|  | 「居酒屋兆冶」抜粋 兆治こと藤野伝吉は函館の街はずれで、女房の茂子と「兆治」という名の居酒屋を営んでいた。彼はわけがあって勤めていた職場を辞めたのだった。 店は繁盛していた ・・・
牧場を経営する神谷久太郎に嫁いだ兆治のかつての恋人さよは、今でも兆治を想いつづけていた。兆治も心のどこかにさよの影を引きずっていた。 ある夜、神谷牧場が火事に見舞われた。どうやらさよの不注意らしい。数日後、さよは街から姿を消していた。 ・・・ 兆治はまっすぐにしか生きられなかった。会社を辞めたのも自分の気もちが曲げられないからだった。ある夜、仕込みにかかる兆治の背後にさよが現われ、「あんたが悪いのよ」と言い残して去った。 ・・・ そして時は流れ ・・・
兆治はすすき野のさよの部屋を訪ね、倒れているさよを見つけた。 兆冶の写真を抱いて静かに眠っていた。 孤独死であった。 兆治の眼から涙がこぼれた。
兆冶・・・高倉健 さよ・・・大原麗子
さよの孤独死は 何十年か後の一人の女優の死を暗示していた
渡瀬恒彦さんと舟木一夫さんは同じ年齢 森進一さんは歌手 大原麗子さんは**さんのおもかげを生涯ひきずって生きていたのかもしれない
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No.343 - 2009/08/10(Mon) 17:08:12 |