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記事No.90に関するスレッドです

カラーとワイド / タラオ・バンガイ
国産色彩フィルムの「コニ・カラー」(小西六)で撮った作品は、チエミ・裕次郎
夢の競演「ジャズ娘誕生」もそうだが、他の作品も色が失せて現在では「総天然色」
で見ることは出来ないのでは?と思っていたら、山本薩夫作品「赤い陣羽織」で見る
ことが出来た。勘三郎、有馬、香川の人気スター競演とは言え、松竹の子会社の
歌舞伎座映画社製作だったので、当時主流のイーストマン(コダック)ではなく、
低価格?のコニ・カラーにしたのだろうか?BSで放映したものを、思いがけ
心やさしい知人が録画して送ってくれた。(あんがとさん!)

褪色はしているものの、想像以上にイイ状態で色が残っていて、淡い色調がロシアの
民話風の話(木下順二原作)に良く合い、1本の映画作品としても上出来だった。
昔の色彩映画を、現在再上映する際やビデオ化の時は、フジもアグファもイーストマンで
補正することが多いらしい。コダック社にはそのノウハウがあると言うことなのだろう。
(但し、この「赤い陣羽織」が、イーストマンで補正してあるかどうかは不明である。)

大型映画もシネマスコープが定着するまで、大映だけはビスタビジョンで数作撮っている。
思った程ワイドの効果がない、或いは撮影機材の使い勝手が悪いと言ったことから、
他社と同じシネマスコープの「大映スコープ」に移行して行った、但し完全にそれに代わる
までの間、「ビスタビジョン・サイズ」と称したワイド画面で、これも何作か発表している。
ワイドの比率がどう違うのか詳しくは知らないが「氷壁」「江戸っ子祭」等の作品が、
この名称(方式?)だったと記憶している。
大映の大型ワイドは、「ビスタビジョン」「ビスタビジョン・サイズ」「大映スコープ」の
3タイプと、他に70?o作品が2本(「釈迦」「秦始皇帝」)存在することになる。

ビスタビジョン第一作は、京マチ子・鶴田浩二主演の「地獄花」(伊藤大輔)だったが
「華麗なる失敗作」(当時の映画評)と、言われたものだ。
ん?チエミさんなら「地獄鼻」・・またそんなこと言って!
「地獄耳」に知れたら叱られるぜよ。

(「赤銅鈴之助」のスチール、左下に「大映ビスタビジョン」のマークが見える)

No.90 - 2007/09/29(Sat) 13:36:52 [p1024-ipbf611fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp]