話変わりますが 山内一也さんの「ウィルスの意味論」より 興味深かった部分をメモしておきます
▼ウィルスは生命?物質? ・ウィルスは数十億年にわたり生命と共に進化してきた「生命体」でありながら、細胞外ではまったく活動しない「物質」 ・ウィルスは自己の複製、遺伝情報(DNA,RNA)を持つが、独力で増殖できない ・ウィルスは遺伝情報とその入れ物からなる微粒子 ・ひとたび生物の細胞に侵入すると、その細胞のタンパク質合成装置をのっとってウィルス粒子の各部品を合成させ、組み立てることで大量に増殖する ・ウィルスは生物の細胞の外では死滅する(基本的に) (長生きするもの、死んでも再合成して生き返ることもある) ・ウィルスの生と死、生命の定義を越えた存在
▼宿主のDNAに入り込むウィルス ・ウィルスは侵入した細胞の仕組みをのっとって自己を複製する その時にウィルスの遺伝情報が宿主のDNAに書き込まれる(逆転写)が起る ・その遺伝子が受精卵に入り込むとウィルスの遺伝子が宿主に受け継がれる ・ヒトのDNA、ヒトゲノムの約9%が内在化したウィルスの遺伝子で占められている (ちなみにヒトゲノムのうち人間の身体を構成するタンパク質をつくる遺伝子は約1.5%に過ぎない) ・眠っているウィルスの遺伝子が様々な機能を発揮していることが明らかになりつつある
▼細菌を食べるウィルス=ファージ (細菌・微生物に感染するウィルス) ・ヒトの腸内には100兆個を越す細菌が生息しているが、その数十倍のファージが存在すると(DNA解析で)推定されている ・ファージ(ウィルス)が腸内細菌のバランスを維持することでヒトの健康に役立っている可能性があると考えられている ・腸内にも皮膚にも口腔粘膜にも、ヒトに生息しているウィルスがいて、微生物細菌層のバランスを支える役割をしている ・ヒトと共生するウィルスが、HIVの発症を抑制する働きがあることも判明
****** コロナウィルス以前に ヒトはウィルスと共存共生している ヒトのDNAの9%が内在化したウィルスの遺伝子ってびっくりした いのちはひとつらなりのイメージがさらに膨らみました |
28/06/2020(日) 09:45:54
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