昨日、同志社大学で行われた、「ベーシック・インカムは市場社会に人間の尊厳を取り戻せるか:ロナルド・ドーア先生を囲んで」というシンポジウムに行ってきました。(Glass Ageさん、情報ありがとうございます。
あいにくの雨模様で、30人ぐらいのこじんまりとしたものだと思っていたら、来場者は約150人、立ち見の人もいらっしゃいました。(単位目当ての学生さんが2〜3割ぐらい?)
ロナルド・ドーアさんの推奨されている案は、 ?@国民総生産の40%の財源が必要 ?A財源は、全法人企業が新株を国に供出 ?Bいきなり全国民に給付は無理なので、初年度は18歳の国民に、次年度は18歳から20歳まで、というように、漸増していく
それに対し、BIに反対の立場をとっているシンポジスト、同志社大学ライフリスク研究センター所長の橘木俊詔さんは、 ?@「働かない人」が増える ?A国民総生産の60〜70%の税負担が見込まれる ?B「働けない人」である、子供と引退者には支払っていいが、「働かない人」には支払わない という意見を述べられていました。
もっと、具体的な議論が激しく繰り広げられるのかと思っていたのですが、橘木さんの懸念に対して、ロナルド・ドーアさんは、「なんとかなるんじゃないの〜?」と答えるなど、柔らかい空気の漂う、不思議なシンポジウムでした。 さきさん、お疲れ様でした〜! |
14/11/2009(土) 14:47:45
| No.6230 飯沼 |
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☆響さん、皆さんへ
報告ありがとうございます。 僕も行きたかったのですが、今回は断念しました。 シンポジウム、大盛況だったそうですね。 またゆっくり話しましょう。
「国民総生産の60〜70%の財源が必要」というのは、何かの間違いかなと思います。 国民総生産ではなく、国民所得の合計ではないでしょうか? にしても、60〜70%もいりませんが。 すべての人に月額8万円のベーシックインカムで120兆円の財源が必要になります。 120兆円のうちの45兆円程度は、現行の社会保障費をあてることができるので、実質的には75兆円程度の財源が必要になります。 国民総生産は500兆円程度で、国民の所得の合計が250兆円程度です。 ベーシックインカムは、「格差が広がり、働いている人たちの貧困層が激増していて、改善の見通しが立たない」という状況だからこそ、大きな意味があるのだと思います。
橘木俊詔さんの指摘に答える意味で、僕の書いた原稿から、該当部分を抜粋しておきます。 。。。。。。。。。。。
支給額やどの税をどれぐらい増税するかによっても違ってきますが、実質所得が増えるか減るかは、夫婦と子供二人の家庭の場合、年収一千万円あたりが境になり、独身者の場合は、年収三〜四百万円あたりが増収・減収の境になるようです。 少し具体的に数字をあげていきましょう。といっても、支給額によってさまざまなパターンがあります。約二千百万人いる十八歳未満の人たちの支給額を半額にすれば、それだけでも何兆円も変わってきます。
老齢基礎年金の支給額や生活保護支給額などを考慮すれば、月額八万円程度を基準にするのが効率的でしょう。それでは足りない境遇の人に関しては、別途の増額を検討するとかの方法はいくらでもあると思います。 たとえば、すべての人に毎月八万円のベーシックインカムを導入するとすれば、一人あたり一年間で九十六万円になります。便宜上、一人当たりの年間支給額を百万円とし、日本の総人口を一億二千万人として計算すれば、総額百二十兆円の財源が必要になります。 しかし、社会保障給付費の総額は約八十九兆円(平成十八年度)です。社会保障給付費とは、社会保障に関する「現金給付」と「サービス提供のための費用」のことです。財源は、年金の掛け金や健康保険料と、国や地方自治体による公費(税金)負担分や資産の運用益などです。 現行の社会保障給付費から、ベーシックインカムの財源に四十八兆円程度を振替えることができるそうです。とすれば、ベーシックインカムに必要な財源百二十兆円から四十八兆円を引いた残りの七十二兆円になります。確かにこれでも大変な額です。
でも、所得税のさまざまな控除を廃止し、所得税率を一律四十五%にすれば、財源は十分に確保できるそうです。所得税は給与所得と申告所得(個人事業者が対象の事業所得、利子所得、配当所得等々)に課せられています。それらを合わせた所得総額は二百五十兆円程度あります。所得税が一律で四十五%なら、百十二兆円前後の税収になる計算です。ベーシックインカムの財源として十分な金額です。百十二兆円から、現在の所得税総額の約十六兆円や消費税総額の十兆円を差し引いても、八十六兆円が残り、毎月八万円のベーシックインカム導入に必要な財源は十分に確保できるのです。
