>北欧などの福祉政策をまねるのではいけないのだろうかとか思ったりもしています。
★無職comに書いた私の投稿から一部引用しますね。
ワーキングプアと言われる人たちが1000万人以上いる日本では、社会保障制度の枠から漏れてしまう人たちが非常に多くなる。 時給・日給で働く人は収入が一定していないし、収入を補助する制度がもしもできたとしても、非常に煩雑になり、申請者も大変だし、行政の手間も大きく、経費がかかりすぎる。
そして、生活保護を充実させるだけではデフレからは脱却できず、注ぎ込んだ社会保障費は回収できないから、財政が破綻する。 低所得者層はもちろんだけど、年収300〜350万円で4人家族あたりの購買力が伸びなければ全体の経済効果は薄く、その人たちの生活の苦しさをフォローする制度はない。 ベーシックインカムなら、たとえ月額5万円支給でも、経済効果は絶対にある。
ベーシックインカムは、実社会(金融や投機じゃないという意味)に流通するおカネの量を(デフレギャップの範囲内で)補充するにすぎず、補充したお金は何らかの税という形で国庫に回収され、再びBIとして全ての人に支給される。 ・ ・ ・ 月額8万円の場合、現行の社会保障制度を廃止を含めて抜本的にやり変えなければならないし、負担も大きいから、革命的な大改革になると思う。 月額5万円なら、現行の社会保障制度も修正程度で存続させられるから、混乱が少なく、導入しやすい。 社会保障にかかる人件費などの経費節減にはならないけど、とりあえずは無難かなとも思う。 。。。。。。。。。。。。
もうひとつ、ベーシックインカムの魅力は、「無条件で、全ての人に基本所得を保証する」という発想です。 北欧の社会保障は、かなり緻密に制度化されているようです。 もちろん緻密に制度化されていなければ、制度から漏れてしまう人が多くなるのですが、管理されている息苦しさを感じてしまいます。 北欧並みの社会保障費の割合にするのなら、「全ての人に無条件で、生まれた直後から地上を去るまで、最低限暮らしていけるだけの基本所得が保証される社会」の方が、私には魅力的に感じます。 もちろん保証されるのは最低限の生活費ですから、ほとんどの人は収入を得るために働くでしょう。 それが基本形になると思います。 その一方で、「最低限の生活さえできれば、あるいは、あと少しだけ何かで収入を得ながら、お金にならないくても、どうしても自分のしたいことをして生きていく」という人たちも現れてくると思うのです。 そういう人たちは水を得た魚のように生き始め、お金やお金で買える物よりも大事なものがあることを人々に示し、お金中心の世の中を次の段階に誘導していく原動力になるような気がします。 これは全く私個人の思いですが、社会保障制度は今の社会の弱点の補完物であるのに対して、ベーシックインカムは新しい社会や人間関係の始まりになるような気がして魅力的なのです。
時間がないので、ここまでにしますが、納得できないとことは何でも聞いてくださいね。 私なりの意見しか言えませんが。 |
06/02/2010(土) 01:01:20
No.6423 オレンジ |
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最低限の生活さえ保障されれば、パート勤めの人も時間を短縮して心の余裕ができるだろうし、勉強をしたい人や、今までしたくてもなかなか生活に追われた為にできなかった人も勉強に専念できるだろうし、働く事で日々がせわしなく過ぎていく生活より自分のほんとにしたい事が見つかるかもしれないし、したいことをしてもいいんだという喜びがあるかもわからないし、誰かの面倒をみないといけない状況にある人にとってはありがたいことだし、人々の心がもっと自由になれるような気がします。
私の父親は現在80歳で軽度の障害者ですが、ベーシックインカムの話をしたところ、難しい計算はわからんが考え方がすごくいいと思うと言いました。 父は長年障害者の方の相談にのったり、お世話をしたりで行事にも積極的に参加してきました。最も引き継ぐ人が出てこなかった為ですが。 このことを広めていく事に賛成しています。障害者の方にもベーシックインカムをもっと知ってもらうことができるし、お世話されている方が少しでも楽になればいいですね。ベーシックインカムは唯今勉強中ですが。 |
06/02/2010(土) 15:25:56
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No.6424 春が来る |
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あきどんさんが疑問を抱かれるように、北欧の社会福祉制度とベーシックインカムの違いは分かり難いかもしれない、と思います。
「やさしいベーシック・インカム」新田ヒカル・星飛雄馬著にも、「ベーシック・インカムそのものではありませんが、それと ほぼ同じような社会保障を実現している国が、ヨーロッパにすでにあります。それが、福祉先進国のデンマークです。」とあります。
