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記事No.167に関するスレッドです

わくら葉・落ち葉 / タラオ・バンガイ
私の父は高校の教師で、縁も所縁もない北国で一生を終えた。
勤めた高校では、担任のクラスを持たず、進学希望の指導をしていた。
昭和30年前後は未だ国全体が貧しく、どんなに優秀でも、おいそれと地方から
東京や京都、仙台の大学に行けない、そんな時代だった。
荷物を送るのもチッキ(!)、移った先では米穀手帳(!)が必要な時代でもあった。

その頃の学生アルバイトは、主に家庭教師だったと思う。
それでも暮らせない時は・・・・・・最悪の時は「売血」だった様だ。

或る日東京の一流大学に入った教え子から、父に手紙が来た。
苦学しながら金が尽き、初めて血を売ったと。
その帰り御茶ノ水の橋の処で貧血になり、「しばらく橋の上から川面を眺めていました・・」
それを読んだ父は、しょっぱい顔をしていた。

今の「演歌」と違い、一昔前の「流行歌」には、言葉の「感性」或いは「美学」があった。
三橋美智也の【星屑の町】や仲宗根美樹の【川は流れる】などは、充分に「文学」たり得ると、
私は思っている。
〈病(わくら)葉を 今日も浮かべて 街の谷 川は流れる〉は、
父の教え子の手紙と同じ、御茶ノ水の橋から眺めた川の情景を歌ったものらしい。

父が亡くなって、手紙をくれた人のその後は判らない。
〈やさしかった 夢にはぐれず〉(星屑の町)・・・・ 生き抜いただろうか、それとも
〈ささやかな 望み破れて〉(川は流れる)・・・・しまっただろうか。

そう言うお前はって?それがその・・・〈のぞみも夢も はかなく消えて〉(落葉しぐれ)・・
枯れ葉や落ち葉が1万円札、否せめて千円札だったらと思う、今日この頃・・・・

No.167 - 2007/11/07(Wed) 22:29:55 [p2058-ipbf316fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp]

Re: わくら葉・落ち葉 / 久留米無法松
タラオバンガイさんの知的な環境でのご出身がやはり音楽や映画の趣味のよさに反映されていますね。ひばりさんじゃなくてチエミさんというところがまさにそれです。こちらを親代わりに育ててくれた家は浪花節からクラシックまでの環境でしたから、今の自分はその通りでございます。ただ歌謡曲は昭和30年代までが限界。やたらお水の世界や臭い親子・夫婦愛情表現になってきてからの演歌とやらはごめんなさいです。歌謡曲ではマドロス物というのが好きなんです。ただひばりさんは好きですが、恵子さんはだめです。その微妙さをなかなかわかってくれませんが。

 画像の落ち葉、一瞬でしょうが、色合いがまるで絵画のように美しいですね。

No.168 - 2007/11/08(Thu) 11:22:23 [61-24-15-45.rev.home.ne.jp]

Re: わくら葉・落ち葉 / タラオ・バンガイ
なんで私が知的で趣味がイイものですか?
でぶりさんが「ヘッ」「フン」と、鼻先で笑っているのが目に浮かびます。

無法松さんは松山惠子さんはお好みじゃない?私も特に好きではありませんが、
昔、東和の川喜多社長の隠し子?(早逝しましたが)と仲良くなり、自宅に遊びに
行ったら「日本の歌の原点」と称して、三上寛と惠子さんのLPを延々と聞かされ、
閉口した思い出があります。

仕事がらみで聞いた最近の歌では、天童よしみ「枇杷の実のなる頃」が良かった。
美空さんの「川の流れのように」+「夾竹桃の咲く頃」÷2みたいな佳曲でした。
小細工してない卑しさのない歌声で、天童ファンではないが私的には◎でした。
それと歌謡曲なのかロックなのかジャンルが不明ですが、すぎもとまさと(杉本眞人)
の「吾亦紅」も、母へのレクエイムでチョイステキでした。
(このCDジャケットの中面に、歌と音の同時録音風景?が載っていました=添付画像)

でぶりさんは歌謡曲は余りお好みではないみたいなので、この辺で止めますね。

No.169 - 2007/11/08(Thu) 16:25:53 [p1214-ipbf601fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp]