| 何度も同じような事を書きますが上記の記事で紹介されている「スマイル・イン・ザ・ウエスト」は、 まさにザ・ピーナッツの魅力のすべてとでも言えるような素晴らしい番組でした。 日本でもNHK総合、NHK教育で2度放映されたのですが、何故かあまり知られていないようなのです。
これは思うに、ヨーロッパではユーロビジョンのネットワークで新年の休日特別番組であったために、 全ヨーロッパの人々には広く知られ、恐らくリクエストでの再放送、再々放送もあったと思われます。 これがNHKの海外番組を担当する部署に、あちらがわから、これ、どうですかと紹介されたのでは、と 推察します。そして扱ったのが、芸能局ではなくて、報道/ドキュメンタリーの部署だったのでは? そのため、視聴者がもう寝てしまうような深夜枠で、こういう海外番組がありました、という程度で ひっそりと放送したように思われます。
今の世であれば、大変なことです。日本のアーティストがメインでのショー番組なんですからね。 番組宣伝枠を使って、大々的にこの宣伝を行ったはずです。 芸能を取り扱う部門でなかったから、渡辺プロやザ・ピーナッツにも連絡すらしなかったのでは。 現在のような権利がやかましくない時代なので、フィルム使用権さえ支払えば良かったのでしょう。 それも高額なものじゃなかったかも知れません。 昭和41年ころの放送でしたから、もうあちらでは散々使い回したフィルムでしょう。 あ、そうだ、日本にも売れないかな、と考えたのかもしれません。
ザ・ピーナッツもナベプロ関係者も、仕上がった番組を見たことがあったのでしょうか? 一ヶ月間も西ドイツに滞在して、出演したのですが、基本的に映画作りと同じ手間と手法ですので、 番組は映画編集と同じであり、完成まで見届けられたとは思えません。 おまけに日本での放映は10時ころなので、視聴率も1%とか、わずかな値だったと思います。 75分間でのザ・ピーナッツのあらゆる要素を盛り込んだ最強の作品でした。 残念ながら、ここまで手間をかけたザ・ピーナッツの主演作品は日本では存在しませんでした。 ビデオ作品ではないので、フィルムが残っていれば、見れるはずですが…。
西ドイツのスタッフはザ・ピーナッツの素養に惚れ込んだのでしょう。日本のスタッフ以上に。 これを見れば、何故、ザ・ピーナッツのドイツオリジナル曲のCDアルバムがヨーロッパで登場する のか意味がわかるはずです。ある年代以上の人々には強烈な記憶として残っているはずですからねえ。
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No.196 - 2010/10/12(Tue) 08:39:09 |