなかったことを、連立政権の一員として、心からお詫びいたします。 また罷免により、消費者・少子化担当大臣としての職責を果たせなくなったことを、国民の皆さんにお詫び申し上げます。
もとより社民党は与党の立場に執着するものではありません。 しかしながら、極めて不十分とはいえ、ようやく変わり始めた日本の政治を後戻りさせるわけにはいきません。 社民党も政府もまだまだ力不足ではありますが、国民の皆さんの幸せを実現し、それを願う国民の皆さん方からの期待に応えていかねばなりません。 それが政治の使命であるからです。 自民党を中心とする政権のもとでここまで広がってしまった格差を是正し、国民の経済的逼迫を改善し、社会の閉塞感を打破していかなければなりません。 自民党の政治に戻すことだけは、絶対にしてはならないと思います。
社民党はこれからも米軍基地の問題を国民の皆さんと共に考え、沖縄の皆さんの負担軽減を実現するために頑張っていきます。 国民が安心して暮らせるように、頑張っていきます。 場合によれば今回のように政権内野党として、民主党と摩擦を起こしてでも、社民党の主張を貫いていきます。 そういう覚悟の上に、 日本を自民党中心の政治に戻してはならない。 今、苦しい状況に追いやられている多くの国民の皆さんに少しでも安心できる社会を作り上げていかねばならない。 自民党政治によってズタズタにされたセイフティネットを作り直し、本当の意味で日本を豊かな国にしていきたい。 国民の合意よりもアメリカとの合意を優先させるような対米従属の日本でいいのかということも、国民の皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。
そのために社民党は今回、あえて連立政権に留まることを決意いたしました。 国民の皆さんからのご批判もあると思います。 しかし、日本の憲政史上初めてともいえる本格的な政権交代を選んだ国民の期待に応えるべく、もう一度国民の皆さんと心をひとつにして、社民党は頑張っていきます。 私たち自身にも失望感はあります。 迷いもありました。 沖縄の皆さん、国民の皆さんに大きな失望感を与えてしまったことを改めてお詫びせずにはいられません。 しかしそれで諦めてよいはずはありません。 社民党は諦めることなく主張し、国民のための政策の実現に邁進していきます。 どうか国民の皆さんのご理解とご協力をお願いいたします。 |
01/06/2010(火) 17:36:14
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No.6719 飯沼 |
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またまた書かずにいられません。
いくら民主党の支持率が下がっているとはいっても、自民党の支持率も低迷したままで、7月の参議院選挙で与党側が過半数を得ることができるかどうか、微妙な情勢だったと思います。 しかしこれは社民党が政権離脱して、鳩山総理の不信任案に賛成すると公言する前の話です。 これで、参議院の選挙区での民主党と社民党の選挙協力も実質的に水泡と帰すでしょう。 鳩山さんは内外に敵を抱えて防戦一方になり、いかにも打たれ弱そうなので、先行きはおぼつきません。 これを機にマスコミは総力を挙げて鳩山攻撃を強めます。 内閣支持率も政党支持率もまだ下がるでしょう。
しかし、総理の首をすげ替えたとしても情勢は好転するとは考えにくく、どちらにしても参議院選挙は民主党にとって非常に厳しい結果が予想されます。 そもそも、鳩山さんは首相を辞任するつもりはないそうです。
先日、「こういう情勢で、小沢さんはどう判断してどう動くのだろうね」と、さきさんと話していました。 小沢さんの政治資金収支報告書の記載事項の問題は、実は何ら法的違反に当たらないというのがまともな解釈なのですし、石川議員や大久保元秘書さんの裁判も、間違いなく「無罪」になって当たり前の案件です。(裁判が最低限の公正さに基づいて行なわれたらですが・・・) しかし、マスコミの誘導によって、一般世論は小沢バッシングに流れているので、小沢さん自身が民主党代表になって「鳩山以後」の参議院選挙を担うわけにはいかないでしょう。
参議院選挙で民主党が負けても、衆議院の圧倒的多数は変わらないので強引な国会運営はできるでしょうが、それでは政権交代前の自民党と同じです。