私も、まだまだ勉強中ですが、少しデンマークの事をご紹介出来れば、と思います。
「世界一幸福な国 デンマークの暮らし方」千葉忠夫著より (千葉氏は、1967年に福祉国家の実態の勉強を志して渡欧。デンマークで社会福祉の実践を学び、現地で社会福祉現場活動に従事してこられました。)
印象に残った事を簡潔に箇条書きにします。
【デンマークは、国家予算の約75%は教育、文化、医療保険、福祉などに使われている。
地方自治体の予算配分は約60%が福祉予算であり、福祉予算の約60%が高齢者福祉に使われている。
生まれた時から亡くなるまでの医療費、教育費が無料である。
全国民に年金が支払われ、障がい者には早期年金といった、生活保障費が支払われる。
デンマークにもCENSOREDをする人はいる。しかし、貧困によるCENSOREDはほとんどない。
デンマークの高齢者は、その多くは年金をもらいながら、自分の持ち家か賃貸高齢者住宅に住み、住宅費や食費、光熱費など、その月にかかるものを全て払ったとしても、手もとに日本円にして2〜3万円が残る。
デンマークでは、税金は直接税と消費税があり、国民は収入の約50%を直接税として納め、消費税は25%で世界一である。 その為、他国から「高福祉高負担」だといわれているが、デンマーク人は「負担」だとは思っていない。 つまり、「高福祉高負担」ではなく、「高福祉高税」であり、85%のデンマークの国民は、いまの税率、いまの福祉サービスで満足している。
デンマークは、政治における腐敗が世界一少ない国としても有名である。 その政治運営は非常に透明であり、何が行われているのか、政治のなかが見えるように、国民は常に留意してきた。
デンマークの農業は自給率が300%である。食べ物があるというのは、非常に安心で、経済も安定する。】
そして、筆者は、以下のようにも書いておられます。
【日本では、国や県、あるいは市町村が何もしてくれないという嘆きの声をよく耳にします。しかし、そうした考え方は誤りです。 主権在民をしっかりと認識している国民は、自分たちの生活を保障してくれるしかるべき議員を、自分たちの代表として選びます。
デンマークの政治家の政治生命は、国民の生活保障にあるといっても過言ではありません。
デンマークの投票率は高く、国会議員の場合は約90%近く、地方議員や、知事、市長の選挙においても75%を切ることはありません。 民主主義はその名のとおり「民」が「主」なのです。
・・・日本は高福祉高税の国にはなりえないかもしれません。 また、見えないもの(ゴール)を見えるといって、実現しそうもないことを求めすぎると、はだかの王様のようにつけこまれてしまいがちです。 まずは、このくらいなら・・・というものを目指したいです。
デンマークなみの高福祉高税が無理であれば、中福祉中税を目標としてみるのがいいでしょう。 もし、あなたが国を信用できないのであれば、消費税を福祉のためにだけ使う社会事業所を国民自身で設立したらどうでしょう。 誰もが納得できるシンプルで透明な組織において、消費税を徴収して使い道を決め、配分できるようにすればいいのです。 貧困者、障がい者、高齢者といった社会的に弱者といわれる人が、安心して生活していける国になってほしいものです。】
デンマークでは、学歴偏重の価値観ではない為、教育費は無料ですが、高校への進学率は約45%、職業別専門学校へ進学する生徒は約50%だそうです。 専門学校では、実習が多い為、社会に出た時、即戦力になり、若者は、のびのびと進路を選択して学習しているそうです。
格差社会、偏差値社会、学歴社会・・・というような「差」が当然のように認められている社会ではなく、「人間は平等」という価値観が社会に根付いているように思います。
デンマークでは、職場を離れたら「目線」は同じ。相手を尊敬しつつも、誰に対しても初対面の時からファーストネームで呼びかけるそうです。
そして、デンマークでは、幼少期からの教育で、お互いに助け合う、という精神が根付いているようです。
一方、アメリカでは、オバマ大統領が、大統領選で公約に掲げていた国民皆健康保険も、改革に賛成している人が49%、反対している人は国民の46%です。(ギャロップ社最新調査) つまり、アメリカ人の約半数は「国民皆保険はいらない」と思っているということで、今のところ、実施は困難の様子です。
デンマークの社会福祉制度は、以下の、人々の意識、価値観によってささえられている、ということなのだと思います。
幸せな国=住みよい国=生活大国=ゆりかごから墓場まで保障している国=民主主義の国(=主権在民)=自由+平等+連帯+共生
デンマークは、デンマーク領であるグリーンランド、フェロー諸島を除いての総面積は、九州とほぼ同じ大きさで、人口は551万人(2009年度 デンマーク統計局)の小さな国です。 日本とは、国の規模、人口、歴史的背景、その他、様々な事情が異なります。 しかし、学ぶべき多くのことがある様に思います。
日本が、「幸せな国」になる為に、いろいろな意見を出し合って、それを目指していくことが出来れば、と思います。 |