所得税四十五%と聞けば、非常に高い税率に思いますが、この試算では、消費税や年金などは廃止するものとされ、健康保険料以外の掛け金も不要になります。北欧では税や年金等の負担は、国民所得の七十%です。そして、徴収した金額の大部分が社会保障に使われているのです。北欧では国民所得の五十%前後が社会保障費です。それによって皆が安心して生きていける社会になっています。
年齢性別に関係なく、毎月一人当たり八万円を支給し、さまざまな税を一本化して所得税を一律四十五%、健康保険料を所得の四%とした場合についての試算をご紹介します。 *年収七百万円、妻は専業主婦、子供一人の三人家族のケース ◆健康保険料・・・二十八万円 ◆所得税・・・・・三百二万四千円(所得から健康保険料を差し引いた額の四十五%) ◇ベーシックインカムの収入・・・二百八十八万円(九十六万円×三人) □実質所得・・・六百五十七万六千円 ■現行制度では・六百九万六千五百円 ☆四十七万円あまりの所得増になります。 このケースで子供がもう一人いれば、さらに年額九十六万円のベーシックインカムが支給されるのです。
*年収四百万円で妻は専業主婦・子供が一人の家庭では、実質所得が約五百万円になります。 収入が少ない家庭ほど、課税額とベーシックインカムでの補填額の差が大きくなります。
*年収三百万円で妻は専業主婦、子供一人の家庭では、実質収入が四百万円程度になります。子供がもう一人増えれば、五百万円の世帯収入が得られます。年齢に応じて給料が増えなくても、家庭を持って暮らしていけるでしょう。もしも解雇されても、追い詰められずに次の仕事を探す余裕もあります。
*この試算では、年収四百万円の独身者は四十万円あまりの減収になってしまいますが、結婚した場合のパートナーの収入次第で世帯とすれば増収になり、子供ができれば子供のベーシックインカムが受給できます。 これは試算法のひとつにすぎませんが、ベーシックインカムの財源をすべて所得税に求めるやり方は、一定以上の収入がある独身者の負担が大きくなる欠点があります。 ・・・・・
「ベーシックインカムを導入すれば、働かない人間が増える。生活保護費の不正受給者が野放しになっているのと同じことになるに違いない」という意見があります。 確かに、月額八万円の一律支給なら二人家族で十六万円、三人家族で二十四万円になりますから、消費税率がアップしたとしても生活していくだけなら可能でしょう。そうなれば全く働かない人たちも出てくるかもしれません。ただ、ベーシックインカムを導入すれば、物価も賃金もいくらかは上昇する可能性が高いので、支給額だけでは決して楽には暮らせないでしょう。 それに、人間は生活できるだけの収入があれば働かないものでしょうか。
日本には働かなくても一生楽に暮らしていける裕福な人たちもいます。その人たちは全く働かずに、ただじっとして生きているのでしょうか。全然そんなことはありませんね。ましてベーシックインカムで支給される金額は、最低限の生活ができる程度のものです。八万円の支給としても、一人では食べていくのが精一杯でしょう。夫婦で十六万円でも、仕事もしないで遊びまわる余裕はありません。子供ができれば少し楽になりますが、余裕ができれば親としての自覚も高まるものです。 ・・・・
ベーシッインカムを導入して、もしも働かない人が一定数いたとしても、日本の場合は全体のごくわずかにすぎないと予想してよいと思います。その一方で、今の世の中の競争原理や人間関係に馴染むことができず、引きこもるしかない人たちや、就職する意欲を持てない人たちに働き始める人が増えると予測されています。
ベーシックインカムに限らず、どんな制度であっても、世の中にはうまく抜け道を見つけ出してずるく立ち回る人はいるものです。それが制度自体を無意味にしたり崩壊させるほどのものでなく、その制度が全体にとって好ましいものであれば、導入に躊躇するべきではありません。生活保護制度にしても、わずかとはいえ不正受給はありますが、だからといって生活保護制度に反対する人はほとんどいないでしょう。 |
15/11/2009(日) 22:57:42
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| No.6231 さき |
