美空さんの「たけくらべ」も戦後あるけど、戦前の「樋口一葉」(並木鏡太郎)では、 一葉は山田五十鈴で、劇中の「たけくらべ」で、美登利を演じたのがデコちゃんこと 高峰秀子。一葉の妹は堤真佐子。堤さんは成瀬巳喜男の「乙女こころ三人姉妹」 では主役の一人だった。
彼女のご主人は北澤彪さん。ラジオの「君の名は」やTV小説「娘と私」で有名な方。 チエミさんのTVドラマ「ホップ・ステップお嬢さん」では父娘役で共演していた。 「あの妓ちゃん」の最終回にも、コンダクター役で出ていたと思う。
早くにお子さんは独立し、ご夫妻で荻窪の閑静な一角にお住まいで、好きで集めた骨董品を 見せてもらいに時々伺った。北澤さんは茶道具が専門の、玄人の域の「目利き」でした。 奥さんの真佐子さんは、明治の印判を集めておられた。 ベロ藍(化学藍)の印判は、骨董とは言い難い雑器だが、「その時代」が感じられて、捨て 難い味わいがありました。当時中々手に入れ難かった、北澤さんがお好きな丸い缶に入った 両切りのピース(缶ピー)を持って、お邪魔したものです。静かで優しいご夫妻でした。 骨董談義の後は、鉄瓶で沸かしたお湯で、略手前でお抹茶を点てくれました。 何時伺っても、静かな静かな午後でした。私が未だ30代の頃のことです。
堤真佐子さんは、映画の初期のサザエさんにも出てらしたそうで、ご夫妻にチエミさんのことを 伺っておけば良かったと、今になって悔やんでいます。 (画像は「頬白先生」ロッパ、デコ、そして堤真佐子のみなさん)
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No.108 - 2007/10/04(Thu) 22:41:26 [p1056-ipbf507fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp]
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