◆統合・調和への道―――意志と欲求の一致―――
――意志と欲求の一致 5
単細胞生物から多細胞生物へ、そして進化を経て、いわゆる高等動物、ヒトへ。 快や好都合を求める“欲求”によって、自らに変化を生じさせながら、多様な生物が誕生していきました。
進化の過程を地球上における条件のみで見るならば、(前号から引き続いて)以上のように捉えられます。
しかし、物質的条件以外の要素――つまり、私どもが伝えている霊的視点・霊的次元――で見るならば、進化の過程とは次のように捉えられます。
「地球」という星とそこに発生する生命とを合わせて、生命としての「地球」と見なします。 星としての地球が誕生し、変化し、生命の生きる場を提供します。これが「地球」という星の役割のひとつです。「星」という物質ではあっても、役割を持つということはそこに「意志」が存在するということです。 とは言っても、あなた方の“精神”や“意識”と同一ではありません。「意志」という言語を用いると、あなた方はどうしても擬人化したイメージを持ってしまいますが、個別の人間が持つ「意志」とは違います。 感情や感覚の入り込まない、「方向性」が物質レベルでの意志です。これは“快・不快”や“好都合・不都合”よりも一段物質に近いものです。
つまり、いわゆる「生命活動」に至らない、物質として存在するものが持つのは「変化の方向性」であり、意志と欲求との区別(違い)のない状態です。 地球という星、あるいは地球上に存在する物質は、地球における役割があります。
従って、物質は、それ自体の役割に従って存在し、変化します。どう存在し、どう変化するのかが「方向性」です。つまりそこでは地球そのものや物質は、与えられた役割を完遂していると言えるのです。
これは、人間以外の生物にも言えます。 地球上に存在することの意義は、その生物の担う役割のなかにあり、役割とは、予め霊界においてプログラムされたものです。 進化は偶然の産物ではありません。地球という物質界で起こる事象と、生物の生命活動は、「地球及び地球霊界の進化・向上のプログラム」に沿っているのです。
進化・向上のプログラムは、平面的に表現できるものではありません。それは、「生命」が物質次元のみで存在するものではないからです。 あなた方人間は、肉体のみで生きているのではなく、肉体よりも精妙な“からだ”も併せて「あなた」という存在です。それは何層にも重なる“からだ”で、オーラと呼ばれます。また、「あなた」の本質・本体は肉体ではなく「魂」です。何層ものオーラよりもさらに精妙な意識です。
人間ほど複雑ではないにしろ、単細胞生物ですら、個体としての“体”と、方向性というオーラ、そして、単細胞生物全体の魂とを併せて存在しています。
ですから進化・向上のプログラムは、地上における次元、その源となる霊界における次元を含め、何層にも重なる複雑多岐なものです。
物質や人間以外の生物は、この「地球霊界における進化・向上のプログラム」に従っているのです。
しかし人間は、肉体的生命活動と共に、精神活動を以って生きていますし、存在意義が他の生命とは違っているために、プログラム通りの役割を果たすには至っていません。
今のところ、進化・向上のプログラムに沿った「意志」(魂の意志)と地上次元での欲求とは統合・調和されず、個々の人間の抱える自己矛盾や葛藤としてあり、進化・向上を妨げる要因となっています。
地球という物質に由来する「自己にとっての快・好都合を求める欲求」と、霊界に由来する「自他(全体)にとっての喜びを求める意志」との一致は未だ成されていません。 自己保存、種の保存が最優先の肉体次元の方向性は、人間においては、異質なもの(違和感を感じたもの・自己にとって不快不都合なもの)の排除として言動に反映されてきました。 それが、独占・支配・争いや偏りという現状を生んでいます。
地上的欲求は、他を顧みないという負の側面だけを見ると、魂の意志との矛盾・逆行としか捉えられなくなり、厄介なものとして扱われてしまいます。 しかし、一方ではこの“欲求”があったからこそ、向上や発展があったのだとも言えます。 欲求は変化を生む原動力だからです。
自己の快・好都合が欲求の目的だと言えます。 そこで、その「目的」を定めるのが「意志」なのです。 人間以外の生物が欲求を持つのは、自己保存・種の保存のためです。あくまでも個としての存在確保のためです。 各々の生物の欲求がぶつかり合い、長い年月を経て完成したのが食物連鎖という自然界の調和状態です。これは、各々の生物の意志によって実現したものではありません。 個々の欲求の淘汰の結果、生じたバランスです。
しかし人間は、それを上回る欲求を持っています。そして欲求の実現のために「理性」を駆使しました。そして、さまざまに肥大した欲求を実現していくことが、地上界及び人間そのものを不調和に陥れるのだということを、近年ようやく学び始めたばかりです。
多大な犠牲を払って、ようやく“意志と欲求の一致”への準備が整ったのだと言えます。 |
10/11/2024(日) 10:27:14
No.41362 飯沼正晴 |
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打ち込み時にミスがあったようなので、以下のように訂正しました。 。。。。。
自己保存、種の保存が最優先の肉体次元の方向性は、人間においては、異質なもの(違和感を感じたもの・自己にとって不快不都合なもの)の排除として言動に反映されてきました。 それが、独占・支配・争いや偏りという現状を生んでいます。 |
10/11/2024(日) 23:49:27
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