最近気付いたのだが、ブロードウェイ・ミュージカル初期の、もっと平たく言えば菊田 一夫氏が全てに影響力のあった頃は、多くの喜劇人や軽演劇出身者が、ミュージカル に出演している。チエミさんの「マイフェア」にも八波、益田、山茶花、「アニー銃」 は森川、山茶花、市村、柳沢、「キスミー」堺、谷、松村さん等だ。 「アニー銃」の森川信さんのアドリブのおかしさは、今でも忘れられない。 越路さんの「南太平洋」の初演には、渥美さんも出ていた。 これらを今になって考えると、菊田一夫氏の卓越した「センス」だと思うが、当時は 「東宝アチャラカ路線」の踏襲とか言われ、識者には必ずしも評判は良くなかった。
越路さんが浅利慶太氏と組んだミュージカルは殆ど見たが、私的には「日曜はダメよ」 は、その中でも特に傑作だと思う。が今一、何か弾ける楽しさに欠ける気がするのは、 何故だろう?きっと周囲を四季の役者で固めた為、翻訳臭、新劇調が残るからだと思う。 あれを菊田さんがプロデュース或いは演出をしたら、もう一寸違った味わいが出たかも しれない。
私がもし「マイ・フェア・レディ」をキャステイングするとしたら、イライザは絶対!今陽子 (ピンキー)、飲んだくれの親父ドウリトルは堺正章か「爆笑問題」の田中に、フレディを 「くりーむしちゅう」の有田や上田とか、そんな配役にしたい。 ヒギンズは武田鉄矢?それは絶対ない!爆問の太田が本当はバーナード・ショーの 諧謔にぴったりなンだが・・・・・・
ミュージカルだから、歌唱力は勿論大事だが、そればかりに拘るのもナンセンス。 劇に厚みと幅を持たせる(業界では「でぶり効果」と言うらしい)には、喜劇センスの ある人が入ると、断然違って来る。坂上二郎、財津一郎さんなども、菊田全盛期に 立ち会っていれば、もっと違った活躍が出来たかもしれない。
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No.171 - 2007/11/14(Wed) 14:41:17 [p2002-ipbf304fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp]
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