20年位前、九州で見た(聞いた)、TVCFが今でも忘れられない。 熊本の銘酒の宣伝だった。 いきなり男の声のナレーションで「美少年、純生パック、新発売!」地方のTVに 当時多かった、画面の動かないCFだった。 「ビショウネン・ジュンナマパック」の韻が妙におかしくて、笑いが止まらなかった。
木下惠介監督の映画には、美しい少年や青年が出て来る。 監督の「趣味」をとやかく言う人もいるが、清々しい男の子がイイのは判らぬでもない。 石濱朗もある時期「先生のお気に入り」の一人だった。 「少年期」「海の花火」などで、その都会的な「美貌」を謳われた。
石濱自伝(「終演の時」)を読むと、黒澤明の「七人の侍」の美少年役に話があったと言う。 完成した映画では木村功が演じていたが、「美少年」にはいささか年令的にムリがあると 思っていたので、そうだったのか!と納得した。大学(立教)に進学の時期だったので、 師匠の木下が断ったと言う。他社出演と言っても、当時の木下の力を持ってすれば可能 だった筈だから、石濱は現在世界的な名作と評価されている作品への、出演の千載一遇の チャンスを逃したことになる。
友人の黒澤ファンに依れば、「あれは木村で良かった。木村功の演技力が必要な役だ」 とのことだった。映画では男性だけの集団生活の中で、少年が他の六人のアイドル 或いはペット的存在になっている日常が、上手に描かれていると思う。 村の娘(津島惠子)と恋仲になって、白い花の咲く野原での語り合う場面は、殺伐とした この映画の中で、唯一の美しいシーンだ。 そんな場面を、この時期の石濱朗の「美少年・純生パック」で見たかった気も、私には しないでもない・・・・しかし、この頃の石濱さんは確かに「眉目秀麗」ですね。
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No.146 - 2007/10/21(Sun) 21:11:41 [p2180-ipbf215fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp]
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