案外ですが、今の国会の終盤に衆議院を解散して、「衆参ダブル選挙」に打って出る可能性もあるんじゃないかと思います。 衆議院選もやれば、民主党は大きく議席を減らすでしょうが、過半数を下回るとは限りません。 何よりも言われるがままの防戦一方の選挙ではなく、「自民党中心の政治に逆戻りさせて良いのかどうか」という攻撃的論点が設定できます。 自民党側には候補者が不足し、今は財界からの金が入っていないし、政党支援金も激減しているので選挙資金も不足しています。 これはリスクの大きな賭けではありますが、ズルズルと落ちていくよりはいいかもしれません。 もしもそれで現政権政党が敗北し、またもや自民党中心の政府に戻ることを国民が選んだのであれば、それもまた国民の選択であるのです。
自民党政権に戻ったとしても普天間基地の問題は何も解決しないでしょう。 ようやく整備され始めたセイフティネットも、またすぐにズタズタになるでしょう。 それ以前に、誰が首相になり、誰が大臣になるというのでしょう。 誰がなったとしても力不足で、またもや官僚の言いなりになる利権政治の復活です。 マスコミに踊らされていつまでも無明な国民に、選んでいただくために擦り寄るのではなく、国民に選ばせればよいのです。 そして、国民に腹を開き、国民と共に新しい日本に変革していく覚悟を決めればよいのです。 不慣れな政権で国民の期待に十分に応えられていないことを率直に詫びながら、それでも自分たちはもう一度国民の支持を得て「国民の生活が第一の政治」をこの国に定着させたい。 もうしばらく政権を担当させていただければ、必ず国民の生活が第一の政治を実現すると、腹の底から訴えて戦い抜けばよいのです。
荒唐無稽な手段かもしれませんが、小沢さんなら「日本の議会制民主主義の成熟のために」とダブル選挙に打って出るかもしれません。 |
01/06/2010(火) 21:34:26
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No.6720 飯沼 |
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なんか、政局に熱くなっている感がありますが、民主党中心の政権がひっくり返れば、「企業団体献金」も禁止されないでしょう。 自民党中心の金持ち優遇政府に戻ってしまえば、ベーシックインカム制度の導入は不可能に近くなってしまいます。
取調べの可視化も実現することはなくなりますし、何よりも対米従属の度合いがさらに深まり、郵便貯金や簡易保険などの国民の財産が、アメリカという国を牛耳っている国際金融企業にごっそりとかすめ取られてしまうのは目に見えています。
今はこの日本という国をどういう国にしていくのかが、本当に大事な問題として差し迫っているのです。 私は民主党支持者でもありませんし、民主党政権に不満は山ほどあります。 しかし、自民党政治に戻すことは、絶対に国民のためにならないと思うので、ついつい言わずにいられなくなってしまいます。 |
01/06/2010(火) 21:54:57
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No.6721 おぼこ |
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飯沼さんに全く賛同いたします!! 自民党政府に戻すのだけは避けたいです。 正直、僕も今の民主党叩きには焦りを感じています。 官僚・マスコミなどのある意味最高権力?ともいえる利権組織を打ち破るのはいかに困難であるか!見せ付けられています。 何も知らない馬鹿な国民が自民を選んだのであればそれまでの事です。 マスコミ盲信者がいなくなる事を祈るしかありません。 それにしても民主党は機密費の件を大々的に取り上げないのでしょうか?副次的な弊害があるかもしれませんが賭けに出るのもアリなのではないでしょうか? 霊界があるとはいえ、現世に失望感を抱かずにはいられません。 スピリチュアリズムでいえば、だからこそ問題に向かって実践しなければいけないのですが・・・チョット、悲観的になってしまいます。 |
01/06/2010(火) 22:39:32
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