山村聡さんが書いた(喋った?)ものに、こんな内容のもがあった。
題未定或いは仮題で、映画の出演依頼があって受けたが、題が決まってみると 「チョイト 姐(ねえ)さん 思い出柳」となっていたそうな。 ファンや知人に「今出ている作品は何ですか?」と聞かれる度に、恥ずかしい 思いをした・・・・・云々。
「チョイト姐さん思い出柳」って、今聞くと結構おしゃれな感じもするが、東大出の インテリ・ゲンちゃんの山村さんには、いささか抵抗のある題だったのだろう。
小幡欣治さんの傑作戯曲「あかさたな」の映画化は、名脚本家の成澤昌茂氏が脚色 及び監督をしているが、東映が付けた題名が「妾二十一人 ど助平一代」だった。 「あかさたな」では意味が通じないと変えたのだろうが、これでは出演者(三木のり平、 フランキー堺、森光子、佐久間良子他)特に女優さんは、聞かれても題は言えンだろう。 中村玉緒さんも出ているが、今の彼女なら「ど助平言うても、勝さんのことちゃいまんねん、 映画の題名でっせ」と言って、ガ・ハ・ハと笑うだろうが、この頃は未だ品が良かった。
原作・北條秀司で名古屋まつりの舞踊劇を、成沢氏の脚色、伊藤大輔の演出で映画化した 「いとはん物語」(大映)のシナリオの準備稿を、私は2冊持っているが、その1冊には 「夢はくだけず」もう1冊には「夢一夜」と、鉛筆で仮題が付いている。 脚色者或いは製作者の、逡巡みたいなものが感じられて面白い。
※「眠れる美女」のでぶりさん、夢の中で山村聡さんに頭をナデナデしてもらってくださいね。
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No.91 - 2007/10/01(Mon) 15:33:50 [p2132-ipbf613fukuokachu.fukuoka.ocn.ne.jp]
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