帰りみち、 雨上がりの、濡れて黒々とした、 ゆるやかな坂を上りきると、この丘から遠くに見える夜景は もやがかかって、どこか見知らぬ感じが幻想的です。 冬の冷たい空気がすこし穏やかで、仕事帰りにフーと吸い込みます。
そこで微かに沈丁花の香りがしました。
風に乗って、瞬く間にしずかに満ちていた、その香り。 幸福なとき。
ところで、 理解すること、を考えます。 それにはどうしても、まず、そこ、にいなくてはなりません。 そこにいたら、自然に理解されることがあります。 すべてに通じているそれ、は、そこ、にいないと明白にならないのです。 そのことを、了解されること、ということができます。
素直、そして理解。 それは無理強いができません。 了解されたなら、自然にそうなるだけです。 そのとき、 すべてに通じる理解が得られるというよりは、 ただそれを生きることになります。
好雪片々別處に落ちず
ともいえると思います。
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No.1426 - 2009/02/21(Sat) 00:19:16
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