06/02/2010(土) 21:06:21
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No.6427 あきどん |
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お返事ありがとうございます。 さき程、掲示板を読ませていただきました。
悠々塾やドネの皆さんが、すごくお薦めする、ベーシックインカムを、 理解したいと思っての、疑問の書き込みでした。
疑問を、ひとこと書くのも、なんだか勇気がいりました〜〜〜 気軽に質問できる、質問コーナーがどこかにあるといいなと思いました。
私は、今のところベーシックインカムのことは、深くは理解してないけど、なんだか良さそうだわ〜とは思っています。もし自分に、日本の政治のすごい権限があるなら、お試しで1年限定でとかやってみたい。とにかくやってみようと思う。(ドラえもんの、もしもボックスがあれば、是非、どうなっているか試してみたいです。夢物語ですが^^)
でも、実際、国民は、なんとなく良さそうでは、行動に移さないのじゃないかなと思うので(前例のないことは特に)、ベーシックインカムの制度を、できるだけ〜「どんな人にも」わかりやすく、すごーくわかりやすく、理解しやすく説明してもらえると嬉しいです。 実際おこなわれている北欧の福祉との違いも、わかりやすく。 社会問題の話は、頭がフリーズしてしまう人も多いと思うので(私も含めて)。
また、自分はこれから、ベーシックインカムの本や、春が来るさんのご紹介の本などを読み勉強したいと思います。
(そして、以下は、何も勉強してない段階での質問です。 シンプルに書かれています飯沼さんの文を読んでいて、 いちいち、知らなすぎの自分に苦笑しつつも、あえて、この段階で質問を書きますね。。。)
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>ワーキングプアと言われる人たちが1000万人以上いる日本では、社会保障制度の枠から漏れてしまう人たちが>非常に多くなる。
現行の社会保障制度の? 現行の社会保障制度はどうなっているのですか? 現行の社会保障制度では、どういう人達が、保障を受けられるのですか?
>時給・日給で働く人は収入が一定していないし、収入を補助する制度がもしもできたとしても、非常に煩雑になり、>申請者も大変だし、行政の手間も大きく、経費がかかりすぎる。
北欧の保障制度では、収入を補助する制度はありますか? もし、あるなら、やはり経費がかかっているのでしょうか?
>そして、生活保護を充実させるだけではデフレからは脱却できず、注ぎ込んだ社会保障費は回収できないから、財>政が破綻する。
生活保護を充実させるだけでは、なぜデフレからは脱却できないのですか? 注ぎ込んだ社会保障費はなぜ回収できないのですか?
>もうひとつ、ベーシックインカムの魅力は、「無条件で、全ての人に基本所得を保証する」という発想です。
私も、これはすごく魅力的だなと思います。
>北欧の社会保障は、かなり緻密に制度化されているようです。 >もちろん緻密に制度化されていなければ、制度から漏れてしまう人が多くなるのですが、管理されている息苦しさ>を感じてしまいます。 >北欧並みの社会保障費の割合にするのなら、「全ての人に無条件で、生まれた直後から地上を去るまで、最低限暮 >らしていけるだけの基本所得が保証される社会」の方が、私には魅力的に感じます。 >もちろん保証されるのは最低限の生活費ですから、ほとんどの人は収入を得るために働くでしょう。 >それが基本形になると思います。
北欧の社会制度では、管理されている息苦しさの点が、デメリットということでしょうか。 |
08/02/2010(月) 11:42:44
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No.6439 春が来る |
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でしゃばることになるかも、と思いながら、ためらいつつ・・・
あきどんさん、私なりにではありますが、出来る範囲で答えさせていただきますね。
>実際おこなわれている北欧の福祉との違いも、わかりやすく。
○ベーシックインカム
・すべての国民に給付される ・無条件に給付される ・生涯にわたって給付される
仮に毎月1日にすべての成人の銀行口座に5万円振り込まれ るとします。 夫婦と子ども2人の合計4人の世帯であれば、月20万円振 り込まれることになります。
○デンマークの社会保障制度
国民年金が支給されるのは、日本と同様に65歳からです。 それまでお金が支給されることはありません。 ただし、教育費、医療費は無料です。 >現行の社会保障制度の? >現行の社会保障制度はどうなっているのですか? >現行の社会保障制度では、どういう人達が、保障を受けられるのですか?