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響さん、お会いできて嬉しかったです。 参加者は主催者の予想を越えて多かったようで、ベーシックインカムへの関心の高さを実感しました。 シンポの内容は学者的な話と現実的な話がまざってて、なんでもありって感じがして、面白かったです。なんでもありだし、やってみないとわからないし、っていうと無責任のようですが、それこそ未だどの国でも実際に実現したことのないベーシックインカムへの期待と可能性のあらわれのような気がしました。 ぬまさん、私は実際にその数字がどうなのかはわからないですが、「国民総生産の60〜70%の財源が必要」という話は、BIの財源だけでなくて、政府として他にやることあるし全部含めたらってことだったと思います。 |
16/11/2009(月) 00:28:10
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| No.6232 飯沼 |
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☆さきさん
>「国民総生産の60〜70%の財源が必要」という話は、BIの財源だけでなくて、政府として他にやることあるし全部含めたらってことだったと思います。
なるほど、そういうことでしたか。 国家予算の一般会計と特別会計とベーシックインカムの財源を合わせればそれぐらいになるかもしれませんね。 だったら別の部分を引用しておきま〜す。 。。。。。。。。。。
ベーシックインカムは、「最低限の生活の維持に支障をきたす人が激増している時代だから、皆が生活していけるように、その負担を皆で分かちあっていこう」という制度です。
もちろん今の税制のままではベーシックインカムの財源はありません。ですが、ベーシックインカムというのは、国家が何かとてつもない買い物をするのではなく、国民の所得の一部を再分配し直すということなので、実は新しい財源はいらないともいえます。
地方にお金を落とすための公共事業などもかなり減らすことができます。でも、そうはいっても、今すぐに国の予算の使い方をすべて変えてしまうわけにはいかないでしょうから、所得制限を設けずに全ての国民にベーシックインカム支給する代わりに増税は必要になります。何をどれぐらい増税するかについては、ベーシックインカムの支給額によっても違ってきます。所得税を増税するという方法もありますし、消費税の増税という方法もあります。所得税と消費税の両方を増税するという方法もあるでしょう。
ですからベーシックインカムの導入によって実質所得が増える人と、実質的には所得減になる人ができてきます。繰り返しますが、ベーシックインカムとは、今の極端な格差社会をもう少しなだらかなものにすることでもあるのです。すべての人が最低限の生活をしていけるように、所得の一部を分かちあうということです。 |
16/11/2009(月) 01:04:36
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| No.6240 Glass Age |
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響さん、さきさん、シンポジウムの報告ありがとうございます。 残念ながら行けなかったので、ポイントがわかってありがたいです。また、飯沼さんの原稿もとても勉強になります。
まだ、『ベーシック・インカム入門』も読んでないのですが、得した気分です(笑)。
ベーシックインカムのようなシンプルな仕組みのもうひとつのメリットは官僚機構の膨大な無駄を省けることだと思います。
前政権は経済対策と称して、各省庁の各セクションから出てきた、膨大な屋上屋を重ねるような施策を次々と打ち出しました。国と自治体の2重行政、3重行政なんのそのという感じでした。一体、国民の中で、この間政府がどんな施策を打ち出したのか、理解できている人がどれだけいるでしょうか。政治家でも理解しきれていないように思います。国民に理解しにくければ、利用もされにくくなるでしょう。
そんな複雑怪奇な施策体系のなかで、役人による恣意的な運用や不正や無駄が発生しやすくなるのです。そして、不正や無駄が発覚すると、こんどはそれをチェックするために膨大な費用とエネルギーが要ります。
私は、むしろベーシックインカムのような制度で基本的な福祉はシンプルに用意し、そのうえで、どうしても行政によるきめ細かな施策が必要な部分についてのみ、個別に事業を実施していくというのがいいように思います。
まだ、不勉強な中で、勝手なことを書いちゃいました。 |
17/11/2009(火) 22:00:00
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