「待望の初来日!ついに決定!」 はっきりと覚えてないけど、そんなニュアンスの文字が新聞紙面上で踊っていたのは確かで。ダンス ダンス ダンス。1989年の冬の事でした。 当時、わたしがやってたバンドは5人組。ヴォーカル、ベース、ドラム、そしてギターがふたり。その報に居ても立ってもいられなくなったのはヴォーカルとふたりのギター弾きです。「よし!チケット絶対に取ろう!」って毎週金曜日・午後10時からのスタジオ練習時に話し合った。 「きっとチケット争奪戦だね」 「徹夜するけ?」 「するしかないら」
チケットの発売日は土曜日だった。残業だらけの毎日だったけど、その日は特別さ。定時あがりで市内繁華街にある百貨店までバイクで直行した前日の金曜日。百貨店内にプレイガイドがあったのです。 百貨店入り口に着くと既に2人並んでた! 一番は50歳過ぎのおばちゃん。二番が女子高生。進学校の制服を着てる。わたし三番。「三番サード・ナカムラ」ウグイス嬢が場内アナウンスしてくれてる気がした。ホーホケキョ。 相方のギターもしばらくして登場。午後7時過ぎに余裕かまして現れたのはヴォーカル。女子高生に話しかける。 「おう、ありがとな」 「お兄ちゃん!遅い〜!」 「ゴメンゴメン。あっ、これ俺の妹」 「お、お前、学校帰りの妹、使ったのかあ?」
初冬の夜は寒い。でも、どんどん人が集まってきた。みんなライブを観たいのです。 ラジカセを持ってきて音楽を流してる奴もいる。リズム&ブルースが浜松の真夜中の繁華街に流れてたんだ。 一番のおばちゃんにインタビューしてみた。 「おばちゃん、徹夜の気合いすごいね」 「わたしね、ジュリーが大好きなの。だから彼の憧れであるミックをこの目で観たいのよ」
明け方、百貨店の入り口から200メートル以上の行列ができていた。みんなライブを観たいんだ。 午前10時の開店。チケット発売開始時刻も同じ。30分前に入店を許されたわたし達はプレイガイドの窓口で10時の時報を待ちました。 ♪プっプっプっピ〜ン♪ 我が国ニッポンで一斉にチケット販売開始の時報さ。 トップ・バッターのジュリーおばちゃんが歓喜の声を上げた。 「わぁ〜アリーナの最前列っ!」
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そのバンドが8年ぶりに来日公演するという情報が新聞紙面及びインターネットに載った12月初旬。 徹夜なんてせずにパソコンから抽選先行予約に応募。無事に予約権を得た。 先程、コンビニエンス・ストアーでカード決済した。 俺はバンドマン。いつでもカッコつけたい。レジで大きな声で言いました。 「ザ・ローリング・ストーンズのコンサート・チケットの入金に来ました!」
神様ってホントに居るのかどうか。 けど、クリスマスになればケーキを食べるんだ。プレゼントを贈るんだ。正月になれば5円玉を小箱に放って一年の無事を祈るのさ。 俺は男だからロックンロールの女神に見守られてるのかね。わかんねーな、んな事。 でも確実なのは、あの日のジュリーおばちゃん。 東京ドーム最前列をゲットした彼女はRock’n Roll Knight (ロックンロールの騎士)から指名を受けたのです。徹夜(ナイト)しただけにね。
B.G.M.「ザ・クラッシュ/サンディニスタ!」 ジョー・ストラマーが亡くなって本日(22日)で11年。 ねぇジョー、あなたは♪1977年にエルビスもビートルズもストーンズも必要ない♪って唄ったけど、俺には2013年の現在だってエルビスもビートルズもストーンズも、そしてあなたのクラッシュも必要なんだ。
KiLLER Q PRESENTS “ATTACK THE KiLLER BEAR Vol.15” 2014年1月12日(日) 浜松G-SIDE O/S 17:30 / 18:00 A/D 共に\2500(1d別) 出演;KiLLER Q、NICKEY&THE WARRIORS(東京)、FLORIANS、 the SCOOTERZ、SHADY GLIMPSE、SPUNK’S RED BOOGIE(静岡), THE SLICKS DJ:いっぺこ(毎日が冒険)、Te2(DIY tattoo) …and more
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No.1104 - 2013/12/22(Sun) 22:17:52
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