○日本の社会保障制度の内容
社会保険 医療保険 雇用(失業)保険 労働災害保険 年金保険 介護保険 公的扶助・・・生活保護 社会福祉・・・児童福祉法・身体障害者福祉法・老人福祉法などを 中心に保障 公衆衛生・・・結核・エイズ予防など
この中で生活保護についていいますと、この法律は、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するという目的で設けられています。
生活保護を受ける為には、いくつかの「受給要件」を満たさないといけません。 その要件を満たしているかどうかは役所が審査します。
「受給要件」・受給開始時の預貯金額は1カ月の最低生活費の2分 の1まで ・持家は売却が必要 ・保険などはすべて解約
また、生活保護の問題点として、以下のようなものがあります。
「問題点」 ・申請者の能力(生活保護の受給申請については、申 請者自身が、生活保護の制度を理解し、自分が受給 要件を満たしているということを審査する人に説明 したり、書類に記入することが求められますが、こ こがハードルになって最初から申請・受給をあきら めてしまう人がいます。) ・不正受給(所得隠し、財産隠し、偽装離婚などによ り、本当は受給資格がないのに、受け取るケースが あります。) ・審査コスト(生活保護受給者には、所有する財産に 制限があるので、規定以外の財産を所有していない か、調査員による定期訪問が実施されます。この 為、人件費、調査費がかかります。) ・労働意欲(たとえば、収入がない人が月々10万円 の生活保護を受けているとして、この人が働き始め て、月3万円の収入を得たなら、給付額は7万円に なります。ここに、労働意欲をもちにくい仕組みが あります。)
・プライバシー(受給要件のひとつに、親族による 「扶養放棄」があり、必須です。親族がいる場合、 その親族に「扶養をしない」と意思表示してもらわ ないといけないのです。)
>北欧の保障制度では、収入を補助する制度はありますか? >もし、あるなら、やはり経費がかかっているのでしょうか?
心身の不調などにより若年期から年金を受給しなければならない人の為には、早期年金、障がい年金が完備されています。 経費はかかると思いますが、デンマークでは家庭医と同様に、国民1人ひとりにケースワーカーがつきます。 ケースワーカーが、障がいのほか、子育て、貧困の相談に乗ります。
>北欧の社会制度では、管理されている息苦しさの点が、デメリットということでしょうか。
この事に関しては、私は管理されている息苦しさは感じません。 例えば、デンマークにはワーキングプアは存在しません。 デンマークには、フレキシキュリティ・モデルという、労働者が安心して失業・転職できる雇用システムがあります。 失業しても、雇用保険により、失業直前の12週間の平均賃金の90%が最長4年間、給付されます。 いったん、就きたいと思った職業が、自分に合っているとはかぎりません。 例えば、いったん大工さんになった青年が、銀行員になりたい、という場合、いつでも大工さんを辞めて、職業別専門学校で学びなおすことができます。もちろん、教育費は無料です。 この様なことから、私は、人生をのびやかに過ごせるイメージを抱いています。
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09/02/2010(火) 22:10:24
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No.6440 春が来る |
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すみません。 メモ帳に書いて、張りつける前に、メッセージ欄で「行」の出だしを揃えたのですが、送信されたのを見ると、とても見にくくなっています。 お許しください。 |
09/02/2010(火) 22:20:03
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No.6441 飯沼 |
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このところ書き込む時間が取れなくて、すみません。 春が来るさん、ありがとうございます。
日本の相対的貧困率は15.7%もあり、北欧は5%前後です。 日本は先進国でもトップクラスの格差社会になっています。 対象を限定した社会保障は、ワーキングプア層の救済にはなりません。 長引く不況・デフレによって、企業の7割は赤字です。 特に中小企業や小売業は厳しく、従業員の賃金改善は難しい状況です。 全ての人に無条件に基本所得を支給するベーシックインカムが必要なのだと思います。 |
10/02/2010(水) 12:31:10
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No.6445 あきどん |
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春が来るさん
でしゃばるなんて、とんでもありません。 本当にありがとうございます。 今、外出先からです。 また、ゆっくり読ませていただきます。 取り急ぎありがとうございま〜す! |
11/02/2010(木) 16:21:17
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No.6446 あきどん |
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春が来るさんの情報で、 日本の生活保護の問題点、よくわかりました。 だから、日本の生活保護では、 飯沼さんのおっしゃるように、ワーキングプア層の救済にはならないということですね。
また、デンマークでは、ワーキングプアは存在しないんですね。 転職しやすいシステムになっているので、 働けど働けど、生活できないような仕事は、辞めることができるからなんですね。 よくわかりました。
ということは・・・・デンマークのような北欧の、システムで、ワーキングプア層の救済になるのでは?。。。 北欧のシステムより、ベーシックインカムがいいという点は、この点では違いはわかりません。
ベーシックインカムは、北欧のシステム以上の、メリットとして経済効果がある点がいいということでしょうか。 それと、煩雑な事務を省けるという点。
だんだん、イメージできてたきたように思います。 Glass,Ageさんや、しのしのさんの、コメントを読んでも参考になりました。 |
12/02/2010(金) 14:24:21
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