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記事No.1081に関するスレッドです

シーナ&ロケッツ/キャプテンギター&ベイビーロック / 淳吉郎
(この文章は私が以前まで投稿していたブログ;ANOTHER TIME! ANOTHER PLACE!!における2008年4月30日投稿分の再掲載です)

ボクは音楽好き。キミと同んなじっ位、音楽好き。
レコードも集めるしコンパクト・ディスクも集めるし、ミニ・ディスクも・・・ゴメン、さすがにミニ・ディスクは買った事ないなぁ。でもあれだよ、自分のバンド:THE SLICKSの練習ん時には、しっかり録音可能なミニ・ディスク・プレイヤーにて自分等の演奏をチェックしてんだぜ。
客観的に観るのは絶対重要。なぜ?って。だったら鏡を見てみなよ、今すぐに。キミの顔や姿や衣装はキミの世界の産物。自己満足(通称:ジコマン)な海で泳いでる。クロ〜ルぅ?背泳ぎぃ?犬掻きぃ?アイ・ウォナ・ビー・ユア・ドッグ?自分の世界が最高なのは解かってる。だから他人の意見なんて聞きたかない。キミだってそう思うら?俺の海で俺は泳ぐし潮干狩りでアサリも漁るぜ。貝は大好き。酒蒸しで酔っ払うぜ。酔っ払っていてもいなくてもセルフ・プロデュースで曲を造りたいし文字を書きたいし映像を撮りたいし大事な人は守りたい。男も女も。
だけど最高な時に最高なのは文字通り当たり前で。むしろダウナーな時にボク自身を含めたダウナーな世界中のボンクラ共をアッパーにさせれるか?とか、むしろアッパーな時にボク自身を含めたアッパーな世界中のボンクラ共をダウナーにさせれるか?とか。それが重要なのさ。そんな上でも下でもない場所に、砂丘だとか盆地だとか一方通行な道路だとか一面に拡がる台地だとか、そんな処所にホーム・ステイしていたい。代償(たとえば家賃って言ってもいいかな?)を払いながらでも。
背に腹変えられないリアル。100m背泳ぎ競技でクロールできないリアル。そこで泳いでる。そこで漕いでいる。そこで徒歩してる。それを観察していたい。踊ってるボクを見てみたい。汗流してるボクを見てみたい。焦ってるボクを見てみたい。慌てているその様を。リアルな自分を客観的に観るのは絶対重要。

ボクは音楽好き。キミと同んなじっ位、音楽好き。
とあるライブを観に行った。県庁所在地である地方都市の中心からちょっと外れた場所にあるライブ・ハウス。狭い空間に凝縮された空気。誰かが「ロックンローっ!」って叫んだ。それはリバーヴして残響してエコーしてコダマした。その状況を体感した誰かはきっとそれを“ロックンロール山脈”って名付けただろうね。ホントにそんな空間だった。だけどロックンロール山脈の最高峰マウンテンの標高なんて解かんないよ。みんな最高峰に憧れながら目指しながらトコトコ登ってんのさ。
そんなロックンロール登山なんて簡単。「もぉいぃ〜やぁ〜っ!」なんてあきらめた時に終了すりゃいいんだから。「はいはい、下山でござりますね」なんて言いながら受付嬢が下山キップをチョキチョキ。“下界”行きのロープ・ウェイが待ってるぜ。でも忘れんなよ。不用になったギターやベースやドラム・キットは自分で持ち帰れ。邪魔だから。じ・や・ま・だから。
話がそれた。ライブを観に行った話だった。そのバンドは二人のギター弾きをゲストとして呼び入れてアルバムを作った。1986年の事だがアルバム発売に伴うツアーでも二人のうちの一人がギターとして参加していたんだ。ぎゅう詰めのフロアー。背が低いボクはステージ左側の壁際に陣取りうまい具合にビールケースかなんかで一段高くステージを見晴らす事ができたんだ。演奏が始まる。ゲスト・ギター弾きがすぐ近くに居る。何曲目かで彼と眼が合った。ギターを弾きながらジッとこちらを見てる。ボクもジッと見返す。どぉしよう?笑顔を返すしかないら。照れ笑いか?
ボクのそんな照れ笑いにギター弾き:山口冨士夫さんも笑みを返してくれたんだ。


写真は1986年発売、『GATHERED』発売ツアーにおけるシーナ&ザ・ロケッツのライブ盤『CAPTAIN GUITAR & BABY ROCK』。
実力のあるバンドのライブ盤ほど聴いていて楽しいものはないね。そしてこのライブ盤の特筆すべき点は“Big Thrill”“Captain Guitar & Baby Rock”“The Very Last Kiss in The World”っていうスタジオ音源では聴けないオリジナル曲が3曲も収録されているって事なんだ。


※山口冨士夫さんの訃報を先ほど知りました。ご冥福をお祈り致します。

No.1081 - 2013/08/15(Thu) 19:59:38