CDショップの店頭のワゴンで,「日本名作映画集30」なるDVDを 1枚1000円で売っていた。「東京物語」「麦秋」「雨月物語」「地獄門」 「また逢う日まで」など中々のラインナップである。 作品は映画会社を超えて構成されているが、パッケージの裏に全作品 「50年以上経過しているため・・・」と記してあるので、著作権が切れた 作品と言うことなのか、よく判らないがメッケモノだった。
うれしかったのは、成瀬の「おかあさん」「銀座化粧」があったことで、新東宝 作品なので、「キネマ倶楽部」に国際放映が加入するまで、ビデオに中々ならず 「おかあさん」はアメリカ発売のビデオ「Mother」を取り寄せて初めて見た。 「浮雲」を除けば、戦後の成瀬作品のベスト・ワンではないだろうか?
当初山田五十鈴が予定されていたらしい主役「おかあさん」を、絹代さんが演じ、汚れ役ではないが決してキレイとは言えない役を、母親の「誇り」を内面に輝かせて、見事に表現している。
水木洋子の脚本がまた素晴しい。女性でなければ判らない(書けない)キメ細かさで、 子供に夏みかんを買いに行かせるシーンの「果物屋じゃなくて八百屋で買うのよ、 値段が違うからね」に思わず笑ってしまう。 もちろん成瀬定番のチンドン屋も、ちゃんと出て来る。
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No.149 - 2007/10/23(Tue) 19:50:31 [p1248-ipbf212fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp]
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